仕事をしていると、誰しも一度くらいは「会社を辞めたい」と考えたことがあると思います。しかし、その時点で退職を決めてしまうと、あとで後悔しても元には戻りません。今回は、会社を辞めたい気持ちを静めるための方法をご紹介します。
離職理由は「勤務条件」と「人間関係」
近年、会社を辞めてしまう理由は変化していると言われています。厚生労働省『若年者雇用実態調査』によると、平成9年の調査では「仕事との相性が合わない」が多かったのに対して、平成25年の統計をみると、「労働時間や休日といった条件が悪い」「人間関係が合わない」という理由が上位になっています。
せっかくやりがいのある仕事に出会えたのに、働くための条件が悪かったという方は少なくないようです。一方で、初めて働いた会社を退職し、条件のよい職場で自らのキャリアアップを目指したいという意欲的な方もいると考えられます。
辞めたい理由は妥当か冷静に分析しよう
仕事を辞めたいと思うとき、きっと感情的になっているケースが多いにちがいありません。感情に流されて退職を決断する前に、今の職場を客観的に見直してみるとよいでしょう。
・労働条件は本当に適正でなかったのか?
まず見直すべきポイントは、労働時間や給与、会社の将来性といった項目です。例えば、同業他社と比較すると、自分の職場の勤務条件は思っていたより悪くなかったということもあります。
・人間関係に落ち度はなかったか?
人間関係についても見直してみるとよいでしょう。自分の言動に落ち度はなかったか――。こちら側に問題があったということもあるかもしれません。関係が悪い相手こそ飲みに誘うなどして、相手との仲を取り戻してみてはいかがでしょう。
・転職市場での価値は本当にあるか?
自分が会社に利益を生み出せている人材か、きちんと考えなければなりません。初めての会社へ入社後数年は先輩が真剣に教えてくれますが、転職すれば即戦力を期待されるものです。自分が会社の戦力になっているか、本当に適正な給与条件かを考えてみましょう。自分ではわからない場合、転職エージェントに相談するのもよいと思います。
・退職後のステップアップは描けているか?
転職市場での価値とも関係しますが、自分の実力が希望する転職先に見合っているかを考え、ステップアップにつながる退職になるかを考えるとよいでしょう。具体的なキャリアイメージができない場合、転職後の成功は難しいかもしれません。
発想の転換をしよう
退職後のキャリアを考慮すると、やみくもに会社を辞めるのは得策ではありません。転職期間のことなどを想定しながら貯金をし、次のキャリアをイメージして準備するとよいでしょう。また、突発的に「辞めたい」という気持ちがわきあがったら、次のような発想の転換をしてみましょう。
・ビジネススクールだと考える
現在勤めている会社では、一定のお給料が出ると思います。同時に、先輩は仕事に対しての指導をしてくれるので、お金をもらいながらビジネスを学べる環境だと考えましょう。
・どんな仕事も苦楽は訪れる
どこの会社で、どのように働いていても、楽しいことばかりではありません。必ず苦しいこともあります。それは仕事のスキルが身に付く成長途中だからです。苦しいときこそ自らのレベルアップの糧になります。耐えようという気持ちを持ちましょう。
会社を辞めたいと感じても、自分の将来を描いてみると退職は得策ではないかもしれません。一度、冷静になって考えてみることが大切です。早すぎることもあるので、転職すべきタイミングを見誤らないようにしましょう。