「職人気質の人」という言葉が使われることがありますが、具体的にどんな人のことを指すか、ご存知でしょうか? よく耳にする言葉ですが、その実態を正確に知る人は少ないでしょう。ここでは、職人気質とはどんな人のことを指すか、また、職人とはどんな職業の人かをご紹介します。その性質を知ることで、自分の進む道の選択肢が増えることもあるかもしれません。
職人気質って何?
まずは、職人気質という言葉を分解し、それぞれの意味を改めて考えてみましょう。
職人とは?
職人には、「身につけた技術を用いて物を作り出す職業の人」といった意味合いがあります。これに該当するのは、たとえば下記のような職業です。
・大工、左官、造園、植木といった、土木や建築関連
・パン、和菓子、洋菓子、寿司といった、飲食関連 ・伝統工芸士
同じ飲食関連であっても、レジや接客の場合は基本的には職人には属さず、調理をする人間のことを指します。
職人と呼ばれる人たちの特徴として、一般的に、「自分の技術を磨くことに努力を惜しまないプロフェッショナル」「一度受けた仕事は利益や時間を度外視してでも、納得できるまでとことん良いものに仕上げるこだわりの強さ」などがあげられています。
気質とは?
気質は“かたぎ”と読み、職業、年齢層、環境などにおいて、共通して見られる特有の「気風」や「性格」のことを指します。「人格」という言い方もできるでしょう。
職人気質(しょくにんかたぎ)とは?
「職人」と「気質(かたぎ)」を組み合わせてできているのが「職人気質」という言葉です。「身につけた技術を用いて物を作り出す職業の人」に特有の「気風」「性格」「人格」のことを指しており、「こだわりが強く、実直で努力を惜しまない人」といった意味合いになるでしょう。自分の仕事に誇りを持って取り組める、コツコツと真面目に仕事ができる、といった人は、職人気質であるといえるかもしれません。
職人になるには
一口に職人といっても、職業によって大きな違いがあり、目指すために取り組むべき内容も異なります。ただし、現場にて技術を磨く(職人技を学ぶ)こと、知識を身につけるために資格を取ることなどは、どんな職業であっても共通して必要なことです。職人技術は、独学では学びきれない範囲も多いもの。できるだけ早く正確な技術を身につけたいなら、現場で働くのが近道でしょう。
一人前になるための技術を磨くには、休みの日を使って勉強に打ち込む必要があるかもしれません。最初のうちは苦労も多く、体力勝負になってくることもあるでしょう。そのため、途中でエネルギー切れにならないよう体力をつけておくことも、職人になるためには重要なことです。
職人の給料はどうやって決まるの?
たくさんの努力を積み重ねてようやくある程度の技術を身につけられたとしても、そこは厳しい実力の世界。技術力や経験、所持している資格など、スキルを総合的に評価されて給料が決められるため、未熟なうちは思ったほど給料を得られないかもしれません。
・スキルアップによる昇給
職人は年齢よりも能力が重視されやすい傾向があるため、逆にいえば、若くして高い給料を得ることも夢ではありません。指導や監督などを任せられる立場にまで上り詰めることができれば、給与アップも見込めるでしょう。より高いレベルの資格を取ったことで評価がアップし、昇給につながるケースも少なくありません。
・独立
身につけた技術を活かして独立するのも一つの手段です。独立後の成功率は決して高いものではありません。自分自身の技量にすべてが委ねられるため、責任は重くなるでしょう。しかし、成功すれば大幅な収入アップも見込めます。何より、自身の力を活かして仕事をこなしていくことに大きなやりがいを感じることができるでしょう。
職人として働くことは決して楽な道ではありません。しかし、その技術を活かしてさらなるレベルアップを図ったり、思い切って独立して自分のやりたい仕事をやったりするなど、さまざまな道が拓けてくる可能性があります。打ち込みたい仕事がある方、自分の技術をさらに伸ばしたい方、「自分は職人気質なのでは?」と感じた方は、まず現場で働くことから始めてみてはいかがでしょうか?