有効求人倍率は、景気とほぼ連動しています。そのため、有効求人倍率を知ることで現在の景気を測ることも可能です。また、求職者にとっては、現在の就職のしやすさや、狙いやすい業界などが分かる重要な情報となります。 有効求人倍率の求め方や、2015年の動きについて確認してみましょう。
有効求人倍率とは
有効求人倍率とは、有効求職者数に対しての有効求人数の割合のことです。仮に、求職者が10人いて、求人が20件あった場合、有効求人倍率は2.0倍となり、求職者有利の傾向であることがわかります。反対に、求人が5件しかなかった場合は、有効求人倍率は0.5倍となり、就職難であるということになります。 有効求人倍率は、厚生労働省が毎月発表しています。ハローワークの求人票と求職者数を元に算出されているため、ハローワークを利用していない求人や求職者は対象外となっています。しかし、都道府県別や産業別の有効求人倍率も細かく算出されており、傾向を見るには十分だと言えるでしょう。
2015年の有効求人倍率の推移は?
2015年の有効求人倍率は、ゆるやかながら上昇傾向にあります。1月の有効求人倍率が1.14倍であったのに対し、6月は1.19倍となっています。正社員の有効求人倍率は、1月が0.7倍、6月が0.75倍と、こちらもわずかながら回復傾向にあります。しかし、7月の正社員有効求人倍率は0.75倍と6月と同様になっているので、常に上昇傾向にあるというわけではありません。 一方、有効求人倍率そのものは、7月は1.21倍と上昇しています。しかし、個人消費は減少傾向にあり、景気の悪化から今後も上昇が続くとは言い切れない状況です。 業種別で見ると、医療、福祉分野や宿泊業、飲食サービス業の求人数の伸びが大きくなっています。反対に、情報通信業や運輸業、郵便業の求人数は減少傾向にあります。
職種別の有効求人倍率をチェックしよう
各都道府県のハローワークでは、それぞれの詳細な有効求人倍率について公表しています。 東京都の7月を例にとって、職種別の傾向を見てみましょう。一般常用の有効求人倍率がもっとも高いのは、保安の職業で9.64倍です。その他、福祉関連の職業は3.49倍、建設・採掘の職業が3.99倍、サービスの職業が3.67倍と高い傾向にあります。少子高齢化に伴い、介護業界での求人が目立つ結果となっています。建設業界や介護業界は人手不足傾向にあると言えるでしょう。 就職先や転職先を探している方は、こうした動向をチェックし、有効求人倍率の高い職種を狙ってみてはいかがでしょうか。