未婚率の上昇と出生率の低下が進んでいます。特に出生率の低下は少子高齢化をさらに推し進めてしまい、日本が抱える大きな問題として取り上げられています。
なぜ未婚率は上昇しているのでしょうか? やはりひとつの鍵は『収入』にあるようです。
キャリアデザインセンターは25~34歳の若手ビジネスパーソンを対象に『安定した収入がないと、家庭をもつのは難しいか』という意識調査を行いました(キャリアデザインレポート2012 安定収入意識調査)。
グラフ:安定した収入がないと、家庭を持つのは難しいと思いますか
調査によると『思う』という回答は45.2%、『どちらかといえば思う』は38.1%。合わせて約8割の人が安定した収入がないと、家庭を持つのは難しいと思っていることが分かりました。
年収別の既婚率を見ると、やはり年収にひとつの壁がありそうです。
大きく既婚率が上がるのは400万円台になった時!
国土交通省が発表した『国土交通白書』の中の『結婚・子育てに関する動向』で、年収別の既婚率の詳細が提示されています。
20・30代の男性の場合、年収200~300万円の既婚率は14.6%、300~400万円は26.0%、400~500万円は32.1%、500~600万円は36.3%と、年収が上がるにつれて既婚率は高くなっています。
しかし民間給与実態報告によると、20~24歳の男性の平均年収は261万円。25~29歳で367万円、30代になってやっと400万円台になります。
既婚率の上昇するポイントを見ても、300万円台から400万円台に上がると一気に12ポイント上昇しています。平均年収を考えると、晩婚化が進んでしまうのは20~30代の年収が上がらないことがひとつの要因と考えられます。
年収は高すぎても既婚率は上がらない?
ところが年収はただ多ければいいというわけでもなさそうです。もっとも既婚率が高いのは年収800~1000万円の44.0%ですが、年収1000万円以上の既婚率は27.9%まで低下していました。
結婚することで共働きをする場合、追加的な経済的メリットがあります。しかし年収1000万円を超えるとすでに経済的に自立しているため、経済的なメリットを感じにくいことから、既婚率が下がると分析されています。年収1000万円以上というと、かなり多忙なイメージもあります。忙しすぎて結婚できない、ということも考えられるかもしれません。
ここ数年は給与も上がりづらく、結婚に踏み切れない方も多いかもしれません。またリストラなど雇用が安定しないという現実も考えなくてはいけないため、年収だけを目安に判断することが難しい世の中です。結婚を考える場合は、共働きをするといった、経済的なサポートも考慮しなくてはいけないかもしれませんね。