数年先の年収に目安がつくようであれば、お金の面でいろいろと計画を立てることができます。自動車や家のローン、老後のための貯金など、挙げればきりがありません。しかし最近では『実力・成果主義』が叫ばれ、個人の実績により給与が変わるというシステムも生まれています。
今の若手ビジネスパーソンは、給与についての不安を抱えているようです。
キャリアデザインセンターは25~34歳の若手ビジネスパーソンを対象に『仕事を続ける上で不安に感じること』を尋ねた意識調査を行いました(キャリアデザインレポート2012 不安要素の調査)。
グラフ:キャリアデザインセンター 仕事を続ける上で不安に感じること
今回の調査でトップとなったのは『給料・収入の減少』で54.8%。2011年の調査では約40%だったものが、約15%も増加しています。昨今は景気の悪化により給与が上がらず、場合によっては減少している会社もありました。そういった状況から、給与に関することが不安要素になったようです。
そして今回の調査では、前回の調査より増加した不安要素もあります。
実力や成果を気にする人が増えている!
『自分の経験・能力が社会で通用するか』を不安要素に挙げているのは約30%。前回調査よりも約8%増加。また『成果・業績が正当に評価されるか』も約20%で、前回調査より約5%増加しています。この2項目は前年よりも増加傾向にありました。
これは実力・成果主義について、不安に思っている人が多いということです。
『実力・成果主義』と『年功序列』
実力・成果主義を給与に反映させる場合、当然大きな結果を残せば給与は上がります。しかし実績が残せないと、給与が下がってしまう可能性もあります。
実力がある若手が社内で結果を残し、出世する可能性を秘めている実力・成果主義。がんばれば給与に反映されるためにモチベーションが上がるという利点がある一方、給与が下がるかもという不安を抱えてしまうという欠点があります。
実力・成果主義の反対の制度は年功序列です。年功序列では年齢によって緩やかに給与が上がっていくものの、大きく上がる要素は少なくなります。また実力・成果主義のように実力のある若手がすぐに出世することも少なくなりますが、先輩・後輩というしっかりとした制度があるために、先輩のもつノウハウを後輩に伝授しやすいという利点があります。
今日本では実力・成果主義を進める動きもありますが、年功序列にもメリットはあります。若手ビジネスパーソンが抱える不安要素から、働く人にとってどちらが幸せな制度なのか、考える時期にあるのかもしれません。