平均年収が高いプロ野球選手。楽天からヤンキースに移籍した田中将大選手は、25歳にして7年1億5500万ドル(約163億円)で契約したことが話題となりました。
しかし田中選手はほんの一握りの成功した選手。実際の若手選手の平均年収はどのくらいなのでしょうか?
日本野球機構は、若手選手を対象に『セカンドキャリアに関する意識調査』を行いました。アンケートは『フェニックスリーグ』と呼ばれる主に2軍選手が集うリーグ戦開催時に行われ、239人の選手(平均年齢23.4歳)が回答しています。アンケートに答えた選手の平均年俸は944.6万円。やはり私たちビジネスパーソンから見ると、非常に高い年収ですね。
しかし若手選手の多くは、プロ野球引退後に大きな不安を抱えていることが分かりました。(一般社団法人日本野球機構 セカンドキャリアに関する意識調査)
多くの若手プロ野球選手は、将来に不安を持っていた!
『現役引退後の生活に、不安を持っているか』を聞いたところ、『はい』という回答は73.9%(図1)。不安を持っている選手に『不安の要素』を聞いたところ、47.4%が『収入』、43.1%が『進路』と答えています(図2)。
アンケートが実施されたフェニックスリーグは、秋に開催される選手育成が目的のリーグ戦。参加している選手は戦力外通告こそ受けていないものの、リーグ戦に参加して技術を磨かないと来季は戦力外になってしまうかもしれません。平均年俸944.6万円と多く稼いでいると見られるのに不安が大きいのは、「いつクビになるか分からない」ということも関係していると思われます。
プロ野球の場合、突然の戦力外通告があります。平均年収こそ高いものの、来年には無職になってしまうという可能性があるんです。しかしプロ野球選手は1年間自分の体と向き合い、トレーニングをしなくてはいけません。なかなか野球以外の仕事に就くということも考えづらく、若手選手の多くは将来に不安を抱えているのが現実です。
戦力外通告は滅多にないけど……。『セカンドキャリア』について考えよう!
私たちビジネスパーソンの場合はどうでしょう? セカンドキャリアについてイメージしたことはありますか?
よっぽどのことが無い限り突然の戦力外通告=クビということは滅多にないでしょう。でも、「転職」や、会社の倒産など不慮の事故により、職を失うことも皆無とは言えません。
幸いなことに、プロ野球選手ほど、私たちビジネスパーソンの仕事は特化していません。営業なら他業種の営業、事務なら他業種の事務といったように、今のスキルを磨くことがセカンドキャリアにつながります。また、少しずつでも勉強をして、何か資格を取ることもいいかもしれません。
今の会社を辞めることは考えていない人も、今一度『セカンドキャリア』について考えてみましょう。そして何かひとつでも大きな武器があれば、それがセカンドキャリアにつながっていきます。