そんな時に参考のひとつとなるのは、業界別の離職率ランキング。離職率が高い業界には、それなりに理由がありそうです。
厚生労働省は『新規学卒者の離職状況』に関する資料をまとめ、発表しました。特に最近いわれている『新卒3年目の離職率』を職業別に調べたものです。平成21年に学校を卒業し就職した人の中で、3年目に離職している割合はどのくらいなのでしょうか?
大卒で就職した人で3年目に離職しているのは28.8%(新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移)。実はこの数字、平成16年卒で3年目の離職率36.6%をピークに、年々減少しています。それでも業界別で見ると、あまり現象に転じておらず、離職率が高い業界も存在しています。
では離職率が高い業界はどんな分野でしょうか。新規学卒者の事業所規模別・産業別離職状況(大卒)を見てみましょう。
大卒で3年後の離職率が最も高かったのは『教育、学習支援業』の48.8%。実に半数近くが3年以内に離職していることになります。『教育、学習支援業』は中学校や高校など法律で規定される学校や、学習塾などが当たります。
学校の場合、授業はもとより授業の資料作りや保護者とのやりとりにより、勤務時間が長くなる傾向があり、部活の顧問などの場合は土日に出勤することもありえます。また学習塾なども最近では夜遅くまで授業を行っているところもあり、勤務が夜中に及ぶこともあります。そのような勤務時間の長さが、離職率の高い原因のひとつと見られています。
ランキング上位の特徴は休みや勤務時間が不定期になりやすい?
2位は『宿泊業、飲食サービス業』で48.5%。こちらもやはり勤務時間が夜に及び、生活時間が不規則になることが要因のひとつでしょう。また飲食サービス業の場合は、シフトに穴が空いた場合の穴埋めなど、休みを取っても休めないということも頭に入れておかなくてはいけません。
3位には『生活関連サービス業、娯楽業』で45.0%。旅行業や美容業、レジャー施設などがこれにあたりますが、やはり休みや勤務時間が不規則になりがちな職業です。
4位以下は『医療、福祉』が38.6%、『不動産業、物品賃貸業』が38.5%、『小売業』が35.8%と続いています。
離職率が高い業界にもやりがいはある!
どうやらランキング上位の業界には、休みや勤務時間が不規則なものが並んでいるように感じます。また勤務時間も長くなりやすいため、離職率も高くなっていると推測されます。
しかし離職率が高い業界にも、やりがいはあります。『教育、学習支援業』なら生徒とともに成長できるという、他の業界では味わえないやりがいがあります。
転職したい業界の離職率が高い場合は、ある程度勤務時間が長かったり、休みが不定期になったりすることを頭に入れておいた方が良さそうです。
他業界への転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。