日本の税金は高いという話、耳にしたことありませんか? 最近は消費税の税率も8%に上がり、今までより「税金が高い!」と思う場面も増えたと思います。
では日本の税率は本当に高いのでしょうか? 海外の税金の負担率、本当に日本より低いのでしょうか?
国税庁は日本国内の税金の徴収を行っていますが、同時に税金に対する啓蒙活動も行っています。啓蒙活動のひとつ、中学生に向けて、租税について解説している『ハロータックス』の中で、海外との税金負担率の比較が登場しています。日本の税金は本当に高いのか、海外と比較してみると、どうも言うほど高くはなさそうです。
税金が高いか安いかを比較するために、『国民負担率』を算出してみましょう。『国民負担率』は『租税(国税+地方税)+社会保険料÷国民所得』で割り出します。要は国民所得額のうち、どのくらいが税金となるのかをパーセンテージで算出したものです。
日本の場合を見てみると、国民負担率は41.6%(8 日本の税金と外国の税金)。租税負担率は24.1%、社会保険料負担率は17.5%でした。あくまで平均値ですが、国民負担率約42%と聞くと、やはり「高い!」と思いますね。
しかし他国を見てみると、日本より高い国も存在しています。
国民負担率が高い理由とは?
調査の中で最も国民負担率が高いのがフランスです。負担率はなんと62.1%! フランスに続くのがスウェーデンで、58.2%。その他ドイツの51.2%、イギリスの47.4%。日本より国民負担率が高い国はたくさんあるんですね。
ただし、負担率が高いのには理由があります。それは社会保障が充実しているということ。最も負担率の高いフランスですが、当然、日本のような年金制度や健康保険制度などもしっかりしています。その他にも驚くべき保証として、学費は原則として大学まで無料。大学へは約2万円の登録料だけで通うことができるんです(参考:参考:しんぶん赤旗)。
一方で負担率の最も低いアメリカは、例えば国民皆保険制度がないなど、社会保障の面ではあまり充実していません。
国民税負担率は、社会保障の充実度も表しているんですね。
日本の課題は高齢者の保証
日本でもフランスやスウェーデン並みの国民負担率になれば、学費が無料になるかというと、そうではないかもしれません。日本は他国に比べ、65歳以上の高齢者が23.3%と突出しています。今後、国民負担率は上がっても、まずは高齢者の保証のために使われる可能性が高いでしょう。
税金は単純に「高い、安い」では語れません。各国の状況に応じて、国民負担率は変わっているんですね。