高齢化社会が進む中、医療と私たちの関係はますます密接なものとなっています。その医療を支える医療事務は今後需要が高まりそうな仕事ですが、給与はいくらぐらいでしょうか? 需要があるからといって年収・給与が増加するとは限りませんが、どの程度の年収・給与が見込めるのか、気になるところです。
医療事務の仕事とは?
医療事務とは文字どおり医療に関する事務を行う職種です。最も重要な仕事が「診療報酬明細書の作成」と、「医療費の請求」です。
私たちが病院に行って診察を受ける際、健康保険証を提示しますよね? その後診察を受けて会計に行き、医療費の一部を支払っています。現役世代では医療費の自己負担は3割となっており、窓口では本来の金額の3割しか支払っていないというわけです。
そこで病院側は、市町村や健康保険組合等に残りの7割の医療費を請求します。この請求する際に必要なのが「診療報酬明細書」です。
一般事務とはちょっと違う専門性の高い仕事内容ですので給与も高いのではないかと感じますが、実際にはそれほど高くないというのが現実のようです。
一般事務より安いこともある医療事務の給与
日経ウーマンオンラインによると、一般事務(正社員)の平均年収は293万円でした(2013年4月10日付記事)。しかし医療事務の平均年収は254万円。一般事務よりも低い金額でした。複雑な診療報酬の明細作成など、特別な仕事をしているものの、給与は言うほど高くないのが現実です。
給与を上げるために大事なことは、やはり勤続年数。経験を多く積むことによってスキルを向上させれば、年収500万円以上を得る人もいるそうです。また、資格取得も給与アップに効果があるかもしれません。しかし医療事務は医療に従事する他の仕事のように、国家資格がありません。いくつかの組織がそれぞれの医療事務資格を認定していますので、務める病院が勧める資格を取得していくのがいいかもしれません。
給与は安いけれど、女性にとってメリットも大!
給与はそう高くない医療事務ですが、女性にとっては「仕事を長く続けられる」というメリットもあります。結婚・出産を経験すると仕事に戻りづらいことがありますが、医療事務の仕事は需要が高く、各々の医療機関で必ず必要とされています。結婚・出産後もパートやアルバイトでなら仕事が見つかることも多く、経験が多くなればそれなりの給与を目指せる場合もあります。すぐに高給には結びつきませんが、将来結婚・出産などを経ても仕事を続けたいと考えている女性にとっては、いい仕事かもしれません。