簿記の資格を取れば、当然ながら経理関係の仕事への転職は有利になります。しかしそれだけではありません。将来独立を考えている人にとっても、簿記の資格は必ず重宝します。
よく言われる簿記の資格とは、日本商工会議所の主催している『日商簿記検定試験』のこと。試験は1級から4級までありますが、勉強を始めるなら「まずは3級から」という方が多くなっています。
なぜかと言うと、2級の試験は3級の知識があることが前提のため。まずは3級から勉強を始めて、3級を合格後に2級にチャレンジした方が、合格への近道でもあるからです。
日商簿記は『個人商店の3級』と『株式会社の2級』を取得しよう!
では具体的にどんなことを勉強するのでしょうか? 日商簿記3級の試験科目は『商業簿記』。個人商店などの経営に関する会計処理の知識を学びます。
例えば小売店の場合、商品を仕入れて、仕入れた商品をお客様に販売することで利益が出ます。この仕入れから販売までのお金の流れを記録するのが『商業簿記』になります。
そして日商簿記2級の試験科目は、『商業簿記』に加えて『工業簿記』も加わります。
メーカーなどの場合、まずは資材を仕入れて、加工して、商品のかたちにします。 商業簿記同様に資材の仕入れから商品完成までのお金の流れを記録するのが工業簿記。そして『商業簿記』も3級より高度な処理能力が求められ、株式会社で必要な会計処理知識を取得することが目的になります。
日商簿記3級は個人商店、日商簿記2級は株式会社。ともに目指すべき会計処理のレベルがある程度見えていますので、目的に沿って勉強をすれば、必ず将来のためになります。
転職・独立、どちらも『2級』を持っていた方がいい!
経理系での転職を考えているなら、やはり2級が必要です。「どこかの会社の経理に入りたい!」と考えているなら、株式会社の会計処理知識がない、日商簿記3級しか持っていない場合、アピールにはつながりにくいと考えられます。
また、将来を独立したい方にとっても、独立後に株式会社化するならば、2級を持ってた方がいいはず。
簿記の勉強をするならば、まずは3級の勉強で『商業簿記の知識』をしっかり学び、2級の合格の足がかりにしましょう。