現代のビジネスにおいて、自分の考えを社内外の人に対して、より魅力的にアピールする「プレゼンテーションスキル」は欠かせないものとされています。しかし、なかには「商品企画を考えるのは得意だけれど、人前でアピールするのが苦手」という方もいるかもしれません。どうしたら、プレゼンテーションがうまくなるのでしょうか?
そもそもプレゼンテーションとはなにか
プレゼンテーションとは、自分の気持ちや考えを、相手に理解してもらうために行う意見提示の方法のことです。英語の「presentation」が語源で、スペルの中にプレゼントが含まれているように、プレゼントを送った相手にいかに喜んでもらうか=プレゼンテーションしたことでいかに魅力的に感じてもらえるかが重要になります。
プレゼンスキルを上げるということは、自分の考えをうまくまとめ、相手が納得できる伝え方を上達させるということです。その中でも、もっとも大切なことが「プレゼンテーションの構成」と「資料作成」になります。
プレゼンのコツ(1) 会話のフレームワークを活用し、プレゼン構成を考える
プレゼンテーション資料作る前に、伝えたいメッセージをどのように説明するか考えましょう。その際に参考になるのが「PREP法(プレップ法)」や「FABE法(ファブ法)」などの会話のフレームワークです。会話のフレームワークは、話をする「内容」と「順番」が用意されています。プレゼン目的や相手にあわせて、どのフレームワークを使用するか考えると良いでしょう。
例えば、PREP法はプレゼンの最初に「結論」を話します。その上で結論に至った「理由」「事例」「まとめ」の順番に話すように会話の手順が決められています。PREP法は簡潔かつ説得力がある伝え方ができるため、忙しいビジネスマン向けにプレゼンする手法として有効です。このように会話のフレームワークを利用し体系立てて説明することで、よりスムーズに理解してもらえるようになるでしょう。その他、フレームワークの代表的なものは「TAPS法」「BEAF法」「SDS法」などが存在します。
プレゼンのコツ(2)?テンプレートを利用し視覚に訴える
ビジネスシーンではプレゼンテーション用ソフト、なかでもマイクロソフト社のパワーポイントを使って資料作成をすることが多いようですが、プレゼンが苦手だと感じる方は、資料が上手に作れていない場合が多いです。プレゼンテーションの資料作りで大切なことは、複雑な内容であったとしても、いかに簡潔に視覚化し説明できるかです。
そこで利用したいのが、パワーポイントに搭載されているフレームワークのテンプレートです。下記ウェブサイトからダウンロードすると、ビジネスシーンで使える多種多様のフレームワークが使えるようになります。内容も「Forces分析」や「3C分析」など、使いやすいものばかり。難しい説明が必要とされるものも、資料でコンパクトに「視える化」できます。
日本マイクロソフト Office スタイル カタログ
http://www.microsoft.com/ja-jp/office/2013/stylecatalog/powerpoint/powerpoint07.aspx
テンプレートはコツをつかめば思い通りの資料作成が簡単にできるようになります。これで、長くなりがちな資料もスッキリまとめられますので、より伝わりやすいプレゼンができるはずです。
プレゼンのコツ(3) 初心者がプレゼンで気をつけるポイント
プレゼン初心者が陥りがちなのが、伝えることが多くなりすぎて、かえって分かりにくいというプレゼンです。必要以上に情報を詰め込みすぎてしまうと、何が重要なのかが分からず相手が混乱してしまいます。
プレゼンをする際には、自分が一番伝えたいことは何かということをまず先に考えましょう。そして、伝えたい部分を中心に構成し、それを伝えることだけに注力するよう意識してみてください。(1)でとりあげたフレームワークに落とすのも手です。
分かり易くすることは、他の情報をそぎ落とすことと表裏一体です。 その他にも、下記のような点に注意して、プレゼンの達人を目指しましょう。
・スライドの文字数は極力減らす
自分の話に集中してもらうことも大切です。文字だらけになってしまうと、人によってはどこを読み進めているのかが分からなくなり、重要な項目以外に目がいってしまうので、プレゼンがうまく成立しなくなる可能性があります。
・イメージトレーニングや練習を行う
見やすい資料が作れたとしても、段取りがうまくいかず印象が悪くなってしまうのはもったいないことです。せっかく準備したプレゼンを成功させるためにも、練習しておくことは大切です。同僚や友人に協力してもらうのもよいでしょう。
・画像や図・グラフを有効活用する
見やすくしようと箇条書きを多用する方もいますが、これもNG。画像や図・グラフで置き換えられるものは、積極的に視覚に訴えるようにしていくべきです。
画像を有効活用しよう
プレゼンの資料作成では、画像をいかに使うかも大切です。どのような手法であっても、プレゼンを魅力的にするためには、視覚的なイメージが有効な手段となります。現在では、図表の作成や画像の加工は手軽にできてしまうので、積極的に利用してみましょう。
ただし注意したいのが、知らないうちに画像の作成者に対して権利侵害してしまうこと。ウェブ上で探した画像を利用する場合には、各ウェブサイトの利用規約を確認し、著作権フリーの素材を活用するようにしてください。下記のようなサイトは、この点で使いやすくなっていておすすめです。自分が使いたい画像が見つけやすいサイトを探してみましょう。
PAKUTASO(https://www.pakutaso.com)
掲載されている全ての画像が著作権フリーで使いやすいのが特徴。会員登録も不要なので、手間がありません。
足成(http://www.ashinari.com)
こちらも、著作権フリーの画像だけのサイトで、ビジネスシーンで使いやすい素材が揃っているのが特徴です。
写真AC(http://www.photo-ac.com)
会員登録が必要ですが、画像の数もジャンルも多彩で使いやすいサイトです。
Flickr(https://www.flickr.com)
英語のサイトなので英語での検索になりますが、一般の人が著作権フリーで素材を提供しているケースもあり、素材の点数では抜群に多いです。検索条件を「Creative commons only」にすれば、フリー素材のみ絞り込んだ検索ができます。
以上のようなポイントやコツを押さえておけば、プレゼン用資料制作の腕前が上がるはずです。せっかく時間と労力をかけてまとめ上げるものですから、その魅力が相手にきちんと伝わるよう、プレゼンの達人を目指しましょう。