IT業界で意味する『インフラ』とは
インフラエンジニアの仕事内容の理解を深めるためにも、まずはIT業界のインフラの意味をおさえておきましょう。そもそもインフラとは水道、ガス、電気などの生活に必要な物資を届ける仕組みのことを表します。ITでは何を届けるのかというとデータに他なりません。テキスト、画像、動画などあらゆるデータが飛び交います。IT業界のインフラはデータのやり取りをする仕組みだと言い換えられるでしょう。このインフラを、パソコンなどのIT機器を用いて整備するのがインフラエンジニアです。
インフラエンジニアの仕事内容
対応する領域によっていくつかに分類ができるインフラエンジニアの中でも、インフラ設計、インフラ構築の一助を担うサーバーエンジニアが近年注目されています。サーバとは要求に対して返答をする機器のことです。例えば、メールサーバが身近なものとしてあげられます。メールが来ていないかサーバに問い合わせると、蓄積されたメールを届けてくれます。サーバーエンジニアは、こうしたサーバ自体の設計、サーバ構築などを行います。他にも、Webサーバ、データベースサーバなどサーバの種類は様々です。これらのサーバを機能性やコスト面から選定し、設定内容やスケジュールを練ることが設計の仕事です。そして設計での計画に基づき構築を行います。現場で機器の設置、設定をはじめ、サーバが無事に稼動するかのテストまでが仕事に含まれます。
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インフラエンジニアに求められる資格やスキル
インフラエンジニアにはネットワーク機器とサーバーについての資格が必要です。ネットワーク機器についての資格はciscoの技術者認定資格が知識とスキルの証明となるでしょう。一方、サーバーの資格ではLPI認定試験「LPIC」の取得が必須です。LPICではLinuxというOSで使用するコマンド操作やサーバの設定方法を学びます。その他、仮想化技術やクラウドコンピューティングも注目されるスキルといえます。1台のコンピューター上で複数のOSを動作させる方法です。ソフトをダウンロードすれば手元のパソコンでも環境を構築できるので、初歩的なスキル身に付けることも可能です。また、ITインフラ全般の専門知識や技術だけでなく、チームでの業務を遂行するための統率力や社交性も不可欠です。
インフラエンジニアの収入・平均年収
インフラエンジニアの年収は20代では400万円前後からスタートします。40代にかけて600万円以上の年収が期待できます。全体平均年収は約470万円です。同業界の他職種と比べてみましょう。ITコンサルタントが約630万円、SE・プログラマが約450万円です。ソフトウェアを取り扱う職業より若干高めの傾向にあるようです。
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インフラエンジニアの履歴書・職務経歴書作成のポイント
即戦力が期待される傾向が高いのでプロジェクトの内容を具体的に伝えることが第一です。そのためにも、サーバの種類と台数は必ず明記するようにしましょう。サーバ用のソフトウェアやOSの種類に触れたり、トラブルがあった時にどのように解決したのかなどを記すことで、より具体性が増します。もちろん、プロジェクトのリーダー経験も重要なアピールポイントです。メンバーのモチベーション管理などについても記載するようにしましょう。書き方は下記ページを参考にしてください。
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インフラエンジニアの将来のキャリアパス
最初のステップはサーバの運用や監視です。マニュアルに基づくトラブル対処が主な業務です。その後、知識と経験を積みながら、サーバの構築・設計へとキャリアパスが続きます。ただ、インフラエンジニアの将来を考える上で、クラウド環境の充実化が一つの懸念材料となっています。インターネット上でサーバーをレンタルできるだけでなく、CPUやメモリの増減を自由に変更できるサービスが浸透してきています。通販・Webサービス会社のアマゾンによるAWSと呼ばれるサービスが先駆けです。サーバーエンジニアに転職する際にはクラウドをはじめとした今後のIT業界の動向を慎重に見極めるようにしましょう。
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