株式会社エーピーコミュニケーションズ 執行役員 システム基盤エンジニアリング事業部 事業部長
阿部伸哉氏
法学部を卒業し医療機器の営業職を経て未経験で入社。監視オペレーターからスタートし、監視設計や数々のSI案件を経験。ZabbixをはじめとするOSSを得意とし、OpenStackは2014年の海外案件での導入で経験
2015年10月に東京で開催された『OpenStack Summit Tokyo』には5000人を越える開発者や関連ベンダーなどが集結し、その注目度の高さを伺わせたOpenStack。
それから1年あまり、エーピーコミュニケーションズ(以下APC)が17年1月20日に開催したハンズオンイベントには、平日にも関わらず多くの人が参加するなど、実際に現場レベルのエンジニアたちの間でも注目を集めている。
過去3回にわたってOpenStackのハンズオンイベントを企画した、APCの鈴木晃洋氏と、同社でシステム基盤エンジニアリング事業部の事業部長を務める阿部伸哉氏によると、今のうちからOpenStackに触れておくことこそが、インフラエンジニアとして将来の活躍の場を広げることに繋がるという。その理由を聞いた。
株式会社エーピーコミュニケーションズ 執行役員 システム基盤エンジニアリング事業部 事業部長
阿部伸哉氏
法学部を卒業し医療機器の営業職を経て未経験で入社。監視オペレーターからスタートし、監視設計や数々のSI案件を経験。ZabbixをはじめとするOSSを得意とし、OpenStackは2014年の海外案件での導入で経験
株式会社エーピーコミュニケーションズ HR戦略本部 HR戦略部 部長
鈴木晃洋氏
入社後NWエンジニアとして顧客先に常駐し、プリセールスから設計構築まで幅広いフィールドで活躍。 その後、事業企画を担うマーケティングセンター部での部長を経て2016年からHR戦略部の部長に就任
インフラエンジニアたちにとって、OpenStackに触れることはどのようなキャリア形成に繋がるのだろうか。本ハンズオンイベントに参加したエンジニアの傾向から、OpenStackを取り巻く市況感が垣間見えると鈴木氏は話す。
「以前までは、実際に業務でOpenStackを使用することになったが、どう使ったらいいのか分からないといった悩みを持つ30代や40代のインフラエンジニアの参加が多かったです。それが最近では、まったくOpenStackに触れたことのないエンジニアの参加も増えており、OpenStackに対する敷居が下がってきていることを感じています」(鈴木氏)
また、阿部氏は新規参加者の増加の理由についてこう推測する。
「数年前までは何よりWeb上にOpenStackに関する情報が少なかったですからね。それがやっと情報が出そろってきて、今や自分のPCに入れて持ち帰れる時代になった。試すことへのハードルがどんどん低くなってきているんだと思います」(阿部氏)
DC Japanの調査レポートで「OpenStackは今が活況」と記載されるなど、OpenStackが盛り上がりを見せる。今回のイベントを主催した二人によると、インフラエンジニアたちは今OpenStackに触れておくことで、将来大きな恩恵を受けられるという。
「企業がOpenStackを使ってプライベートクラウドを作ろうとする場合、まだ大きなコストがかかってしまうため、超エンタープライズの企業ではない限り自分たちでプライベートクラウドとして作るような状況は考えにくい。中小企業に関しても数年後は分からない。これからOpenStackがもっと台頭することは明らかなので、そうなった時、中小企業でもプライベートクラウドをどんどん導入するようになる可能性は大いにあると考えています」(鈴木氏)
「インフラ技術のコアであるOpenStackに今のうちから触れておくことで、将来の自己実現の幅が広げられると考えているんです。悪い言い方をすれば通過点みたいなところもあるかもしれないんですけど、PaaSやSaaSなど、核に付随する分野でいくらでも活躍していけると思うんです」(阿部氏)
新しい技術が続々と生まれるエンジニアの業界だからこそ、いつ、何の技術に触れるかの選択がその後のキャリアを大きく左右してくるはずだ。技術が移り変わる中でも、その後の根本になる部分を見極め、「触れたことがある」という経験が、今後の活躍の可能性を広げることに繋がりそうだ。
取材・文/羽田智行(編集部)
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