公務員は「安定した職業」と言われ、人気があります。転職を考えたとき、公務員を目指して勉強するという選択をする人も少なくありません。公務員になるためには公務員試験に合格しなくてはいけませんが、それでもなお人気なのです。
なぜ公務員は安定していて、人気がある職業なのでしょうか?
公務員とは国や地方自治体などで働く人々のこと。日本には『国家公務員』と『地方公務員』があり、共に公務員試験を合格すると公務員になる資格を得ることができます。ただし公務員の人数は、法令によって定められています。欠員が出た人数分だけが公務員となることができるため、試験に合格することも難関となっています。
厳しい試験に臨んでまで公務員を目指すには、それなりの理由もありそう。
それは、給料です。
魅力的に映る公務員の給与。鍵は諸手当!?
国家公務員、地方公務員ともに、平均月額給与が公開されています。まずは国家公務員を見てみましょう。国家公務員の平成25年の平均給与月額は38万4842円(平成25年人事院勧告 職員数、平均年齢、平均経験年数及び平均給与月額)。
注目すべきは給与の内訳。ビジネスパーソンでいう基本給に当たる俸給額は31万8352円。約6万5千円は手当となっているところです。
同様に地方公務員の平均月額給与を見てみると、平均給与月額は42万33円(平成25年地方公務員給与実態調査結果 平均給与月額)。地方公務員も諸手当はなんと8万2629円もついていました。
ここ数年の景気が悪い中、いろいろな会社で諸手当が削られるという話を耳にします。しかし公務員の場合、諸手当は削られずにしっかりともらえているんですね。
ただ国家公務員の平均年齢は43歳、地方公務員も42.5歳と、若干年齢が高いことが気になります。実は公務員になったからといって、最初から多くの給料をもらえるわけではないんです。
若いと薄給? 手取りで10万円を切ることも
以前、大分市役所に務める公務員が、アルバイトをしていたことが問題になりました(弁護士ドットコム 2013年6月25日付)。19歳の公務員はアルバイトで月6万円を稼いでいたそうですが、ここで注目したいのは公務員としての給料。手取りで10万円を切っていたと言います。
公務員になっても、すぐには平均給与月額がもらえるわけではなく、やはり経験と昇進試験を重ねないと、給料は上がっていきません。
もちろん公務員は、会社のように倒産して職を失うというリスクは少なくなります。しかし公務員は安定している=高給というイメージは、公務員になっただけでは現実にならないようですね。