公務員と聞くと定時出勤定時退勤、残業がないというイメージがあります。
ビジネスパーソンの多くは「定時退勤なんていつしたかな?」なんて考え込んでしまう方も多いでしょう。実際に公務員には、残業はないのでしょうか? 実態は私たちのイメージとはちょっと違うようです。
公務員の中でも霞ヶ関で働く国家公務員の実態が明らかになり、話題になっています。霞ヶ関で働く国家公務員2754人にアンケートを実施したところ、月の残業時間は平均で37時間。前年に比べて2.4時間増えていたことが分かりました(毎日新聞 2014年7月30日付)。『公務員には残業がない』というイメージとは、少々かけ離れた結果ですね。
しかしそれだけではありません。省庁別の残業時間を調べたところ、厚生労働省が55.5時間、国土交通省が53時間、経済産業省が50.1時間と、残業時間が50時間を超える省庁もありました。
さらに調査を見ていくと、『休日出勤あり』は60.3%、残業時間の過労死ラインといわれる『月80時間残業している』と答えた人は8.5%にも上っていました。
地方公務員も残業が問題に?
地方公務員の場合も同様に、多い残業時間が一時話題となりました。広島県では2011年度に1000時間以上残業した人が16人いたと問題になりました(朝日新聞 2013年1月12日付)。
もっとも残業時間の多い人は、なんと1346時間! この方は広島市人事課の係長級の男性で、もっとも多かったのは3月の260時間だったと言います。人事課というと確かに年度末は新年度に向けての人事異動や、年度末業務で多忙になります。多忙な時期とはいえ、公務員が過労死ラインを大きく超えた残業をしているとは、少々驚きです。
公務員は高額な時間外手当が、批判の的になる!
公務員の場合、賃金は税金であるために、残業代が問題となります。先の広島市人事課の係長級の男性の場合、1年間の残業代だけで447万円。
時間外手当が非常に高額になるため、納税者から厳しい批判を浴びる事になります。業務が多忙で残業したのに、批判されてしまうのは、少々損な役回りです。
公務員の仕事も、部署により、時には多く残業しないと業務が進まないという実態がありました。私たちが持っている『公務員は残業がない』というイメージは、少し変えないといけないかもしれません。