会社を辞めるときには、必ず提出しなければならないのが退職願。退職届や辞表を提出する場合もありますが、いずれにせよ個人的な付き合いがあったり、将来的に取引先になる可能性があったりすることを考えると、できるだけ円満に退職の手続きを進めたいものです。では、スマートに会社を辞めるにはどうすればよいのでしょうか?
スマートな会社の辞め方とは?
円満退職をしたいのであれば、あらかじめスマートな辞め方を知っておきましょう。きちんとしたステップを踏めば、嫌なしがらみもなくすっきりと辞めることができるはずです。
1. 直属の上司への相談
まずは、退職の意思を直属の上司だけに相談するべきです。退職の意向を所構わず触れ回ってしまうと、噂が広まり、職場環境が悪くなってしまう可能性があります。退職は自分だけの問題ですから、ほかの人を巻き込んではなりません。直属の上司に相談すれば、こういった事態は防げるはずです。ただ、直属の上司が退職の原因となっている場合は、信頼できる同僚などに相談してみてください。
2. できるだけ早期に退職届を出す
上司への相談が終わり、退職をする方向で落ち着いたら、仕事の引き継ぎについて話が及ぶかと思います。会社の規模に関係なく、1人が抜けるとその穴埋めをしなければならないため、退職願は退職予定の2か月前に提出できるとベストです。もしくは、雇用契約書に記載されている規定に沿って提出するのもよいでしょう。
3. あいさつ回りを欠かさずに
退職願を出したあとは、社内はもちろん、取引先へのあいさつ回りを欠かさないようにしましょう。社内では、上司をはじめとして同僚にもきちんと伝えるようにして、退社後も人間関係を維持するよう努めてください。取引先には後任者とともに伺うのが一番です。仕事の引き継ぎだけでなく、新たな人付き合いもサポートしてあげることが大切です。
状況に応じて提出する書類を選ぼう
退職の際に提出する書類は退職願が一般的ですが、ほかにもいくつかの種類があります。それぞれによって意味合いが異なりますので、状況に応じた書類を提出しましょう。
・退職願
会社との合意のうえで労働契約を解約するものであり、「退職の申し込み」の意味合いが強い書類です。ほかの書類に比べて会社に対する態度が丁寧だとされるので、退職書類としてよく用いられます。ただ、会社が承諾してはじめて有効なため、提出してすぐに退職が決定するわけではないことを覚えておきましょう。また、承諾を受けるまでは退職を撤回することができます。
・退職届
退職の最終的な意思表示をする書類であり、一度提出すれば原則として撤回はできません。退職願と異なり、会社が受理した時点で退職が決定します。
・辞表
提出書類に「退職届」または「辞表」などとあるのが一般的であるため、よく混同されますが、本来は役員などの役職者向けの書類であり、一般社員が使うことはありません。こちらも原則として提出後、会社が受理した時点で退職が決まります。
これらの書類は法律によって定められたものではなく、実際には口頭でも有効だとされています。ただ、退職の証明になる重要な役割を果たすため、万が一のためにも必ず提出するようにしましょう。
堂々と退職しよう
会社に対して退職願を提出する際には、極力堂々とした態度で臨むべきです。会社としては1人の大切な人材を失うことになるため、できれば残ってほしいという思いがあり、説得にあたるケースが多いといいます。そこで流されてしまえば、せっかくの決断も無意味になる上に、「会社を辞めようとした人物だ」と認識された状態で職場に残らなくてはならず、お互いの関係上よくありません。退職の決断理由はさまざまにあると思いますが、確固たる気持ちで退職するようにしましょう。
また、人間関係のこじれなどのトラブルを避けようと、嘘をついて退職しようとする人がいますが、たとえ小さな嘘であっても精神的な負い目を残すことになるのでおすすめしません。もし嘘がばれてしまった場合には、本人と会社の関係が悪化し、退職までの期間が憂鬱なものとなります。このように嘘にはデメリットしかありませんので、退職理由は嘘をつかないように心がけてください。
退社を考える上では、誰もが円満退社を望むはずです。しかしながら、自分の行動によって会社との関係性を悪化させてしまうケースも多いといいます。結局は自分自身が不利益を被ることになるため、こちらで紹介した内容を参考に、スマートな辞め方で気持ちよく退職するようにしましょう。