多くのメディアでも取り上げられているホワイトカラーエグゼンプション。しかし、その実態を正確に把握しているという人は多くないでしょう。今回は、このホワイトカラーエグゼンプションについてご説明します。
ホワイトカラーエグゼンプションとは
ホワイトカラーというのは、多くの場合デスクワーカーと同じ意味で使われます。こうしたホワイトカラーの人に対する制度として、アメリカやドイツで導入されているのが、ホワイトカラーエグゼンプションです。エグゼンプションは、免除という意味ですから、ホワイトカラーエグゼンプションは、ホワイトカラーの労働者に対する免除という意味になります。では、一体何を免除するのかというと、「労働時間に関する規定」なのです。
ホワイトカラーエグゼンプションのメリットとデメリット
ホワイトカラーエグゼンプションとは、どのような制度なのでしょうか。メリット・デメリットについて詳しく見てみましょう。
・メリット
労働時間に捕われることなく、実際にあげた成果に対して賃金が支払われるようになります。残業時間に対する割増賃金支払いの場合、短時間で成果をあげられる人よりも、同じ作業に長い時間をかけなければならない人の方が、賃金が高くなってしまうことがあります。ホワイトカラーエグゼンプションを導入することで、こうした理不尽な現象がなくなり、より能力が高い人材に対して高い賃金を支払うことができるようになります。
・デメリット
実質的に残業代が払われなくなり、どれだけ長時間働いても全てサービス残業となってしまいます。そのため、仕事量によっては残業が長時間にわたり、過労死を助長するのではという声もあがっています。
ホワイトカラーエグゼンプションは今後どうなるのか
日本でもホワイトカラーエグゼンプション導入にかんする議論が進んでおり、法案が可決され、改正労働基準法が成立すれば、導入される可能性があります。現在の法案では、対象を限定しての導入が検討されています。
1. 高度な専門職に就いている人
2. 年収が1,075万円以上の人
ただし、この制度が実現した場合、対象となる年収が下げられていくのではないかという懸念も起こっています。
日本では、働きすぎによる過労死のニュースがよく報道されています。こうした背景や、成果主義、個人主義が仕事の現場に根付いていないことなどから、制度の導入には反対する意見も多く見られます。
ホワイトカラーエグゼンプションが導入されることになった場合は、仕事に対してどのように向き合っていくべきなのかを改めて考え直す必要があります。メリットとデメリットを正しく理解し、職場に導入された際の働き方について考えておきましょう。