退職と一言で言っても、さまざまな辞め方があります。会社からの退職勧奨による退職、自己都合での退職、定年退職などです。この中で、もっともトラブルになる可能性が低いのは、定年退職でしょう。定年まで勤め上げての退職は、おめでたいこととされています。また、退職勧奨による退職の場合も、本人と会社との間での合意がとれていれば問題にはなりません。
しかし、自己都合での退職の場合、上司に言い出しづらかったり、会社からの引き留めにあったり、引き継ぎでトラブルになったりと、さまざまな問題が考えられます。自己都合で退職するときには、トラブルにならずに気持ちよく辞められるよう気を配る必要があるでしょう。
退職したい! と思ったら?
自己都合で退職を決めたら、まず、上司に相談しましょう。いきなり辞表を出すのではなく、まずは口頭で上司に伝えるというのが一般的です。他の社員がいないところで、内密に相談するようにしましょう。
その際、希望退職日を伝えることになりますが、希望日を1週間後や2週間後に設定することは推奨されません。多くの会社では、就業規定で、「退職を希望する際には1カ月以上前に申し出ること」と決められているからです。ただし、規定に反しない範囲だからといって、ちょうど1カ月後を希望したとしても、スケジュール調整に無理が出てしまう場合が多いため、あまりおすすめはしません。
希望退職日を決めるときには、まず、自分に付与されている年次有給休暇の残日数を確かめてみてください。どうせなら、この有休をすべて使い切ってから辞めたいですよね。となると、1カ月では、引き継ぎの時間が足りなくなる可能性が高いのです。
もちろん、有休の残りもなく、1カ月あれば引き継ぎも問題ない場合には、それでも良いでしょう。ただ、一般的には、1カ月程度の引き継ぎを経た後に有休消化に入り、有休を使い切る日を退職日とするケースが多いようです。
正式な退職日が決まると、上司から一緒に働いているメンバーへ退職のお知らせがされるでしょう。その後、業務を引き継ぐ人が決定されるはずですから、その人へしっかりと引き継ぎをします。自分がいなくなっても業務に支障が出ないよう、日頃から資料をまとめておくことも大切です。
周りの社員への挨拶は?
退職日には、上司やチームメンバーなど、お世話になった人にきちんとお礼を伝えましょう。退職は決して悪いことではありませんが、自分ひとりだけではなく、一緒に働く仲間全体にかかわること。最後に「今までありがとうございました」という一言を伝えるだけでも、お互いが気持ちよい状態で次へと向かえるはずです。
退職をする際には、有休消化など権利はしっかりと行使しつつも、少しでも周りに掛かる負担を減らし、円満な退職を心掛けましょう。