税金を払う余裕がなくなったら、免除してもらえるのでしょうか?
会社に勤めているとあまり気にしていない税金ですが、何らかの理由で会社を辞めた人が、突然届いた納税通知に驚くことが多々あります。
こんな時、税金の免除は認められるのでしょうか?
会社を辞めた後に納税通知がくる税金に『住民税』があります。この住民税、会社に勤めていれば給料から天引きされていて、私たちは知らない間に納税しているんです。
そしてこの住民税が非常にくせもので、もしも会社を退職して失業状態にあっても、納める必要があります。なぜかと言うと、住民税の計算方法が関係してきます。
今払っている住民税は、昨年の所得に対してのもの!
住民税は1年間の所得に掛かります。1年間の所得に該当する期間は『1~12月』まで。会社では1~12月までの合計所得を計算し、翌年の1月末に各市町村役所に申請します。役所では合計所得を元に課税額を算出。この課税額を6月~翌5月にかけて、12分割した金額が給料から天引きされるという具合です。
例えば2014年1月に退職してしばらく職に付くことができなかった場合を想定してみましょう。無職のまま6月になると、住民税の納税通知書が送られてきます。この納税通知書は2013年1~12月に対しての税金です。
しかし納税通知書が送られてきた時に無職だった場合、免除申請が通るかと言えば、現実には難しそうです。
なかなか免除は認められないものの、分納には応じてくれる!
住民税の免除申請は、各市町村役所で行いますが、その基準は次のようなものです。
・生活保護法による扶助を受けることになった方
・納税義務者(本来納税の義務を負うべき人)が死亡し、その継承者による納税が著しく困難なとき
・災害があったとき
上記のような理由が納税免除となる基準となりますが、当然「去年は働いていたけど、今年は無職だから」という理由では免除は受け付けてもらえません。そこで役所にお願いしたいのは、分納するという方法です。
会社に勤めていると課税額を12分割していますが、納税通知書では4分割となります。例えば年収約500万円だった場合、住民税は約18万円(計算参考 住民税額の計算方法)。会社勤めだった場合は毎月1万5千円ずつ天引きされていますが、会社を辞めると4分割された1枚の通知書に4万5千円という納税額が書かれてくるんです。これを会社勤めのように12分割にするという対応を、役所ではしてくれます。また生活に困る場合には、さらに細かな分納も可能です。
一番いけないのは放置してしまうこと。延滞金がかかるだけではなく、場合によっては資産の差し押さえということにもなりかねません。
免除とまではいかないまでも、役所も市民の生活を第一に考えて相談に乗ってくれます。もしも退職して納税通知書が来たら、必ず役所に相談しに行くことをお勧めします。