失業するとあらゆる保険を切り替えなくてはいけません。保険だけでなく、国民年金も切り替えなくてはいけません。会社に勤めていると厚生年金に加入していますが、失業したら国民年金に加入しなくてはいけません。
しかし急な失業や転職による収入の減少など、経済的に支払いが困難な場合、国民年金保険料の免除・納付猶予申請を行うことができます。
国民年金の保険料は、平成16年の制度改正で決まった金額を基に、物価や賃金の変動率を鑑みて変動していきます。平成16年に決まった保険料金額は平成17年度が1万3580円で、翌年から毎年280円ずつ引き上げられてきました。
平成25年度の国民年金保険料は1万5040円。平成16年に決めた平成25年度の保険料は1万5820円ですが、物価と賃金の変動率がマイナスで推移しているため、当初の計画よりは少なくなっています。
少なくなっているとはいえ、1万5千円となると大きな金額です。そこで支払いが難しい人は、国民年金の免除・減額申請を行うことができます。
経済的理由から免除・減額を申請できる!
免除・減額申請をする際に基準となるのは前年度の所得額で、その金額によって免除・減額が決定されます。
単身世帯で全額免除となるのは前年の所得が57万円の場合。所得が78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等の範囲内である場合は3/4が免除。118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等で半額、158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等で1/4が免除されるという具合に、所得額が増えれば減額は少なくなります。また扶養している家族がいる場合は本人と配偶者、世帯主の所得で免除・減額の可否が決まります。
気になるのは『前年の所得』が基準となるということ。もしも会社の倒産やリストラなどの急な失業によって収入がなくなった場合、前年度には所得があるので免除や減額の申請が通らないと思われがちです。しかし失業時には通常の免除・減額制度以外の特例免除を申請することが可能です。
失業時には特例免除の申請が可能!
失業時の特例免除では、失業した本人の所得を除外して審査が実施されます。例えば世帯主が会社に勤めていて、奥さんがパートに出ていた場合を想定しましょう。
通常の免除・減額申請では前年の世帯主の所得+奥さんのパートの所得が審査基準になります。これが特例免除を申請すると前年の世帯主の所得は除外され、奥さんのパートの所得だけが免除・減額申請の審査の対象になるのです。
この特例免除はその年度または前年度に退職・失業した事実がある場合に申請が可能です。どうしても国民年金が払えなくても、免除申請が認められれば国民年金を支払ったことになりますので、必ず申請を行いましょう。