給与から引かれる控除がなくなれば、当然増税となってしまいます。
扶養控除と配偶者控除には、どのような見直しがされているのでしょうか?
まずは『扶養控除』を見てみましょう。扶養控除とは、納税者に扶養対象の親族がいる場合に受けられる控除のこと。給与から引かれる扶養控除額は、16歳以上の人がいる場合は38万円。19歳から22歳未満の場合は63万円。70歳以上で同居している場合は58万円、同居していなくても48万円の控除が受けられます。
基本の控除額は38万円ですが、高齢者や大学に通う学生がいる場合、負担が大きくなることを考慮し、扶養対象者の年齢に応じて控除額も変わっています。
しかし、この『扶養控除』、すでに見直しがされています。以前は16歳以上というくくりはなく、16歳未満でも38万円の控除が受けられていました。しかし『子ども手当(現在は児童手当)』の支給により、16歳未満の控除が廃止されてしまいました。最高で1万5千円の児童手当ですが、1年でも18万円。実は児童手当を支給される前の方が、税金の負担は小さかったんです。
控除がなくなれば、その分増税になる!
そして今、『配偶者控除』の見直しも検討されています。配偶者控除は結婚により納税者の配偶者になった人のための控除で、控除額は38万円です。しかし配偶者控除の場合、配偶者の合計所得金額が38万円を超えると適用されません。
例えば配偶者である妻がパートに出た場合、年間の収入が103万円を超えると、控除が適用されなくなってしまいます。
現在政府では、この配偶者控除が女性の社会進出の足かせとなっていて、配偶者控除をなくせば「女性が103万円以上働いてくれるのでは」と試算しているんです。
しかし妻も子供もいるビジネスパーソンにしてみれば、控除額が今以上に減らされてしまうと、増税につながってしまいます。配偶者控除の見直しは、今年度は見送られました(MSN産経ニュース 2014年6月28日付)。しかし今後も配偶者控除は改革の火種としてくすぶり続けると言われています。
様々な控除が無くなる分、それは増税につながります。政治の動きに対しても注意しておかなくてはいけません。