国家公務員の年収と聞くと『高給』というイメージがありませんか? 高給というイメージがあるために、若手ビジネスパーソンの中には「年齢制限に引っかかる前に国家公務員になろう!」と、公務員試験の勉強をしている方もいるでしょう。
しかし本当に国家公務員は高給なのでしょうか? 国家公務員の給与額は、民間企業の給与を元に決められています。民間企業ではここ何年も、不況の影響から大きな昇給などは見込めないという状況が続いていました。実は国家公務員の給与も2008年度から引き下げや据え置きが続いていました。しかし2014年度、民間の給与額も上がっているということで引き上げが実施されました(朝日新聞デジタル 2014年10月日付)。
そして引き上げ後の月給は平均40万9562円、年収は661万8千円となりました。「やっぱり高給じゃないか!」と思われる方もいるかもしれませんが、これはあくまで平均値。国家公務員全員が年収アップにはなっていないようです。
勤務3年未満だと、20万円にも届かない!?
国家公務員の給与は民間企業の給与を元にしていると言いましたが、実は民間企業より給与額が高額になっている年齢層があります。それは55歳以上の職員。2014年度の引き上げでは、55歳以上の給与は据え置きとなっています。
それでは実際給与額を調査してみましょう。人事院は毎年『国家公務員給与等実際調査』を行っています。国家公務員の給与は主に勤務年数により変わってきます。勤務年数による平均給与額を見てみましょう。
大卒で勤務1年未満の場合は18万163円。初任給にあたる金額です。そして1年以上2年未満で18万6446円、2年以上3年未満で19万3193円。勤務を始めてから3年未満でも20万円には届いていないんですね。
公務員はいきなり高給ではなく、昇給も少しずつになっています。(人事院勧告 国家公務員給与関係 平成26年度国家公務員給与等実態調査の結果?附表 行政職棒給表(一)の給与決定上の学歴別、経験年数階級別、級別平均棒給額)
勤務年数30年を超えると高給だけど…
2014年度に給与が据え置かれた55歳というと、大卒で33年間勤務ということになります。該当する30年以上35年未満の平均給与は41万5978円。確かにこの金額なら「高給」だと言えますが、すぐにもらえる金額というわけではありません。国家公務員へ転職を目指すなら、早い内に転職し、その後国家公務員として勤め上げなければ、高給を手にすることは難しいようです。