ニーズに先んじた先見性が企業の今後を左右する - 転職完全マニュアル

景気回復により、2007年は各業界で競争激化が予測される。企業側は生き残りをかけて、独自のサービスを展開。そこで急速に求められるのが“顧客思考に優れた人材”だ。多くの企業で必要とされている思考力だが、ここでは07年の転職先として注目の業界を紹介する。

顧客視点に立つことで新マーケットを取り込む


「顧客思考」は全ての企業とビジネスパーソンに欠かせない視点だが、2007年は一層その傾向が強まると入江氏は語る。

「市場がグローバル化して競争が激化している今、良い製品や良いサービスを開発して提供しているだけでは生き残れないことを、企業が強く認識しています。ビジネスパーソンとして、当然必要な力ですが、30代でキャリアアップする転職を目指すのであれば、さらに高い顧客思考力を持っていることが求められるでしょうね」

高い顧客思考力とは、自身の業務範囲やミッションを越えたニーズを発見し、進んで取り組んでいく行動力にほかならない。

「この姿勢や能力に長けた人材を特に求めているのは、システムの設計・構築から導入を担うIT業界と、今後リテール(個人向け)事業に力を入れようとしている企業全般といえるでしょう」

ITに強いコンサルティング会社を含めたSIerでは、現在、大型案件の急増や中堅・中小企業向けサービスの多様化で競争が激化している。顧客となる大手・準大手企業へのシステム導入が一巡している段階にあるため、リプレースやアップグレードの需要が増加。08年に開始される日本版SOX法適用への対応も続々とはじまっている。今後は、依頼を受けてから、決まった仕様やスペックに沿った業務だけを繰り返していては、競合他社からの攻勢に勝てないのだ。

「コンサルタントもSEも、立場を越えて顧客の立場に立った提案やコンサルティングができなければ、受注後も良好な関係を築いていくことが難しい。常に想像以上の顧客思考力が求められます」

さらに、今まで以上の顧客思考が求められるのは、リテール事業に注力している金融機関(銀行、証券、保険)をはじめ旅行、流通など多彩な分野に及ぶ。

「3月に団塊の世代が一斉退職することで、シニアマーケット向けの戦略強化という側面もありますが、07年はマスマーケットでどれだけ顧客を惹きつけられるかが問われます」

企業の業績向上で国全体の経済指標は右肩上がりを続けているが、消費の高まりが期待できるのはむしろこれからだ。消費意欲が高く、マーケット全体の牽引役となり得る団塊の世代を確実にキャッチしていくことが企業の業績を左右するといえる。

「今あるニーズだけでなく、半歩先、一歩先のニーズをも掘り起こしていける先見性を持った人材が求められています」

一歩踏み込んで顧客ニーズを把握しているか? 転職を志す前に自身の視点を点検すべきだ。

顧客思考が活かせる仕事

世帯別の年齢階層別貯蓄(勤労世帯)

品質管理が問われる中で顧客思考がより重要に

「お客様のことを第一に考える」という“顧客思考”は、顧客と直接関係がある営業職や販売職などに必要と思われがちだが、決してそれだけではない。顧客と直接関わることのない職種でも、現在では顧客思考が求められている。特に製造業や流通業などにおける“品質管理”は顧客思考がないと難しい。

完成した商品に問題があると、顧客からのクレームにつながる。そのクレームを出さないためには、品質管理を行う人の危機管理能力や、顧客のことを考えて、「どれだけ妥協せずに管理できるか」にかかっているといえる。

大手企業の品質管理が取り沙汰されている中、それを行う人に顧客思考が求められる度合いも大きくなるだろう。

 

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