思考レベルが高ければ異業種転職も可能になる
30代で転職を目指す場合、有利になりそうな資質、能力として「論理力」「発想力」「顧客思考」をそれぞれ取り上げてきた。冒頭でも紹介した通り、多くの企業が28歳を若手の上限としている。例え中途採用が活発であっても、キャリア採用が前提である以上、入社後に活かせるプラスαの能力が求められることを再確認しておきたい。
「28歳がボーダーラインというのは理由があります。企業側は、入社後2?3年のキャリアを積んだ時点で仕事を任せられ、チームやグループを率いる存在になっていることを望んでいます。入社後に期待される働き方やミッションを具体的にイメージしておきたいですね」(入江氏)
2006年末、政府は企業を対象とした大幅減税の実施を決めた。この結果、少なくとも07年上半期は多くの企業にとって“攻めの経営”が可能になる。設備投資と並んで積極的な人材採用も一層進むはずだ。
「急成長中の新しいビジネスモデルを中心に、多くの業界で人材不足が指摘されています。30代はポテンシャルや意欲だけでは有利な転職が難しいですが、プラスαのスキルを磨いておくことが重要です。30代に求められる働き方を自覚していけば、理想の転職も可能なはずです」
07年、採用ニーズが高まりそうな業界や職種を挙げたが、市場の変化は激しく、企業もスピーディーに方針や戦略を変えていく。転職先候補を探す際には、個々の企業に関する情報に敏感でいることも必要だ。
「若手の絶対数が不足しているのに加えて、人材の流動化が進んでいます。ですから、企業も同業界だけでなく、積極的に異業種からの採用に目を向けはじめています。よほど特殊な職種や業務でない限り、業界を越えての転職も可能なのが現状です」
むしろ異業種からの人材を積極的に採用して組織を活性化させようと考える企業も多い。いずれにしてもキャリアの幅を広げるチャンスと機会が増えていることを自覚し、今身につけておくべきスキルの向上に努めておくことが大切だ。
一つ上のキャリアには常に志を問うことが大切
「論理力」「発想力」「顧客思考」――。今後ビジネスで成功するためには必要な能力だが、それらを満たしていると自信を持っていえる人は少ないだろう。
今後、この3つの力を伸ばすことが重要だが、簡単に伸ばせるものではない。まずは、自分にどの能力が足りないのかを自覚し、それに合った勉強法を見つけたい。
論理力であれば、一つの物事に対し、ロジックツリーを作る習慣をつけること。発想力は、いつも逆転の考え方を持つ。顧客思考は、自分が顧客の立場になってモノを考えること。これ以外にも、能力を伸ばす方法はたくさんある。
普段の仕事をしながら勉強をするのは時間的にも難しく、志が高くなければやっていけない。一つ上を目指すためには、日々の積み重ねが必要だ。
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