機械設計エンジニアの仕事内容、やりがい、未経験からなるには

機械設計エンジニアの仕事内容、やりがい、未経験からなるには
機械設計エンジニアとはどのような仕事なのでしょうか? 未経験の人にも分かりやすいよう、仕事内容からやりがい、厳しさ、未経験から転職するにはどうしたらいいか詳しく解説します。

機械設計エンジニアの主な仕事内容

機械設計エンジニアは、機械が動く仕組み(メカニズム)を設計する仕事です。具体的には、CAD(Computer-Aided-Design)を使用してコンピューターグラフィックで設計図を書き起こし、それを基に、コンピューター内で仮想製造を行うCAM(Computer-Aided-Manufacturing)や設計データのシミュレーションを行うCAE(Computer-Aided-Engineering)を活用して設計を行います。また、製品の開発に必要な部品(素材)や技術の選定を行う場合もあります。設計チームを組み、各フェーズの担当者が意見を出し合いながら進めていくことが一般的です。

モノづくりは、一般的に上流工程と下流工程に分けて考えられます。「製品の仕様の決定」から「製品のおおよその設計」までを上流工程、製品の開発や製作を下流工程と呼びます。製品の動作に関わる設計を行う機械設計エンジニアは上流工程に含まれ、上流工程から下流工程に繋ぐ重要な役割を担います。

機械設計エンジニアの仕事のやりがいとは?

・製品開発に関わる重要な役割を担う
・完成の喜びをチームで共有できる
・すべての仕事が経験として身になる

機械設計エンジニアは、製品の根幹となる枠組み作りという重要な役割を担う技術職です。あらゆる手段を考え、成功に導いていく過程には厳しさもありますが、ミッションを達成できた瞬間に大きな達成感を味わえます。また、その達成感をチームのメンバーと共有し、他者と喜びを分かち合うことで大きな充足感を味わうこともできます。加えて、機械設計エンジニアの仕事は、そのすべてが技術の向上や経験の蓄積に繋がり、自身を成長させていきます。そうして培った技術と経験は、エンジニアとしての成功に繋がるため、やりがいの大きな仕事といえるでしょう。また、エンジニアをはじめとした技術職には、スキルを高めることによって転職や起業の選択肢を増やせる側面があります。前向きに仕事に取り組むことによって、自身のキャリアアップを現実化できることも大きなやりがいとなるでしょう。

仕事の厳しさ

・職場環境に左右される面がある
・安全性に対する高い意識が必要
・納期・締切に追われる

機械設計エンジニアは、基本的にチームを組んで働くことになるため、チームワークやメンバーの職務能力等が仕事に影響しやすくなります。チームビルディングを満足にできていない組織に身を置くことになると、そういった環境が仕事の進捗に大きく影響し、場合によっては仕事量の増加に伴って納期・締切に追われる可能性もあります。そうならないために、職場環境を重視する機械設計エンジニアは多いです。また、製品は安全性の高さが非常に重要になるため、機械設計エンジニアには安全性に対する高い意識が求められます。それは同時に仕事に関する責任の重さを意味し、その重圧に見合う技術や経験を身につける必要性があることも機械設計エンジニアの仕事の厳しさといえるでしょう。

活かせる経験・スキル・資格

【経験・知識・スキル】
・四力学に関する知識
・モノづくりに携わった経験
・アイデアを形にする論理的思考力

【資格】
・機械設計技術者試験
・CAD利用技術者試験
・CAD実務キャリア認定

機械設計エンジニアとして働くためには、機械工学の分野に関わる知識が必須になります。その代表的なものに四力学(機械力学・熱力学・材料力学・流体力学)が挙げられ、そういったものを知識として得ておく必要があります。また、エンジニアとしてモノづくりに携わった職務経験、または大学・大学院等で製作を行った経験は実務に直結するので、それらがある場合は機械設計エンジニアとしての仕事に役立ちます。加えて、基となるアイデアを製品として形にするための論理的思考力も必要になります。

機械設計エンジニアに必須の資格はありませんが、『機械設計技術者試験』や『CAD利用技術者試験』、『CAD実務キャリア認定』といった機械設計エンジニアの実務に関わる知識を持つ証明になる資格を保有していると、有利になることもあります。

向いている人

機械設計エンジニアには、「モノづくりが好き」という気持ちが非常に大切です。それは多くのエンジニア職に共通しています。機械設計エンジニアに関する具体的な例としては、「設計図を見たり書いたりすることが好き」、「プラモデルやロボットを組み立てることが好き」、「モノの構造を調べることが好き」といった、設計に関連する好きな気持ちが挙げられます。モノづくりは、世の中にないものを生み出せる可能性を秘めています。だからこそ、モノづくりに対する探求心を持つことが必要です。そういったモノづくりに関する情熱を生み出す「好き」という気持ちのある人は、機械設計エンジニアに向いています。また、機械設計エンジニアはチームで仕事を進めていくことが多いため、協調性やリーダーシップ、コミュニケーション能力といったチームワークに影響する長所のある人も向いているといえます。

キャリアパス

自社製品を販売する会社に正社員として所属している場合には、社内で管理職へとキャリアアップしていくことが一般的です。基本的な流れとしては、図面の修正や部品の手直し、技術資料の修正等といった設計補助を経て設計担当者になり、その後リーダー・マネージャーといった管理職へとステップアップしていきます。また、機械設計エンジニアとしての技術や経験を活かし、社内の他の部署(企画・開発等)に異動するケースもあります。

一方、機械設計エンジニアを派遣する会社や機械設計業務を請負う会社、事務所に所属している場合には、エンジニアとしてのスキルを磨きながら現場で働き続ける道を選ぶことが一般的です。そうして現場で技術と経験を高めながら実績を積み、大手企業への転職や起業を目指す人もいます。

最近の動向

IoT(Internet of Things)の分野が大きく発展していることに伴い、精密機械を設計できるエンジニアに対する社会的なニーズが高まっています。IoTとは、インターネットに繋がるモノを指す言葉であり、例えば自動車や家電製品、医療機器等が挙げられます。今後はIoE(Internet of Everything)時代が到来するともいわれており、機械設計エンジニアに対する社会的なニーズはさらに高まり続けると予想されています。
しかし、AI(人工知能)の進化で機械設計エンジニアの仕事が設計全体から調整にシフトし、技術的なスキルよりも営業的なスキルの重要性が高まっていく可能性もあります。今後を見据えて、設計能力だけでなく、顧客や社内を巻き込んで調整する能力を身に付けておくと、給料・年収が上がっていくかもしれません。

未経験から機械設計エンジニアになるには?

機械設計エンジニアは専門性の高い仕事をする性質上、未経験から目指すには難しい職種となります。大学・大学院の理工学部や機械工学等の専門学校を経て機械設計エンジニアになる人が多いので、そういった適切なプロセスを踏むことが一般的です。
しかし、エンジニアとして働いた経験のある人は未経験者よりも採用される可能性が高まるので、採用試験等では積極的にアピールしましょう。それらの経験がない場合には、下流工程に関わる職務経験を積み、そこから機械設計エンジニアに移るという道もあります。最近では機械設計を学ぶにあたり、スクールやeラーニングによる講習を通じて基礎から応用、製図、CADなども勉強できますので、受講してみるのも良いでしょう。

監修

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