転職で内定保留ができる期間は?トラブル回避の方法と伝え方【例文あり】

第一志望の企業の結果が出る前に他の企業から内定をもらった場合など、内定の返事を保留をしたい時にどうすれば良いのでしょうか?。

本記事では、内定保留ができる期間やトラブルを起こさないためのポイントをご紹介します。

転職で内定保留はできる?

転職活動中、内定をもらったがさまざまな理由で入社するか考えたい。ただし、企業からすぐに回答が欲しいと言われている場合、内定の保留はできるのでしょうか?

保留できる可能性は高い

企業にもよりますが、内定を保留できる可能性は高いと言えます。企業側も応募者に納得した上で入社してほしいと考えているので、期限付きで保留を受け入れてくれる場合がほとんどです。

すぐに判断ができない場合は、まずは内定に対する感謝の気持ちを添えた上で、「返事を待ってほしい」という旨を伝えましょう。回答期限を提案し、納得できる保留の理由を添えて企業側へ相談を持ちかけることで、検討してくれる場合があります。

保留できる期間の目安は1週間程度

保留できる期間の目安は2、3日から1週間程度と考えておきましょう。企業側はすぐにでも入社を決めてほしいと思っているため、返事の期限は内定から2~3日、長くても1週間t程度の短い期間となります。

第一希望の結果が出るまで待って欲しいからといって、1ヶ月以上返答を先延ばしにするのは現実的ではありません。

【例文あり】内定を保留する理由を聞かれたらどう答える?

企業から内定を保留にする理由を聞かれた場合、理由や伝え方によっては悪い印象を与えてしまう可能性があります。

「マイナスのイメージを与えずに内定を保留にできる回答例」をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。

他社の選考の結果が出てから判断したい場合

転職活動では、複数の会社を同時に受けるのが一般的。他社の結果が出てから内定先を決めたいというケースは多いです。

企業側もある程度はその事情を理解してくれることが多いですが、保留にする企業が第一希望ではないと思われてしまう伝え方は避けましょう。

【例文】
この度は内定のご連絡をいただき誠にありがとうございます。

実は、入社のお返事について、
誠に勝手ながら、〇月〇日まで猶予をいただきたくご連絡いたしました。

先日の面接の際にもお伝えしましたが、他に選考が進んでいる企業があります。
そちらの結果が出るのが〇月〇日頃になるとのことです。

貴社への入社を前向きに検討しておりますが、しっかりと考え後悔が残らないようにした上で、貴社の内定承諾を行いたいと考えております。

それまでお返事をお待ちいただくことは可能でしょうか。

上記のように、あくまでも他社と並行で慎重に検討したいという理由を説明することが重要です。

内定した企業に不安がある場合

今後長く働く職場について、不安が生じるのは珍しいことではありません。不安を解消し、スッキリした気持ちで入社できるよう、事前に気がかりな点を相談する機会を設けてもらいましょう。

不安要素を消化しないまま時間だけが過ぎるのはよくありません。もやもやした気持ちのまま入社しないことが大切です。

【例文】
この度は内定のご連絡をいただき誠にありがとうございます。

貴社には大変魅力を感じており、入社前に具体的な仕事内容や条件等を伺わせていただければと思い連絡いたしました。

そこで勝手なお願いで恐れ入りますが、もう一度お話をする機会をいただけないでしょうか。
しっかりと今後の業務のイメージを明確にし、疑問点をお伺いした上上で入社について検討させていただければと考えております。

ご検討いただけますと幸いです。

転職自体を迷っている場合

今の職場に退職の意思を伝えた際、引き止められることがあります。退職を考えた理由である「条件面の改善」や「キャリアアップ」の話が出た場合、今の職場に残るか転職するかを悩むことでしょう。

どうしても決めきれない場合は、内定した企業側に面談の機会を作ってもらい、転職を迷う原因を解消できるのか確認してみましょう。

【例文】
この度は内定のご連絡をいただき誠にありがとうございます。

貴社で働きたい気持ちは強いのですが、実は現職で強い引き止めにあっており、〇〇について新たな提案をいただいている状況です。

交渉を進めたうえで正式にお返事したいと考えておりますが、今一度御社に入社した後の具体的な〇〇内容について詳細に伺わせていただく機会をいただけないでしょうか。

御社には大変魅力を感じており、入社前により具体的な〇〇を伺わせていただければと考えております。

ご検討いただければ幸いです。

家族に相談する時間がほしい場合

家庭の事情を理由に内定を保留にすることで、本人には入社意思があることが伝わるため、企業側への印象も悪くありません。

ただし、入社するのは本人なので、自分の考えがないと誤解されないように気を付けましょう。明確に回答できる時期をはっきりと伝えることが大切です。

【例文】
この度は内定のご連絡をいただき誠にありがとうございます。

実は、入社のお返事について、
誠に勝手ながら、〇月〇日まで猶予をいただきたくご連絡いたしました。

転職は家族の生活にも関わる重要な問題であるため、家族と相談し慎重に決断したいと考えております。

その上で正式にお返事させていただけたらと思います。

〇月〇日までお返事をお待ちいただくことは可能でしょうか。

内定保留をお願いする時のポイント

内定保留をお願いする時は、心証を悪くしないためにいくつか踏まえておくべきポイントがあります。事前に確認しておきましょう。

面接時の発言との一貫性を意識する

よくある失敗は「面接時の発言と内定保留の理由が矛盾している」ケースです。

たとえば、面接の際に「御社が第一志望です」と伝えたはずなのに「他社の選考結果が出ていないので内定を保留にしてくだい」と申し出るのは話に一貫性がありません。

面接で「うそをついた」と悪印象を残さないためにも、一度言ったことを覆すような保留理由を伝えないことが大切です。

企業への連絡をこまめにとる

内定を保留されている企業は「辞退されるのではないか」と心配しているため、下記のような報告をこまめに行うことが望ましいでしょう。

・「〇〇日に家族に報告した結果、〇〇日までに結論を出せる見通しです」
・「〇日に他社の結果が出る予定です」

こまめな連絡を行うと、報連相がきちんとできる人材としてより信頼につながります。

保留期間を短くするための努力を伝える

内定の保留期間を短くするための努力も大切です。

回答期限を守ることはもちろんですが、早めに結論を出す努力を行い、期限よりも早く決断することで悪印象になりづらいと言えるでしょう。

入社後のことも想定し、早めに行動できる人材だと印象付けることも大切なポイントです。

内定を保留することのリスク

内定を保留するのはリスクを伴います。

回答期限を長く伝えすぎたり、決めた期限が守れなかったりすると「入社への意欲が低い」「社会人としてマナー違反」など、さまざまな悪い印象を企業へ与えてしまいます。

その企業へ入社が決まったとしても、後々になって尾を引いて嫌な思いをすることも考えられるため、内定保留の意思の伝え方、期限の設定には細心の注意を払いましょう。

内定保留でトラブルを避ける方法

内定保留によるトラブルは誰でも避けたいものです。本記事では、トラブルを避ける方法を2つ紹介します。

面接は第一志望から受けるようにスケジュールを立てる

できるだけ第一志望から志望度の高い順番で面接を受けられるよう、スケジュールを立てるのが重要です。

志望度の低い企業から先に内定が出ると、志望度の高い企業の結果を待ちたくなるのが人の心理です。選考の回数や内定までの期間は企業ごとに異なるため、簡単ではないかもしれませんが、できるだけ志望度の高い企業から選考に臨むとトラブルになりにくくなるでしょう。

他社の選考も受けていることを事前に伝えておく

面接では、他社の選考を受けていることを伝えるようにしましょう。

伝えにくいからといって、1社しか受けていないような印象を与えたり、第二志望の企業に「他社も受けていますが第一志望は御社です」と伝えたりするのもよくありません。

内定を保留したい状況になった際、自らの首を絞める恐れがあります。

内定承諾してからの辞退はしない

内定保留期間の終わりが迫っているからといって、「とりあえず承諾しておこう」と考えるのは間違いです。

一度承諾してから辞退するというのは、企業側に多大な迷惑がかかります。社員1人を雇うには入社手続きを始め、社内で使う備品の準備など、さまざまな時間やコストを費やしているからです。

内定承諾後の辞退は、稀に損害賠償請求など大きなトラブルに発展する可能性もあるので、注意が必要です。

まとめ

内定を保留にできる期間は長くて1週間程度です。保留にする理由に応じて、それぞれ適切な伝え方があります。本記事の例文を活用して、企業側の心証を損なわないよう注意しましょう。

また、トラブルを避けるために大事なのは、面接を入れる前にスケジュールを調整しポイントを踏まえた説明を行うことです。本記事を参考に計画的な転職活動を意識してみてください。

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