退職の挨拶の書き方(上司・同僚宛メール、取引先宛メール、挨拶状)

円満退職のために欠かせないのが、退職時の挨拶。最近では、退職の挨拶文をメールで送ることが一般的になっています。ただし、目上の人など相手によっては退職の挨拶をメールで受け取ることを失礼だと感じる人もいます。社内外を問わず、特にお世話になった人には直接挨拶に伺うか、挨拶状を送付して、気持ちよく今の職場を去る、または取引先に報告するようにしましょう。
この記事では、上司や同僚・社内、取引先など宛先別に、退職の挨拶メールの例文とポイント(送信のタイミング等)、挨拶状の書き方やマナーをご紹介しています。ぜひ参考にして爽やかな印象で最後を締めましょう。

挨拶メールの例文とポイント【上司宛て】

件名:退職のご挨拶

□□様

お疲れ様です。〇〇です。

本日の最終出社日を迎えることとなりました。
在籍中は至らぬ点も多々あったかと思いますが、温かくご指導いただき、本当にありがとうございました。
心から感謝しております。①

今後も□□課長から学んだ多くのことを糧に、社会人として成長していきたいと思っております。②

□□様のさらなるご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
これまで、本当にありがとうございました。

(連絡先)③
メールアドレス:
携帯電話番号:

ポイント

① 最後の上司へのメールへは、直属の上司や他部署でお世話になった上司どちらでも「感謝」を強く伝えましょう。
② 個人的に印象に残るエピソードなどを記しても好印象です。全体的に、前向きで爽やかな文面を心がけます。
③ 基本的には、今後の連絡先を書く必要はありませんが、連絡先を伝えても良いと考えて書く場合は、私用メールアドレスや携帯番号にします。転職先が内定していてもこのタイミングでは記載しません。
④ 最終出社日の退社1時間前を目安に送るのがベストでしょう。

挨拶メールの例文とポイント【同僚・社内の関係者宛て】

件名:退職のご挨拶/〇〇 〇〇(あなたの氏名) 

皆様①

お疲れ様です。
□□課の●●(あなたの氏名)です。

このたび、一身上の都合により②、本日をもちまして退職することになりました。
本来であれば直接ご挨拶をすべきところ、メールでの挨拶にて失礼いたします。

これまで至らぬ点もあったかと思いますが、
皆さまからいただいた叱咤激励の言葉が私の励みとなり③、多くの学びを与えてくれました。
この会社で得た経験を今後も活かしていきたいと思っています。
これまで、ありがとうございました。

最後になりましたが、皆さまのさらなるご活躍を心よりお祈り申し上げます。
本当にありがとうございました。

(連絡先)④
メールアドレス:
携帯電話番号:

ポイント

① 一斉送信は失礼ではありません。ただし、その場合は宛先に注意しましょう。送りたい相手は「bcc」に入れ、自分のアドレスを「To」に入れます。
② 退職理由は「一身上の都合」でとどめましょう。具体的な理由を書く必要はありません。
③ 特にお世話になり個別に御礼をしたい相手に送る場合は、思い出のエピソードを書くと好印象です。
④ 最終出社日の挨拶メールに会社(企業)の署名はマナー違反です。連絡先は基本、書きません。(書く場合は、私用メールアドレスや携帯番号にします。)
⑤ 社内へのメールは最終出社日の退社1時間前を目安に送るのがベストでしょう。

退職後に上司宛にメールを送る場合

件名:転職のご報告/〇〇 〇〇(あなたの氏名)①

株式会社▲▲ ■■部
□□様

お世話になっております。〇〇です。

メールでのご挨拶となり失礼いたします。
この度、〇月〇日付で〇〇株式会社△△へ転職しました。
現在、△△部に在籍しています。 
ずっと興味を持っていた●●●を扱うことができ、前職での経験を通して抱いた新しいキャリアの道を一歩踏み出したと感じています。②


まだまだ戸惑うこともありますが、
前職で□□課長にご指導頂いたことを糧に、日々精進して参ります。③

末筆ながら、□□様のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。④

(署名)⑤

ポイント

① 転職後も関係を良好に保ちたい上司もいるでしょう。その場合は、転職後にメールで近況報告をしましょう。ただし、競合他社の場合は転職直後ではなく、時間を空けて(数週間以上)から連絡をしましょう。
② 転職先の会社名や所属部署、またどのように働いているかなど前向きに謙虚に伝えましょう。前職よりも環境が良いという感じよりも自分のキャリアプランに合っているという方向だと、印象が良いかもしれません。
③ 前職でお世話になったことの感謝をあらためて伝えましょう。
④ もし、今後の関係継続を希望するなら「今後ともお付き合いの程、宜しくお願い申し上げます。」「ぜひ一度、あらためてご挨拶の機会を頂けたらと存じます。」などのように書いても問題ありません。
⑤ 転職後の署名を付けてメール送信します。

退職後(転職後)に同僚・社内の関係者宛てにメールを送る場合

件名:転職のご報告/〇〇 〇〇(あなたの氏名)

□□様

お世話になっております。〇〇 〇〇です。
退職時、簡単な挨拶となり失礼いたしました。

この度、株式会社△△△に入社し、営業部〇〇課に在籍しています。①
前職と違い〇〇〇を扱っていて、日々学びながら精進しています。 

□□様には、前職でいろいろとお力添え頂きまして
ありがとうございました。
特に「・・・・・」とのアドバイス、これからも活かして参ります。②
何卒、今後ともお付き合いの程、よろしくお願い致します。③
猛暑の折り、お体にお気をつけてお過ごしください。

(署名)④

ポイント

① 転職先、所属、業務内容など差し支えなければ、明記します。
② 個人的なエピソードを交えて、前職のお礼を伝えたり現職の働き方を前向きに伝えたりすると、好印象です。
③ 転職後も関わりを持ちたいことを示しましょう。相手との親しさに応じて「これからもどうぞよろしくお願いします。」「機会があればまたお会いしたいです。」など、変えても良いでしょう。
④ 転職後の会社の連絡先を記します。

挨拶メールの例文とポイント【取引先宛て・訪問あり】

件名:退職のご挨拶

株式会社□□
■■ ■■様

いつもお世話になっております。
株式会社○○の●●です。

私事で大変恐縮ですが、一身上の都合により ①■月■■日をもって ②
株式会社○○を退職することになりました。
在職中は■■様には何かとお力添えをいただき、心より感謝しております。 ③

ここにあらためてお礼を申し上げます。

後任は□□という者が務めさせていただきます。
お時間をいただけるようでしたら、後任の□□とご挨拶に伺いたく存じます。 ④
以下日程のご都合はいかがでしょうか。

・○月○日(○)○○:○○
・○月○日(○)○○:○○
・○月○日(○)○○:○○ ⑤


ご検討のほどよろしくお願い致します。

ポイント

① 退職理由は「一身上の都合」でとどめましょう。具体的な理由を書く必要はありません。
② 退職日を明記します。
③ 特にお世話になり個別に御礼をしたい相手に送る場合は、思い出のエピソードを書くと非常に好印象です。
④ 後任者を紹介し、挨拶に伺う日程調整を行います。
⑤ 社外へのメールは引き継ぎなどをスムーズに行うためにも、退職日の2~3週間前に送るようにします。

挨拶メールの例文とポイント【取引先宛て・訪問なし】

件名:退職のご挨拶

株式会社□□
■■ ■■様①

いつもお世話になっております。
株式会社○○の●●です。

私事で大変恐縮ですが、一身上の都合により②■月■■日をもって③
株式会社○○を退職することになりました。
在職中は■■様には何かとお力添えをいただき、心より感謝しております④。

ここにあらためてお礼を申し上げます。
本来ならば、直接お伺いしてご挨拶すべきところですが、
メールでのご連絡となりましたことをお詫び申し上げます。

後任は□□が務めさせていただきます⑤。

末筆ながら、貴社のご発展と■■様のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

ポイント

① 退職メールを社外に送る際にはできるだけ個別送信を行うことが理想ですが、送るべき相手が多い場合には一斉送信でも失礼にはあたりません。ただし、その場合は宛先に注意しましょう。送りたい相手は「bcc」に入れ、自分のアドレスを「To」に入れることで、他人同士でアドレスを知られないように配慮します。また、特にお世話になった方がいる場合は、その方のみ個人送信する方が良いでしょう。
② 退職理由は「一身上の都合」でとどめましょう。具体的な理由を書く必要はありません。
③ 退職日を明記します。
④ 特にお世話になり個別に御礼をしたい相手に送る場合は、思い出のエピソードを書くと非常に好印象です。
⑤ 社外に送る場合には、会社として継続的にお付き合いしていく取引先となるため、後任者を記載します。連絡先まで明記すると丁寧です。
⑥ 社外へのメールは引き継ぎなどをスムーズに行うためにも、退職日の2~3週間前に送るようにします。

退職後(転職後)に取引先宛てにメールを送る場合

件名:転職のご挨拶(〇〇 〇〇〈氏名〉)

株式会社△△△ △△部 
●● ●●様

お世話になっております。
株式会社□□の〇〇 〇〇です。① 

この度、※月※日を持ちまして株式会社▲▲を円満退社し、
※月※日付けで株式会社□□に入社致しました。②
前職と同様に営業部にて、係長として勤務しております。
これまでの経験を活かし、より一層精進していく所存です。③

前職では●●様に大変お世話になり、誠にありがとうございました。
今後とも引き続きご指導、ご鞭撻を賜りたく
何卒宜しくお願い申し上げます。④

まずは取り急ぎ、メールにてご報告させて頂きます。⑤

(署名)⑥

ポイント

① 氏名の前に新会社を付けても、無くても問題ありません。関係性によっては冒頭の挨拶も「ご無沙汰しております。」や時候の挨拶でも良いでしょう。
② いつ退職して、いつ新会社へ入社したのか明らかにしましょう。円満退社と記すと印象が良くなります。また、新会社への入社日だけを記しても問題ないでしょう。
③ どのような働き方をしているか等を前向きに報告します。前職のことをあれこれ書きません。
④ 前職でお世話になったことへのお礼を丁寧に述べます。それから転職後もお付き合いしたい旨を伝えましょう。
⑤ 「本来、お伺いしてこ挨拶を申し上げるべきところではこざいますが、取り急ぎメールにてこ報告させていただきます。」としても良いでしょう。
⑥ 転職後の会社の連絡先を記します。

挨拶状の例文とポイント【重要な取引先宛て】

取引先や上司には挨拶状を送付するのが好ましいです。ただし、普段からメールでのやり取りが主な相手の場合はメールでも構いません。遅くとも退職する1週間前までには送るようにしましょう。
挨拶状は基本的に手書きではなく、ハガキに印刷します。「退職届(退職願)」と同じように形式的なものなので、ポイントを押さえて書けば問題ありません。

ポイント

① 季節の挨拶から記載しましょう。例として、春ならば「早春の候、陽春の候、新緑の候」、夏ならば「梅雨の候、盛夏の候、残暑の候」、秋ならば「初秋の候、秋冷の候、晩秋の候」、冬ならば「初冬の候、厳寒の候、余寒の候」などがあります。
② 退職日を明記します。
③ 在職中の感謝の言葉を述べます。
④ 今後の変わらぬご支援とお付き合いのお願いを記載しましょう。
⑤ 和暦で手紙を書いた日付を入れましょう。「令和○年○月」までにとどめてもOKです。
⑥ 連絡先は自宅にしましょう。郵便番号、自宅住所、電話番号、氏名を記入します。決まっている場合は転職先の部署を連絡先として記入しても問題ありません。

まとめ

退職の挨拶の仕方についてご紹介しました。最後まで好印象を与えることは円満な退職を叶えるだけでなく、ビジネスパーソンとして信頼され、会社を超えた人脈を構築する上でも重要です。周囲への配慮を怠らず、気持ちよく退職できるようにしましょう。

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