人事・労務の職務経歴書サンプルと書き方のポイント
人事・労務は企業に所属する人の管理や採用、諸々の手続き等を担当する職種です。人事は主に人材の採用や育成、評価を行い、労務は主に人材に関する事務作業を行います。企業活動の根幹を担う人的資源に携わる重要な職種なので、採用試験では経験が重要視される傾向が強いです。職務経歴書のサンプル(見本)を参考に、企業に向けて有効に自己PRできる書類を作成しましょう。
人事・労務の職務経歴書を書くポイント
具体的な数値・比率・人数で職務上の成果を伝える
人事・労務に関わる成果を職務上の実績としてPRしましょう。人事であれば採用人数や人材育成による売上や顧客満足度等の上昇率、研修の日数や人数、社員評価制度の導入による成果等、労務であれば就業規則の作成や業務改善に伴う労働時間の減少や生産性の向上を示す数値、給与の計算や保険手続き等の事務作業の対象となる社員人数等が挙げられます。数値や比率、人数を盛り込むことにより企業側に具体的な実績を示すことができ、成果を正確に伝えることに繋がります。
担当業務を整理して職務能力を幅広くアピールする
人事・労務には様々な業務があり、所属企業によっては労務改善や人事的な取り組み等といった特殊性の高い業務を担当することもあります。そのため、職務経歴書に記載すべきものが豊富にあるにも関わらず準備不足により記載漏れをしてしまうケースがあります。そうならないために、職務経歴書を作成する前に担当した業務について整理し、記載漏れがないように対策を取りましょう。人事・労務は知識だけでなく経験の豊富さが求められる職種です。これまでに経験したことを正確に採用担当者に伝えましょう。
自己PRや得意分野に専門知識を記載する
人事・労務の業務にはそれぞれの専門知識が必要になります。知識の豊富さが人材価値として認識されるケースもあるので、人事の場合には人的資源管理や人材育成に関する知識、労務の場合には労働基準法等の法律や福利厚生関連の知識等といった職務上で必要になる専門知識について自己PRや得意分野の欄に記載しましょう。企業側の募集要項に求める人物像が記載されている場合には、それに合致する内容を盛り込むと効果的です。また、人事の「キャリアコンサルタント」や労務の「社会保険労務士」等といった資格を保有している場合には記載忘れのないように注意しましょう。
人事・労務に求められる能力
人事は守秘義務のある情報を取り扱うことがあるため、信用性のある人柄が求められます。また、採用のために大学や転職イベント等を訪れる機会が多いので、基本的なビジネスマナーに加え、明るさや、人から好かれやすいことも重要です。
人事は業務量が豊富にあるため、スケジューリング力や管理力等といった業務を円滑に、かつ滞りなく進めていく能力が必要になります。人事の業務に関連する専門知識や経験が豊富にありマネジメント力も備わっている場合にはリーダー候補として採用されるケースもあります。
労務は従業員の給与の計算や保険、年金等といった、ミスがあると信用問題に関わるような手続きを行うため、業務の正確さが重要です。入社・退職時の手続き等でトラブルになるケースもあるため、慎重な管理力も必要になります。
労務は必要に応じて、法律に準じて労働環境の改善や従業規則の作成等を行う可能性があるため、労働基準法を筆頭に様々な法律に関する知識が必要です。社会的に働き方を問題視する向きもあり、そういった知識・知見のある人材は採用時に優遇されるケースもあります。
人事・労務職の職務経歴書サンプル
この職務経歴書は人事・労務を経験している34歳 女性の書き方サンプル例になります。
職務経歴 概略
人事総務職として管理部門の業務を5年間経験しております。
特に人事業務については、年間50~100名規模の採用から労務全般、教育研修など、メイン担当として一通りの業務に携わっております。
19XX年4月~20XX年10月 | ●●株式会社 管理部 人事総務課 |
20XX年10月~ | 同社 管理部 人事総務課 主任 |
現在に至る |
職務経歴
■19XX年4月~20XX年10月
●●株式会社 管理部 人事総務課
事業内容:コンピュータ・通信機器・OA機器関連商社
【資本金:○億円/売上高:△億円/従業員:X名/東証二部上場】
期間 | 業務内容 |
19XX年4月 ~ 20XX年10月 (○年○ヶ月) |
新人研修後、管理部 人事総務課配属 課長以下5名の部門で主に下記業務を担当 <人事業務> <総務業務> |
20XX年10月 ~ |
管理部 人事総務課 主任に昇進 課長以下7名の部門で主任として、主に下記業務を担当。 <人事業務> <その他実績> |
職務経歴書のセルフチェック方法
完成度を高めるために、内容を再確認することが重要です。
以下を参考にして、職務経歴書をブラッシュアップしましょう。
職務経歴書のチェック項目
職歴を「5W1H」で明確に伝えられていますか?
- いつ(西暦表記・在籍期間)
- どこで(在籍企業・所属部署・常駐先)
- どんな立場で(役職・役割・責任の範囲)
- 誰に対して(社内関係者・社外担当者)
- 何を(具体的な職務・業務)
- どれくらい(数値・比率・人数・規模など)
自己PRになる情報を盛り込めていますか?
- 成果・実績(人材育成・採用実績・労務改善・社内評価など)
- 得意分野(マネジメント力など)
- 専門スキル(関連資格・専門知識≪法律・業務知識≫)
- 応用スキル(コミュニケーションスキル・事務処理スキル・ビジネスマナー・PCスキル≪Word・Excel・PowerPoint≫など)
情報が正確に伝わる内容に仕上がっていますか?
- ビジネス文書(名詞・体言止め)
- レイアウト(記号・改行・表で見やすく)
- 具体性(5W1H・数値・専門用語)
- PRポイント(得意分野・業務内容)
- 適性(求める人物像に合致)
- マネジメント(人数・成果)
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