趣味・特技欄の書き方【履歴書作成ガイド】

採用担当者にとって、趣味・特技欄は応募者の人柄を推測する材料のひとつです。面接のときの話題にもなるので、コミュニケーションがうまくいくようにできるだけ具体的に書きましょう。ただし、志望動機欄とセットになっている場合、志望動機を優先して書きましょう。

履歴書の趣味・特技欄で採用担当者は何を見ている?

履歴書の趣味・特技欄で、採用担当者は「どのような人物か」「一緒に気持ちよく働けそうか」といった点を見ています。つまり、「人柄」です。企業組織はあくまでも人で成り立っていますから、チームの和を乱し問題を起こす人を避けるため、「趣味・特技」も人柄を判断する材料の一つとします。
また、面接で緊張している応募者の緊張をほぐす、アイスブレイクのネタにする採用担当者もいるでしょう。
どちらの目的にしても、「仕事に直接関係ないし」などと思わずに、素直に趣味・特技、または日常で関心を持っていることについて書けば十分です。

趣味・特技欄の基本ルール

履歴書のフォーマットによって「趣味・特技欄」「志望の動機・特技・趣味・アピールポイントなど」のようなパターンがあります。レイアウトもさまざまです。趣味・特技欄がないときは記載の必要はありません。また、志望動機欄とセットになっている場合は、志望動機を優先して書きましょう。欄が埋まってしまった場合、無理に趣味・特技を記載する必要はありません。
履歴書フォーマットがダウンロードできますので、ぜひ活用してください。

趣味・特技欄の記入例

趣味・特技欄(サンプル1)

志望動機と同じ欄に記入する場合

趣味・特技欄(サンプル2)

趣味・特技欄 書き方のポイント

基本は箇条書きで簡潔に書く

趣味・特技欄は採用担当者にとって、人柄を推しはかる材料の一つという面だけでなく、面接で応募者を和ませるための話題にしたり、という側面があることも押さえておきましょう。せっかく採用担当者とのコミュニケーションのネタになる欄があるのですから、「特になし」と記入して素っ気ない印象を与えては、あまりにももったいないです。面接での対話をイメージしながら、箇条書きで簡潔に記載しましょう。趣味だけ、特技だけを書いてもOKです。

具体的な補足説明(文)があると印象に残る

趣味・特技欄には特に目を引くような変わったことや、仕事のスキルに関連することを書かなくてもかまいません。
基本的には何を書いてもよく、日頃の興味のあること、よくやっていることを具体的に書くことで「趣味」と紹介することができますし、「特技」には、人に褒められたエピソードから振り返って「一度会った人の顔と名前は必ず覚えている」といったことを書いても大丈夫です。
箇条書きで端的に記載したうえで具体的な内容やエピソードを盛り込むことも、採用担当者の目を引いて印象に残るかもしれません。
ただし、ウソをかいた場合、たくさんの応募者とコミュニケーションをとる採用担当者に見抜かれてしまうかもしれません。自分がリラックスして話している場面をイメージして、正直な内容を記載しましょう。

記載を避けた方が良い「趣味・特技」もある

趣味・特技として、基本的には何を書いても良いですが、あくまでも転職のために書く履歴書です。ビジネス・マナーとして避けるべきギャンブルや政治、宗教に関する内容は、ここでも避けた方が良いでしょう。採用担当者に「ビジネス・マナーがわかっていない」と判断されてしまいます。
また、採用担当者にとっては不安に思われやすいものもあります。例えばですが、一般的に不健康なイメージのある食べ物や習慣に関することなどです。もちろん、そうしたものを商材として扱う企業では歓迎されることは明らかなので、あくまでも応募企業や職種に応じて、注意すべきものです。
同様にゲームやアニメ、動画配信サービス鑑賞なども歓迎される、されないの差が出る可能性はあるかもしれません。中毒性を のめり込み過ぎているように感じさせる書き方ではなく、探求心や知識欲にフォーカスした書き方にするなどの配慮をして記載しましょう。

よくある趣味・特技も書き方は慎重に!

趣味・特技としてよくある、スポーツや旅行など全くテーマとして問題がなくても、応募職種への適性がないかも、求められる働き方に対応できないかも、と疑わせるような書き方は避けましょう。例えば「土日は必ず〇〇する」「(繁忙期にあたる時期に)毎年、このイベントに参加する」などです。書き方に迷ったら、シンプルに記載しておきましょう。

趣味・特技欄の記載例

【趣味】
・映画鑑賞(邦画、韓国映画を中心に月△△本程度を鑑賞。最近印象に残った作品は『●●●●●●』)
・地元の野球チームに所属し、週1回の練習や試合を行う。平成〇年〇月の〇〇地区野球大会で準優勝。
・スノーボード(〇年続けており、毎年□□□へ△~△回程度、楽しんでいます)
【特技】
・韓国語が日常会話レベル。平成〇〇年〇月 韓国語能力試験(TOPIK)2級に合格。毎年△~△回、韓国へ旅行。
・平成〇〇年〇月 インテリアコーディネーター 取得  (得意なテイストはボタニカルスタイル。自宅の家具もDIYします)

趣味・特技欄に記載する趣味の例

人柄・長所をアピールする「趣味」の書き方例

履歴書の趣味・特技欄を活かして、採用担当者に与えたい印象や長所をアピールすることもできます。つまり、趣味そのものより、「趣味への取り組み方」の方を印象づけるように書くこともできます。ここでは「趣味」の書き方の例文をいくつかご紹介します。

「コツコツ努力できる人」を印象づけたい

・書道:〇才から高校卒業まで書道教室に通っていました。社会人になってからはストレス発散に(集中して無になれるので)、月に1~2度楽しんでいます。毎年応募を続けているコンクールもあり、ゆっくりとでも成長したいと考えております。

(解説)
「長い間教室に通っていた」ことで、コツコツ努力できる人などの印象を与えることができています。ストレス発散の方法を持っていることも安心感を与えますし、コンクールに応募する意欲も持っている前向きさやチャレンジ精神も感じさせるので好感度は高いでしょう。

「社交性が高い人」を印象付けたい

・旅行:家族や友人との旅行が好きで、年に〇~〇回は宿泊旅行をします。移動・宿泊先などの手配や旅のスケジューリングをするのが苦ではないので、いつも幹事を引き受けています。日頃の食事会や飲み会の手配をすることも多いタイプです。

(解説)
「趣味は旅行」というよくある回答ですが、趣味そのものより「段取り力」があることをアピールしています。企画力もある、お店をリサーチしてよく知っているかも、という会社で活かせるイメージも採用担当者へ与えることができています。

「集中力がある人」を印象付けたい

・読書:乱読派で、ビジネス書から小説、ノンフィクションまで気になったものは次々に読んでいきます。最近、面白かったのは「〇〇〇〇」で、上・下巻を一日で一気に読みました。

(解説)
この例文も「趣味は読書」というよくある回答ですが、集中力があるような印象を感じさせます。月にどれくらい読むかという冊数を記載していないにも関わらず、本を多く読む人という印象も与えられています。面接で聞かれたら、「最近は転職活動のリサーチや準備で読書に時間が取れていませんが、社会人になってから一番多いときで月〇冊程度は読んだりしています。」などのように、ウソはつかずに工夫した答え方もできますね。

応募職種に活かせることを伝える「趣味」の書き方例

趣味には、そのものズバリ応募職種に活かせる趣味(語学など)以外に、趣味への取り組み方が応募職種の仕事や会社に貢献できることを伝えられる書き方もあります。例文を参考にしながら、自分なりに表現してみましょう。

「体力」をアピールする

・ランニング:毎朝、〇㎞をランニング。納期前の?忙に耐えられる体力づくりのために、△年前から始めました。

(解説)
「ランニング:毎朝、〇㎞をランニング。」とだけ書いても、何の問題もありません。体力があることもわかります。あえて、補足することで印象がグッと上がります。

「スピード」をアピールする

(Webデザイナーの例、ポートフォリオ提出を前提)
・イラスト制作:趣味としても、自由なテーマでイラスト制作をしています。(好きなジャンルは〇〇系)ポートフォリオの最後にあるイラスト制作は、△時間です。

(解説)
「デザイナーとして多忙で、趣味の時間なんてない」という人の場合でも、書き方次第で「趣味」風に示せます。もし、制作スピードに少し自信があるという程度でも、アピールしておいて損はないでしょう。

「人脈」をアピールする

(リフォーム会社勤務の例)
将棋:将棋を〇才から続けています。△年通う将棋クラブは会員数が〇〇名以上、年代も幅広いです。仕事がリフォーム関係と知られているので、会員から仕事の依頼が来たこともあります。

(解説)
将棋がアマチュア〇段など、将棋のレベルよりも「人脈」の方をアピールしている例です。最後は、若干アピール色を強く感じますが、趣味そのもののレベルではなく、仕事に活かせる(活かせた)という着地もできる、という例文です。

アピールできる趣味・特技がないときの対処法

「趣味・特技がない…」と感じる人に言いたいのは、どれくらいのレベルからが趣味・特技かの定義は全くないということ。つまり、趣味なら「こういうことに関心がある」「ここに(ちょっとした)こだわりがある」、特技なら「ここは人から褒められたことがある」「少し自慢」くらいで書いてしまって問題ありません。日常のことを「趣味・特技」のように伝える書き方ができるかどうかがポイント、と意識を変えてみましょう。

転職面接で採用担当者は、趣味・面接がどれくらいのレベルか、を追求しようと全く思っていませんし、「仕事以外の関心事の方向」「ちょっとした話題のネタ」程度と見なしています。そもそも、面接でとりあげられない可能性もあります。履歴書で「特になし」と素っ気なく書いてしまうよりも、何かしら書いて採用担当者に印象を残す方が得策なので、ぜひ書くことをおすすめします。

趣味・特技欄の記載例

日常のことを趣味にみせる例①

【趣味】
・ネイル:セルフネイルをするので、動画やInstagramで参考デザインを収集しています。イベント時に凝ったデザインにトライするのがストレス発散法です。

日常的なセルフネイルに注目して、研究熱心さ、トレンドに敏感、というニュアンスを表現しています。また、「会社に派手なネイルで出勤するのでは?」という疑いを持たせないために、「イベント時に」とあえて書く工夫も付け加えています。「ストレス発散」というキーワードを入れているので、リフレッシュの方法もちゃんと持っている人と好印象を与えられるかもしれません。

日常のことを趣味にみせる例②

【趣味】
お好み焼き:広島県出身で、都内の広島風お好み焼きの美味しいお店なら詳しいです。(登録しているお店の電話番号は〇〇件超)自宅に友人達を招いて、料理して振舞うこともよくあります。

自分のただ好きな食べ物を趣味のように伝えている例です。これなら、採用担当者に「あの広島の人ね」という印象を残せます。さらに、友人との交流に触れていて、社交性のある人という印象も与えられます。

日常のことを特技にみせる例

【特技】
家族△人分の夕食を〇〇分以内で作ること。炊飯器の早炊き〇〇分内で△品以上のおかずを作ることを目標に、ゲーム感覚で料理します。楽しんで、最も効率的な動きを考えて行動するので集中でき、料理が終わるころにはリフレッシュできています。

家族のための夕食作りを特技のように書いた例です。やるべきことを楽しんでやる工夫ができる人、効率に意識がある人、集中力がある人など、良い印象を与えることができています。

まとめ

履歴書の趣味・特技欄をどう書いて良いか迷う、という方へ、「趣味・特技」を十分にアピールする書き方と、趣味や特技がなくても書き方次第で「趣味」「特技」になるということをご紹介しました。あくまでも、人柄の参考にみる欄ですから、気負わずに「採用担当者とどんな会話ができるだろう?」とイメージしながら書いてみてください。

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