免許・資格欄の書き方【履歴書作成ガイド】

履歴書の「免許・資格欄」を「たくさん書けばいい」と考えるのはNGです。応募企業の求人内容をよく読み、アピールになる資格かどうかを選んで記入します。また、資格は必ず正式名称で記載するのがルールです。ここでは、どのような資格を、どのように書くべきかなど「免許・資格欄」の書き方についてご紹介します。

免許・資格欄の書き方のルール

履歴書の「免許・資格欄」で、採用担当者は仕事に必要なスキルや知識、活かせる資格があるかどうかを見ます。また、勤勉さや、成長意欲の有無を判断する要素として見ている場合もあります。しかし、求人内容とは別の職種で重宝される資格が記載されていたり、関連性のない資格が多数羅列されていたりすると、「本当は他の仕事がしたいのでは?」という印象を与えてしまう可能性もあります。 何がアピールになるのかを考えて取捨選択して、免許や資格を記入する  ことが大切です。

免許・資格欄の記入例

免許・資格欄(サンプル1)

免許・資格がない場合の記入例

免許・資格欄(サンプル2)

運転免許が先、他は取得順に記入

運転免許を取得していれば、「免許・資格欄」で最初に書きます。ペーパードライバーであったとしても必ず記載しておきましょう。複数種類の運転免許を取得している場合、運転免許をまとめて取得順に記入します。ただし、バイク(自動二輪免許)などは、希望職種と関連がなければ「趣味」の欄に記入した方が良いでしょう。
  免許の名称と、1文字分のスペースを空けてから「取得」や「合格」と記入 しましょう。
運転免許以外の資格も、基本的に取得順に記載します。

省略せず、正式名称で記載

免許や資格は正式名称で記入して、略称や自分勝手な表現「普通免許」「宅建」などとは書きません。「普通自動車第一種運転免許」や「宅地建物取引士」などです。
また、 取得年月の表記は、和暦か西暦のどちらかに統一 しましょう。例えば「平成元年」でも「1989年」でもかまいません。

 名称が変更になった場合は、取得時の名称を書きます 。例えば、2015年に名称変更した宅地建物取引士は「宅地建物取引主任者(現:宅地建物取引士)」のように書きましょう。さらに、取得までに段階(試験合格、実務講習受講、登録など)がある資格の途中段階にある場合は、履歴書作成日での状態を記載します。

(参考)免許・資格正式名称例

免許・資格の略称・通称 履歴書での書き方
普通自動車免許 普通自動車第一種運転免許 取得
普通自動車免許(AT限定) 普通自動車第一種運転免許(AT限定) 取得
大型免許 大型自動車第一種運転免許 取得
英検 実用英語技能検定〇級 合格
TOEIC TOEIC公開スコア スコア○○〇点取得
TOEIC TOEIC Listening&Reading Test 〇〇〇点取得
宅建 宅地建物取引士試験 合格
FP・ファイナンシャルプランナー ○級ファイナンシャル・プランニング技能士試験 合格
日商簿記 日商簿記検定〇級 合格
MOS Microsoft Office Specialist Excel2016 合格
MOS マイクロソフト オフィス スペシャリスト Excel2016 合格
秘書検定 文部科学省後援 秘書技能検定〇級 合格
秘書検定 秘書技能検定〇級 合格
ITパスポート ITパスポート試験 合格
ITパスポート 情報処理技術者試験(ITパスポート) 合格

IT系資格の書き方

IT系の資格も、情報処理技術者試験(ITパスポート)などのように正式名称で書くことが基本です。ただし、ベンダー資格(※)の場合は書き方が明確ではなく、例えばシスコ技術者認定の一つであるCCNA なら「CCNA(Cisco Certified Network Associate )」が一般的な書き方として知られています。また、ベンダー資格は有効期限がありますが、失効していても、取得したことがあれば記載してアピールしても良いという意見が多くあります。

アピール度の高い免許・資格を記載する

履歴書の「免許・資格欄」では、 希望職種に関連してアピールになる資格、または難易度が高い資格 を書きます。欄のスペースは限られているため、複数の級(レベル)を取得している場合は、下位の資格は省略して上位の級(レベル)を記載することが一般的です。
また、業務に直結していなくても、国家資格は記載しても良いといわれます。

MOS(Microsoft Office Specialist)などのPC関連の認定資格は、応募する求人の仕事内容と関連がないように見えても記載した方が良いという意見があります。一般的なパソコンスキルを示すことができるので、オフィスソフトの知識があることはアピールしても損はないかもしれません。

記入がNGの資格とは?

TOEICのスコアや英検の級は、アピールにならない場合は書かない方が良いこともあります。 TOEICで一般的にビジネスに活用できると判断されるのは600点以上で、英検なら2級以上 といわれます。ただし、外資系企業で求められるスコアは700点や800点以上です。求人内容にあわせて書く、書かないを判断しましょう。

また、 趣味や暮らしに役立つ資格、スポーツ関連の資格は「免許・資格欄」には記載しません 。面接でのネタとしたい場合は、「趣味・特技欄」の方にに記入しましょう。

免許・資格がないときは「特になし」と記載

免許や資格がないのに、取得と記入すると虚偽記載で詐称となります。 虚偽が判明した場合、解雇も可能性としてあるため、必ず取得している資格のみ記入 し、無い場合は「特になし」と書きます。
しかし、資格をいつ受験するか決めて既に勉強中の場合は「〇〇資格の取得のため勉強中」と書いても良いという意見があります。例えば、実際に宅地建物取引士の試験勉強を行い「〇月に受験予定」など具体的に時期を記せる、面接で尋ねられても自信をもって話せる勉強量がある等はアピールになるかもしれません。
虚偽にならないかどうかを自身で判断して記載しましょう。

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