会社を作ることを目標に、日々の業務で様々な経験を積んでいるビジネスパーソンも少なくないと思います。自分の会社を作ることも、転職に次ぐキャリアアップの手段のひとつ。
しかし会社は作ることよりも、継続させることの方が難しいようです。
会社を作るときにいきなり大規模の会社を作るのは難しいでしょう。会社を作ると、最初は中小企業になります。
さて中小企業ですが、設立するまでよりも、設立後が非常に大変です。実は中小企業の生存率は非常に厳しいものになっているんです。
10年後には3割、20年後には約5割が倒産している!
中小企業庁の発行する『中小企業白書』。毎年中小企業を取り巻く状況などをまとめている『中小企業白書』では、企業の生存率をまとめています(2011年版中小企業白書 第3-1-11図より)。調査によると5年後に生存している企業の割合は82%。5年後には18%の企業が倒産などにより撤退しています。
そして10年後の生存率は70%、15年後には61%、20年後には52%となっています。新規企業が絶えず設立されていっても、20年後には約半数が撤退しているというのが現実です。
「会社を作って一山当てる!」を思っている人も、倒産することに対して注意を払わなくてはいけません。倒産させないためには、どんなことに気をつければいいのでしょうか?
倒産する企業の7割は『販売不振』が原因!
中小企業庁が調査している『倒産の状況』では、倒産の原因についても調査を行っています(倒産の状況 統計表一覧 原因別倒産状況タブ)。平成25年には1万855件の倒産がありましたが、それぞれの倒産原因をまとめています。
1位は『販売不振』で7468件。どんな企業であれ、売上を上げるために物やサービスなどを販売していきます。しかし売れると思っていたものが売れなかったことが、倒産の大きな原因となります。会社を起こすときに「これは売れる!」と思っても、実際にはニーズが無かったということも考えられます。まずは市場調査などで本当にニーズがあるのかを調べたほうがいいですね。
2位は『既往のしわよせ』で1372件。既往のしわよせとは、すでに見えている悪い状況を、対策を採らずに放置してしまうこと。例えば最初こそ順調に売上が上がっていたものの、徐々に低下。低下していることに対策を採らずにコストもそのままでいると、当然いつかは赤字となって倒産してしまいます。悪い兆候が見えたらすぐに対策をとらないと『既往のしわよせ』が発生してしまうんですね。
3位は『連鎖倒産』で612件。例えば前の会社や付き合いのあった会社と取引をしていくことを前提に会社を起こしたとします。しかし取引先が倒産してしまい売上がなくなってしまうようなことです。こうならないためには販路の拡大といった策を採らないといけません。
倒産させないためには緻密なリサーチと経営計画を立てよう!
企業が倒産してしまうのには必ず理由があります。しかし倒産企業の約7割は『販売不振』が原因です。緻密なリサーチと、経営計画。会社を起こそうとする前に、まずは当面会社が倒産しないような計画を立てなくてはいけませんね。