日本では『所得の再分配』を計算に入れると、決して格差は拡大していなかった!

所得格差は大きくなったものの、税や社会保障を計算に入れると、逆に格差は小さくなっている―。所得から計算され、天引きされている税金や社会保険料などは、年金や医療費となって再分配されています。

所得の格差

所得格差は大きくなったものの、税や社会保障を計算に入れると、逆に格差は小さくなっている―。
所得から計算され、天引きされている税金や社会保険料などは、年金や医療費となって再分配されています。いわゆる『所得の再分配』と呼ばれているものですが、所得の再分配後の金額を見ると、日本は格差が少ない国と言っても過言ではなさそうです。

厚生労働省は『平成23年所得再分配調査結果』を発表しました。この調査でひとつの指針となっているのが『ジニ係数』と呼ばれる数字です。
ジニ係数とは社会における所得の不平等さを測る数字で、1に近いほど格差が大きく、0に近いほど格差は小さくなります。
では平成23年のジニ係数を見てみましょう。所得から税金や社会保障を引かない『当初所得』のジニ係数は0.5536でした。これは平成20年の0.5318、平成17年の0.5263と比べても高くなっていました。(P.6 表2 所得再分配による所得格差是正効果)。平成23年の当初所得のジニ係数は過去最高の数字で、所得格差が少しずつ拡大していることが明らかになりました。

ではなぜ「日本は格差が少ない国」と言えるのでしょうか? それは所得の再分配後のジニ係数に表れています。

所得再分配後のジニ係数は低下していた!

例えば所得税は、たくさん稼いでいる人はより多く税金を納めるという累進課税をとっていますよね。 これは格差を少なくする効果があります。当初、所得から社会保険料と税金を引いた『可処分所得』のジニ係数は0.3885。これは、多く稼いでいる人から税金や社会保険料を多く取ることで、格差を小さくしていました。

税金や社会保険料は、年金や医療費などに使われます。年金を受け取っている人や病院に行くと、集められたお金を使うかたちで『再分配』されています。この再分配を行ったあとの『再分配所得』のジニ係数は、0.3791。これは平成17年の0.3873よりも小さく、0に近い数字。すなわち格差は小さくなっているということを表しています。
国が行う様々な社会保障のおかげで0.5536から0.3791へ。実は日本は、国をあげて格差を小さくしようとしていたんですね。

節税はしたいところだが、税金はきちんと使われていることも忘れずに!

最近は所得が増えず、中には「自営業なら年金も税金も払いたくない」と思っているビジネスパーソンもいるかもしれません。ビジネスパーソンでも、できる限りの節税はしたいところです。しかし納めた税金や社会保障料は、社会的弱者のためにしっかり使われているという現実も、頭に入れておいてください。


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