更新日2018.05.29

転職活動に有利な時期とは? 転職活動成功のための、フェーズ別5つのコツ

転職をしたいと思っても、いつスタートするのがベストか分からない、また、初めての転職で何から始めればいいのか分からない、といった方も多いのではないでしょうか。今回は転職活動をスタートする時期についての豆知識や、転職を成功させるための大事なポイントを紹介していきます。あなたにとっての最適なスタートを見つける手がかりにしてくださいね。

転職活動に有利な時期

転職活動に不利・有利な時期はあるのでしょうか? まずは近年の転職市場を把握するため、実際に転職した人の数を見てみましょう。総務省統計局の調査によると、転職者数は平成24年から微増を続けています。さらに、平成27年以降の転職者数を四半期ごとに見てみると、年度によって転職者数にバラつきがあり、ひとえに「●月に転職者が多い」とは言い切れないようです。
※参考資料:総務省統計局 『年齢階級別転職者数及び転職者比率

では次に、転職に有利な時期について考えてみましょう。今回、転職に有利な時期かそうでないかは、転職をしたいと考えている「求職者数」と「求人数」の比率を参考にしていきます。求職者が少ない時期に求人がたくさんあれば、転職の倍率はぐっと下がりますよね。

それではまず、月次の求職者数に目を向けてみましょう。厚生労働省が発表した平成29年度のデータを見ると、求職者数はどの月も180万人前後と大きな変化はありません。

一般職業紹介状況(平成30年2月分)について

※参考資料:厚生労働省『一般職業紹介状況(平成30年2月分)について

そこで、求人数についてクイズです。1年のうち、求人数が一番多いのはいつかご存知ですか?

① 4月
② 10月
③ 12月
④ あまり変わらない

▼答え
④ あまり変わらない

企業が採用を行う背景は、① 新規事業の立ち上げ、② 事業拡大、③ 欠員補充の大きく3つ。③ 欠員補充は転職者が増えるボーナス後や年度始めなどに採用が活発になりますが、① 新規事業の立ち上げや② 事業拡大は企業によってタイミングが異なるため、年間を通してみると大きな変化はありません。気になる企業や職種がある方は、こまめに求人をチェックして応募に備えましょう。

以上の結果から、求職者数、求人数ともに月次による変化はあまり見られなかったため、「●●月が転職に有利!」ということは一概には言うことはできなさそうです。市場の動向で転職をスタートする時期を検討するよりも、あなたの置かれている状況や希望する転職先のスケジュールに合わせた転職活動を考えることが大切です。

転職活動にかかる期間

続いて転職活動にかかる期間について見ていきましょう。一般的には、転職にどれくらいの期間が必要か、知っていますか?

① 1カ月
② 3カ月
③ 5カ月

▼答え
② 3カ月

応募検討から転職先決定まで3ヶ月というのが転職市場では一般的に言われています。実際に、平成27年に厚生労働省が発表したデータでも、転職活動を行う平均的な期間で一番多いのは「1カ月以上3カ月未満」という結果でした。

参照元:厚生労働省「雇用の構造に関する実態調査(転職者実態調査):平成27年

また、転職先が決定した後は退職交渉や引き継ぎを経て、約1カ月後に入社となるパターンが多いようです。企業によっては面接回数が多かったり、引継ぎに想像以上に時間がかかることもあるので、転職希望時期があるなら早めに動き出すのがベターでしょう。

転職活動の流れは一般的に、自己分析や情報収集を行う事前準備から始まり、その後求人への応募がスタート。そして書類選考や何度かの面接を経て内定を獲得し、現職の退社と転職先への入社となります。

転職活動にかかる期間って?

一般的には3カ月と言われている転職期間ですが、現在の会社を退職してから転職活動を始めるか、それとも先に退職してから転職活動をスタートするかによっても、転職活動に要する期間は変わってきます。

■転職活動が短く済みやすいのは「退職後の転職活動」

退職をしてからスタートする場合はまとまった時間を取りやすいため、集中して転職活動を行うことができます。ただし、なかなか内定が出ないなどで転職活動が長期化してしまうと、収入面での不安が発生するかもしれません。貯金に余裕があったり、実家暮らしでない場合は、転職が決まる前に退職するのは避けた方がベターでしょう。

■転職活動が長引きやすいが収入の不安がない「在職中の転職活動」

在職しながらの転職の場合、収入のない期間を最小限に留めることはできますが、一日の中で転職活動に割ける時間が限られてくるため、長期化することがあります。また、面接などの日程を調整しにくいというデメリットもあります。
関連記事:「2つの転職活動時期のメリット・デメリット - 転職完全マニュアル

退職を伝えるタイミングはいつ?

転職活動の終盤、希望している企業からの内定をもらえた場合、現在の職場に退職の旨を伝えるタイミングはいつがベストなのでしょうか。

法律上では退職を申し出てから2週間後には退職が可能となっていますが、現実的には最低でも1カ月前には退職の意思を伝えることをおすすめします。

なぜなら、会社側はあなたの後任の選定などが必要となるため、2週間では時間が足りないということが多いからです。また、自分が抜けた穴によるダメージを最小限に抑えるために、業務の引き継ぎをしっかりと行なう必要もあるので、最低でも1ヶ月は退職までにかかると思ったほうが良いでしょう。

また、退職の意思を伝える際にもいくつかのポイントがあります。

【転職先の企業名は知らせない】

転職先の企業名は知らせないほうがベター。実際に、面接先を上司に聞かれたので企業名を伝えたところ、転職先企業に連絡が行き、転職が成功しなかったという例もあります。

【優柔不断な態度はとらない】

退職の意思を伝えたところ、企業から留まるように諭されるケースが多いようです。もしあなたが転職をする理由が改善されるのであれば再考する必要もありますが、それによって残留すると言ったり、また転職すると言ったり、ころころと意思が変わってしまっては、転職先にも現職企業にも迷惑がかかってしまいます。

【直属の上司に最初に伝える】

転職することを決めたら、仲のいい同僚たちに話す前に、まずは直属の上司に退職の意思を伝えましょう。普段からあなたの業務を把握し、教育してくれている上司からしたら、あなたの退職を人づてに聞くのは印象が悪いですよね。また、上司はあなたが退職するまでに業務の調整なども考えなければならないのです。無用なトラブルを起こさず、良い関係性で転職するためにも。退職の意思はまず直属の上司に伝えるべきと言えるのです。

【なるべくポジティブな退職理由を伝える】

もしあなたの転職の理由が、職場での人間関係だったり、給与・待遇だったとしても、それを退職理由としてストレートに伝えるのはなるべく避けた方がよいでしょう。企業側は「それを改善すれば会社に残留する」と考え、引き止めるための材料に使われてしまうことが多いそうです。
関連記事:「仕事をしながら転職を成功させよう! 退職の意思を伝える、絶妙のタイミングとは?」

内定獲得には15社への応募が必要!

1社内定を獲得するためには、何社への応募が必要でしょうか?

① 5社
② 10社
③ 15社

▼答え
③ 15社

職業、年齢、経験などにもよりますが、1社内定を獲得するには15社に応募するのが平均的。「ここだ!」と思う1社にだけ応募したいのはごもっともですが、内定獲得後に「もっとたくさんの企業も見てみたかった」とならないためにも、複数社に応募しておくことをオススメします。

ちなみに、『type』会員へのアンケートを実施したところ、初めての転職を経験した人の平均応募社数は、5.4社という結果になりました。比率として高かったのは、「11社以上応募した」という人(28.0%)と「1社にしか応募していない」という人(26.7%)。「1社にしか応募していない」の中にはヘッドハンティングや縁故転職なども含まれているのではないかと予測されます。
関連リンク:データで見る初めての転職「最初の転職ではみんな何社くらい応募するの?

15社というと多くて大変と思ってしまいますが、多くの企業にエントリーすることで、いろいろな企業を比較できるようになり、本当に自分にあった一社が見つかりやすいというメリットがあります。また面接の場数を踏める点も、初めての転職では大きな強みになります。

転職活動フェーズ別に見る、成功のための5つのコツ

転職を成功させるためには、どんなことに注意するのがいいのでしょうか。ここでは特に重要な5つのポイントについて紹介していきます。

【事前準備では自己分析をしっかりしておく】

あなたが転職しようと思った背景には、さまざまな理由があると思いますが、その中でもゆずれない部分や妥協できる点など、あなたにとっての理想の環境について、事前に考えをまとめておきましょう。また、前職とまったく別の業界や職種に転職をするのであれば、事前の情報収集が必要です。「なぜその業界なのか」「なぜその職種なのか」「なぜその会社なのか」といった質問に答えられるよう、入社を希望する企業だけでなく、その周辺の企業についても情報を集め、比較して回答できるような準備をしておきましょう。

【書類作成ではアピールポイントがきちんと伝わる書き方をする】

転職に対する自己分析や希望する企業への知識を深めていても、それを応募先の企業にうまくアピールできなければ転職を成功させることはできません。書類作成や面接には、自分の思いを伝えやすくするためのテクニックがありますので、それらを身に付けておくことが転職成功への近道となります。
関連記事:「事前準備が9割!?内定を勝ちとる面接徹底対策
関連記事:「書類作成「10」の極意! - 転職完全マニュアル

【応募では求人情報をよく読み込む】

転職サイトの求人には、企業側が求める人材についてのスキルや資格だけではなく、人物像や指向性などについてのヒントがたくさんちりばめられています。特に「歓迎する資格やスキル」などの項目には、必須とまでは言わないものの、持っていると有利になるものが書かれています。求人情報をよく読みこむことで、内定への近道になりますよ。

【面接ではあなたを採用するメリットをわかりやすく伝える】

面接官に、自分を採用するメリットを分かりやすくアピールすることが大切です。入社してすぐに数字で成果を出すのが難しそうだったとしても、長期的な視点で、あなたを採用することでの会社側のメリットを考えてみましょう。また、面接官の立場になって、どういう伝え方をされたら納得できるかを考えてみることも重要です。

【退職時には迷惑をかけないスマートさが大事】

現職に在籍しながらの転職の場合、内定後、退職する際に注意が必要です。いくら辞めるからといって、現職に迷惑のかからないよう、最低限のマナーをもって業務の引継ぎや退職手続きを行なってください。また、スマートに退職していくためには、転職先については伝えない方がよいでしょう。

まとめ:転職を成功させる鍵はリサーチと準備

冒頭で説明したように、転職に有利な時期というものはありません。それよりも、「今の仕事を引き継ぐにはどれくらい期間が必要か」や、退職してから転職活動を行うのであれば「一定期間収入がなくても大丈夫か」など、それぞれの立場で転職のスタート時期を検討するのがよいでしょう。

どんな時期に転職をスタートするかよりも、転職に必要な情報をきちんと集められるかが転職成功の秘訣。自身の仕事観や転職したい理由などを深堀りして準備をして、転職を希望する業界や職種に対しての理解を深めることが大切です。

転職エージェントやキャリアアドバイザーに相談するのも1つの手段。しかし、仕事に対する理解を深め、自身を成長させながら転職できるのは、自分で求人情報を探し、応募、面接を進めて行く転職活動です。あなたのこれからの仕事人生を豊かにするためにも、是非この記事を参考にして転職を成功させてくださいね。

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  • 【監修者】

    豊住浩史(株式会社キャリアデザインセンター type転職エージェント 局長)

    大学を卒業後、キャリアデザインセンターに入社。2年間の求人広告営業を経て、人材紹介事業部に異動。IT業界、コンサルティング業界を中心に、国内・外資大手からスタートアップ企業まで幅広く採用を支援している

※このコンテンツは、2017年にtypeメンバーズパークに掲載された動画を新たに記事化したものです。

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