中小企業と大手企業の年収はどのくらい違うのでしょうか。
年収を目安に転職先を探していると、やはり名前を知っているような大企業は年収が高い傾向があります。もし、転職したい会社が中小企業だった場合、その年収はいくらぐらいになるのでしょうか?
そんな気になる中小企業の平均年収が調査により明らかになりました。
東京都は都内にある従業員10~299人の中小企業3500社を対象に『平成24年中小企業の賃金・退職金事情』を調査しました。対象の企業は都内にあるものに限ってはいますが、なかなか知ることができない中小企業の年収事情が明らかになっています。調査によると平成23年の平均年収は約524万円でした(表1)。
この年収額を大企業の年収と比べてみましょう。給料.comが東証一部企業上場企業1681社の平均給与を調査したところ、その額は672万円。東証一部上場企業という大企業と比べると、約150万円もの差がありました。
やはり年収の高さを求めるのであれば、行き着く先は大企業になってしまうようです。
そしてさらに中小企業にも年収格差があることも分かりました。
従業員数のほかに、年収に差が出るもうひとつの要因とは?
まずは従業員の数。これにより年収に差があることが判明しました。10~49人の企業の場合、年収は約491万円。平均の524万円より約30万円も低くなっています(中小企業の賃金・退職金事情 表1)。
従業員が50~99人になると約512万円、100~299人になると約557万円にまで上がっています。中小企業の場合、大企業ほどとはいかなくても、従業員数が多い方が年収も高くなる傾向が分かりました。
また労働組合の有無も、年収に差が付く要因でもあるようです。労働組合がある中小企業の年収は約577万円ですが、労働組合がない中小企業の場合は約508万円。約70万円もの差が出ていました。
さらに労働組合の有無は賞与にも影響を与えています。賞与支給額の調査では、労働組合のあるところでは約113万円ですが、労働組合がないところでは約84万円となっています(表2 過去1年間の賞与支給額)。賞与の支給がなかった中小企業は労働組合があるところでは約10%ですが、労働組合がないところでは約18%。
中小企業の場合、年収の差は労働組合の有無が大きく左右しているようです。
都内の中小企業の88%には、労働組合がない!
賞与の調査では1099社が回答していますが、労働組合ありの企業は131社、労働組合なしの企業は968社と、実に中小企業の88%に労働組合がありません。
転職活動をしていると、なかなか労働組合の有無は分からないもの。面接の際に「労働組合はありますか?」と聞くことも、必要なことかもしれませんね。