誰もがお世話になってきた教師という職業。では学生時代に教わったあの先生は、一体どのくらい稼いでいたのか気になりませんか? 公立学校の先生は地方公務員ですので、実はその給料額は公表されているのです。
果たして教師の年収はいくらなのでしょうか。
地方公務員の給料は『給料表』により定められています。総務省が公表している『地方公務員の給料表の仕組み』によると、地方公務員の給料は一般企業における昇格にあたる『級』と、昇給にあたる『号給』の組み合わせによって支給されています。
地方公務員の給料は各地の人事委員会で決められ、公表されています。例えば東京都の各地方公務員の給料は『東京都人事委員会』のホームページで見ることができます。
そして教師の給料は『教育職給料表』から確認できます。東京都の教師は、一番ランクの低い1級1号で14万6000円、一番高い6級85号で51万3000円となっています。しかしこれだけでは給料ははっきり分かりません。そこで平均がいくらなのかを見てみましょう。
総務省が発表した『地方公務員給与実態調査』の『職種別平均給与月額』によると、高等学校教育職の平均給与月額は42万2397円、小・中学校教育職は40万5338円です。これは地方公務員全職種の平均月額38万826円よりも高い数字です。教師には『教職調整額』が付与されており、他の地方公務員より高くなっているというわけです。
しかし今、この教師の給与額を削減しようという動きもあります。
給与削減が検討されている中、教師の残業は増加中
11月9日付の朝日新聞によると、財務省は教員の給与を1.7%削減する方向で調整に入ったとのことです。記事によると教員の平均年齢は43歳で、平均年収は608万円だそうです。この金額の1.7%が削減される場合、約10万円が減る計算です。
このように給与削減が検討されている教師という職業ですが、最近では教師の残業が増えていることが問題となっています(産経ニュース10月17日付)。教師の残業はここ10年で10時間増え、月平均95時間半も残業しているというデータがあります。部活動や授業準備などで土日に出勤することや家に持ち帰り仕事をすることも多くなり、非常に多忙を極めています。
「教師になりたい!」という人は、過酷な職場と覚悟しておこう
大卒の人の中には教職課程の授業を受け、教員免許状を取得している人もいると思います。「いつかは教師に!」と教員採用試験を目指している人も少なくありません。
しかし教師の仕事は、公務員とはいえ残業が多く、土日もゆっくり休めないのが実情です。さらに今後はそこに給与削減も加わるようです。教師を取り巻く環境は非常に過酷ですが、その分生徒の成長を側で見守ることができる、とてもやりがいのある仕事です。教師になりたい人は、やりがいも厳しさも知った上で教師を目指しましょう。