日本政府が2014年度の税制改正大綱を発表しました。消費税などの増税で家計には厳しくなりそうですが、逆に企業は減税されるという内容でした。では、会社の税金はどんなものが軽減されるのでしょうか?
2013年12月12日に決定した、2014年度税制改正大綱。税制改正大綱とは、新しい年度に向けて増税や減税、新しい税制などを具体的にまとめたものです。
2014年度税制改正大綱は今後国会に提出され、2014年4月以降に実施されていきます。そして2014年度の税制改正大綱は『家計より企業』が鮮明に打ち出されていました。(時事通信 2013年12月12日付) まずは企業に対する減税策を見てみましょう。
企業減税はなんと約1兆5000億円!
まずは13年10月にすでに決定している『設備投資減税』。地域限定で経済の活性化を行う『国家戦略特区』内では、企業が一定以上の設備投資を行った場合は減税の対象になるというものです。
また、世界と比べると高いと言われている『法人税』の減税は回避しましたが、東日本大震災の復興支援のために導入した『復興特別法人税』は、当初の予定を1年繰り上げて今年度で打ち切り。設備投資減税などを含めると、なんと約1兆5000億円の減税になります(数字は朝日新聞 12月13日付)。
しかし、一方で私たちビジネスパーソンには厳しい増税が待ち構えています。
家計には大きな増税が待っている
先に決定した消費税増税。消費税率5%から8%になることで家計から約6兆円、国民ひとりあたり約5万円も負担しなくてはなりません。
また高所得のビジネスパーソンを対象にした所得税、住民税の増税も2015年1月から引き上げられることが決まっているだけではなく、2015年度以降に軽自動車を購入する人は、軽自動車税が年7200円から1万800円まで上がってしまいます。
2014年度税制改正大綱を詳しく見ると、やはり『家計より企業』を優先していると感じられます。
しかし、実は政府の狙いは別のところにあったのです。
本当の狙いは『賃金への還元』!
安倍晋三首相のもと、推し進められている『アベノミクス』。長期間続くデフレから脱却し、経済成長率3%を目標に様々な政策がすでに実施されています。今回の企業減税は『成長戦略』を目論む動きで、設備投資などで企業の生産を高め利益を向上させ、その結果を賃金に還元しようというのが狙いだったのです。
4月以降は消費税増税もあり、確かに家計は厳しくなるでしょう。しかし利益が賃金に還元されれば、その厳しさは軽減されるはずです。企業は減税による恩恵を受けることになりましたが、その恩恵が賃金に還元されるのか? すべてのビジネスパーソンは注視しておく必要がありますね。