税理士の年収って、いくらぐらいなんでしょうか?
税理士になるには計11科目の試験のうち5科目に合格しなくてはならず、勉強には年単位の時間を使う方もたくさんいます。
そんな難問をくぐり抜け税理士になれば、さぞや高年収を得られると思う方も多いでしょう。しかし現実はそう甘くはいかないようです。
会計業界のポータルサイト『カイケイ・ネット』では、登録者約300名の年収を調査しました。税理士試験で5科目に合格し『税理士』を名乗ることができても、税務の実務経験がない場合は年収300万円程度の方もいるそうです(カイケイ・ネット 「税理士の年収相場」その1)。何年もかけて勉強して、やっとの思いで税理士になっても、実務経験がなければすぐに高年収とはならないんですね。
ではどの程度の実務経験があると、年収は上がってくるのでしょうか?
調査では税理士試験に合格して会計事務所で5年程度の実務を経験した人のうち、約9割は『年収500万円以上』になっています。税理士としての経験を5年ほどこなせば、年収が高くなったと実感できるようです。
そしてさらに調査を進めていくと、税理士の年収を分けるひとつの壁があることも分かりました。
年収600万円以上の税理士が勤める会計事務所の特徴とは?
調査の中で『年収600万円』に注目したところ、47%が『年収600万円未満』、53%が『年収600万円以上』という結果が出ました。ほぼ半数の税理士は600万円以上稼いでいましたが、この600万円以上稼いでいる税理士は、勤務する会計事務所に特徴があったのです。
ひとつは『大手税理士事務所』に勤務している人(「税理士の年収相場」その2)。大手では入社時に500万円前後の年収から始まり、マネージャーなどの管理職になると30代でも1000万円ほどになるといいます。
大手に続く『中堅~準大手会計事務所』では、大手ほどではないものの500~700万円が相場で、管理職では800万円前後が平均年収になります。
そして『専門特化している会計事務所』に勤務している人は、5年ほどの実務経験で年収700~800万円。税理士試験は計11科目もあるとおり、実務も同じ数だけ存在します。その中でも『資産税』や『証券化税務』といったひとつの分野で特化している事務所なら、高収入を得やすくなっているようです。
最初の5年は実務を経験しつつ、得意分野を伸ばそう!
税理士試験は非常に勉強範囲が広く、まずは「税理士になること」に集中するでしょう。しかし税理士になったら5年ほどは実務経験を積みつつ、自分の得意分野を伸ばしていくことが、年収アップにつながっていきます。
実務を積んで自分の得意分野の事務所に転職する、というようなプランを立てていけば、比較的早くに高年収が実現できそうですね。