MRの職務経歴書サンプルと書き方のポイント

MRの職務経歴書を作成するには、担当業務、役割、実績や成果を明確にすることが重要です。MRの業務では特にコミュニケーションスキルや人脈構築力などが重視されます。また、医学や薬学の知識も求められますので、業務経験、担当領域や製品実績を記して保有知識やスキルの根拠を示しましょう。そのためには職歴で「5W1H」（いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのようにして）を明確にし、アピールポイントがきちんと整理されていることが大切です。

MRの職務経歴書を書くポイント

業務内容や役割を具体的に記載する

MRは、医師や薬剤師に自社の医療用医薬品の詳細情報を伝えることに加え、効果や副作用などの情報を現場からヒアリングして、開発部門へフィードバックする役割を担います。職務経歴書では「何の領域、薬剤を担当していたか」「どのような機関、医療関係者をクライアントとしていたか」を明確にし、自身の知識やスキルのレベルが採用担当者に正確に伝わるように書きましょう。

数字で実績をアピールする

具体的な数字の情報を盛り込むことで、業務経験や実績の具体性が増します。製品の担当期間、担当した医療機関の規模や数、売上金額や売上達成率などを盛り込むことが必要です。マネジメントの経験があるなら、チームの人数や規模、また個人の結果、チームの成果の両方を示すことが大切です。

保有スキル・資格を記載する

MRは、コミュニケーションスキルや人脈構築力をアピールすることが大切です。「得意分野」「強み」といった項目をレイアウトし、業務経験からそれらのスキルをアピールできる実績やエピソードなどを具体的に示しましょう。また、企業によってはMRの移動手段が社用車であることもあり、「普通自動車第一種運転免許」を取得している場合には保有資格として忘れずに記載しましょう。

MRに求められる能力

MRには医師や薬剤師、卸会社関係者などと良い関係を築くために、高いコミュニケーションスキルや人間関係構築力が求められます。つまり、人と関わることが好きな人や、明るさや信頼関係を保てる誠実さといった人間的魅力のある人に適性があります。個人営業や法人営業といった営業職の経験があれば、担当した業務内容や実績を詳しく記載してコミュニケーションスキルのレベルを示しましょう。

MRに転職するには、医学部や薬学部出身であるか、それ以外では複数年の営業経験が必須と言われます。そうした条件を満たさない場合でも、何らかの医療や医薬品に関する専門的な知識を保有していることが望ましいため、看護師など医療系職種の経験者は全くの未経験者より有利になる可能性があります。MRはオンコロジー（抗がん剤）なのか再生医療なのかなど、どの領域を担当するかによって必要な知識が異なるため、活躍したい分野の知識をアピールしても良いかもしれません。

MRは、営業先の医師等が立場的に明らかに上位であることを感じながらの営業活動になることが多く、思った通りに進まない、相手のスケジュールに振り回されるといった場面が多くあることも考えられます。そうしたことへの耐性つまり精神的なタフさや、医療分野で人々に貢献しているというモチベーションを高く保ち続けることが必要でしょう。

MRの職務経歴書サンプル

この職務経歴書はMRを経験している30歳 男性を例にした書き方サンプルになります。

職務経歴 概略

職務経歴

■20XX年 X月～現在
株式会社〇〇製薬　営業本部
【事業内容：医薬品の研究・製造・販売／資本金：○億円／売上高：△億円／従業員：×名】

得意分野

■医師との信頼関係構築
医師との信頼関係構築につながるよう、担当領域での最新知見を求めて英語での情報収集も行い届けています。また、患者様に対して自社製品の適応がない場合には、他社製品を紹介することもあります。医師の先にいる患者様への貢献を優先する行動を心がけており、そのことが医師からの大きな信頼を得ることにつながって結果的に毎年の売上目標達成へと結びついていると考えています。

■セミナー、勉強会、シンポジウムなどの企画・運営
自社製品の情報を伝えるセミナーだけではなく、同じ専門の医師同士が集まる勉強会を企画、発足させました。現在では、医師たちから開催してほしいテーマを提示されるなど、回を重ねるごとに意見交換の場として浸透、貢献できていると自負しております。そこから派生して、20××年度にはドクター250人に参加いただけた「〇〇〇に関するシンポジウム」を企画・運営し、成功させました。

■オンコロジー領域での専門性
現在まで抗がん剤（A剤、B剤、C剤）を専門に担当してきました。この領域では自社、他社製品だけではなく、最新の知見の情報収集にも努めており、この領域での専門性は医師の信頼を得るに値していると考えています。

保有資格

自己PR

私は、主に地域の基幹医院から中小医院、個人開業医に対して抗がん剤（A剤、B剤、C剤）を扱うMRとして7年従事しております。訪問先では忙しい医師の要望に寄り添うべく、自社製品だけではなく他社製品や英語での最新知見の情報など、求められる情報と先回りでの情報をあわせてお届けすることを心がけております。また、小さなことですが必ず前もって訪問の目的を伝えることで医師に耳を傾けてもらえるようにする工夫も行っております。
さらに地域の専門医の方々の活発な意見交換に貢献するべく、勉強会を発足させ継続して運営しています。また、大きなシンポジウムも企画し、担当エリア内の医療関係者が最新の医療情報を得られる機会も作り出しています。こうした企画や運営のノウハウも自分の強みの一つです。今後はこれまでの経験を活かして、日本市場へ進出した貴社の市場開拓に貢献してまいります。ゆくゆくは語学力と専門性を活かし、本社海外事業部での活躍を希望しております。

職務経歴書のセルフチェック方法

完成度を高めるために、内容を再確認することが重要です。
以下を参考にして、職務経歴書をブラッシュアップしましょう。

職務経歴書のチェック項目

職歴を「5W1H」・数字で明確に伝えられていますか？

• いつ（西暦表記、在籍期間）
• どこで（在籍企業・所属部署・常駐先）
• 誰に対して（顧客、社外担当者、社内関係者）
• 何を（業務内容）
• どのような目的で（業務のゴール・背景・意義）
• どんな立場で（役職・役割、責任の範囲）
• どれくらい（担当医療機関の数、訪問件数、売上など）

自己PRになる情報を盛り込めていますか？

• 成果・実績（売上金額、売上達成率、マネジメント実績、社内評価など）
• 得意分野（担当領域、人脈構築力など）
• 資格（普通自動車第一種運転免許、TOEICなど）
• 保有スキル（コミュニケーションスキル、情報収集力など）
• PCスキル（Word、Excel、PowerPointなど）

情報が正確に伝わる内容に仕上がっていますか？

• ビジネス文書（名詞・体言止め）
• レイアウト（記号・改行・表で見やすく）
• 具体性（5W1H・数値・専門用語）
• PRポイント（得意分野・業務内容・スキル・資格）
• 適性（求める人物像に合致した内容・書き方）
• マネジメント（人数・成果）

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