Vol.280

さくらインターネット田中氏とKaizen Platform渡部氏が語る「エンジニア職と非エンジニア職のちょうど良い関係」の築き方【キャリアごはんVol.6レポ】

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2017年2月21日、第6回目となる『キャリアごはん』が開催された。この日のテーマは「エンジニア職と非エンジニア職の良い関係を探る」。

ゲストとして登壇したのは、さくらインターネットの代表でありCEOの田中邦裕氏と、Kaizen PlatformのCTOを務める渡部拓也氏。エンジニアからキャリアをスタートし、職種の壁を越えて厚い信頼を集めている2人に、エンジニア職と非エンジニア職の理想的なコミュニケーションについて話を聞いた。

(左から)Kaizen Platform/渡部拓也氏、さくらインターネット/田中邦裕氏

(写真左から)Kaizen Platformの渡部拓也氏、さくらインターネットの田中邦裕氏

さくらインターネット 代表取締役社長/CEO 田中邦裕(たなか・くにひろ)氏大阪府生まれ。1996年、国立舞鶴高等専門学校在学中にさくらインターネットを創業し、レンタルサーバー事業を開始。舞鶴高専卒業後の98年、有限会社インフォレスト設立。翌年、さくらインターネット株式会社を設立、代表取締役社長に就任。2015年に東証一部へ上場

Kaizen Platform/CTO 渡部拓也(わたべ・たくや)氏2004年、一橋大学 商学部卒業。同年NTTコミュニケーションズに入社、その後、グラファイトやニフティなどでエンジニアとして活躍。10年にグリーにてNative Game事業本部で開発と事業の責任者を務める。14年スマートニュースで広告プロダクトマネージャを務め、16年10月にKaizen Platform, Inc.参画、CTOに就任

エンジニアと非エンジニアの間に立ちはだかる壁の正体

「エンジニアの言っていることは専門的で非エンジニア職には理解できない」「ビジネスサイドは開発工程を無視した無理なスケジュールを求めてくる」など、IT業界ではエンジニア職とそうでない人たちとの間で、コミュニケーションにおいて少なからず隔たりがあるというのはよく言われることだ。しかし、この日登壇した田中氏と渡部氏が在籍する企業では、そういった壁はほとんどないという。そもそもエンジニア職と非エンジニア職の間に境界線を引いているのは一体何なのだろうか?

2人はまず隔たりの原因を「ゴールの不一致」だと分析する。その共通の「ゴール」がないままだと、エンジニアと非エンジニアの間でさまざまな衝突が起きるという。

「例えばサイト1つ作るにしても、エンジニアは納期に間に合わせることを目標としている。その一方で、デザイナーはいつまでも色にこだわっていて制作が進まなかったりする。職種によってフォーカスする部分が異なっているんですよ」(田中氏)

「他にも営業職とエンジニア職でぶつかることも多い。売上が上がらないことをプロダクトのせいにするとか、企画の段階で非エンジニアが想定していたものと、実際に完成したプロダクトの仕様が食い違うとか。お互いにいがみあっているわけではないんですけどね」(渡部氏)

「ゴールの不一致」から起こるさまざまな課題が多い中、具体的にはどのようなコミュニケーションを取れば、円滑にチームを運営していくことができるのだろうか。

「なぜやりたいのか」を聞くことがゴールへの最短ルート

Kaizen Platform 渡部氏

「コミュニケーションがうまくいかない場合、相手には自分には見えない何かしらの制約条件があるということを想像するだけでいい。それを想像したうえで、お互いのためにはどういうゴールが必要で、どういったステップが必要かを認識できていれば協力しあえるはず」(渡部氏)

「自分の思考が自分の職種の中での常識に偏りがちだということを自覚したうえで、会社として進むべき方向を意識するだけでいいのかなと思うんです」(田中氏)

お互いの立場を理解し合うためには、日々の業務で培った信頼関係が大事になってくると2人は語る。また、田中氏によれば、伝えたつもりになって完結するのではなく、文脈や背景を粘り強く伝えることで、コミュニケーションに変化が現れてくるという。

「例えば営業からあるページに削除ボタンを追加したいっていう相談を受けたとして、そのままの意味で受け取れば、エンジニアは言われた通りに削除ボタンを追加すると思うんです。でも、『なんのために?』という視点を入れるだけで行動が変わってくる。もし仮にその削除ボタンがデータを初期化するものだったとしたら『削除を押したあとにYes/Noの確認画面も追加した方がいいのでは?』などアドバイスできると思うんです」(田中氏)

また、渡部氏によるとお互いのゴールが一致することで、同じチームとしての連帯感も生まれるという。

「なぜやるの?どういうゴールがあるの?それは会社にとってどれだけハッピーなことなの? ということをチームで共有できれば、チームが一丸となって達成に向かっていくのが楽しくなるんですよ。 僕もその楽しみを味わいたくて仕事をしているようなものですからね」(渡部氏)

コミュニケーションツールひとつでエンジニアと非エンジニアの繋がりは強くなる

両社ともコミュニケーションを取りやすくするための施策を行っている。その一環として、エンジニアのコミュニケーションツールとして知られるSlackやQiitaを、エンジニアと非エンジニアの間でのコミュニケーションに導入しているという。一体どのようなメリットがあるのだろうか。

田中氏はまず、コミュニケーションツールを導入するうえでの課題とその解決策を、自社での体験談を交えて語る。

「エンジニアは当然のようにSlackを使いこなせるんですけど、非エンジニア職の人たちで最初から使いこなせる人はまれ。かといって、使い方に悩むたびにエンジニアが席まで教えに行くと、やっぱり工数がかかってしまう。そういう課題を解決するために、当社では導入したらすぐにエンジニアが非エンジニアのところに行って、一通り使い方を説明するようにしているんです」(田中氏)

ツールを導入することでコミュニケーションが簡単になる一方で、「ありがとう」などの挨拶が失われがちだと田中氏は続ける。その課題を解決するために、さくらインターネットではSlack上に『サンクスチャネル』という独自のチャネルを作ったという。

さくらインターネット 田中氏

「コミュニケーションツールを使うと感謝の言葉がなくなりがちなので、さくらではあえて感謝の言葉だけを流すチャネルを作っているんですよ。見ているとちょっと幸せな気持ちになれるんです(笑)」(田中氏)

一方、Kaizen Platformではコミュニケーションを導入しながら、「ありがとう」などの言葉は直接言うように心掛けているという。

「コミュニケーションが簡易になる分、そういった一言を直接伝えることが重要なんです」(渡部氏)

最後に、改めてエンジニアと非エンジニアが円滑なコミュニケーションを取るのに必要なことを聞いた。

「お互いに感謝することと、自ら相手を理解しようとすること。それだけで異職種間でのやりとりも絶対楽しくなりますよ」(渡部氏)

「視点をより大きく、より長く持つこと。それによってお互いにどこにフォーカスしたいのかが見えてくる」(田中氏)

エンジニアと非エンジニアのコミュニケーションに悩んでいる読者は2人の言葉を是非参考にしてみてはいかがだろうか?

取材・文/羽田智行 撮影/大室倫子(ともに編集部)

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