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メンバーのモチベが低い時はどうしたら? マネジャーがぶつかる壁に戸倉彩・あらたま・ばんくしが回答【聴くエンジニアtype Vol.28】

働き方

エンジニアtypeが運営する音声コンテンツ『聴くエンジニアtype』の内容を書き起こし! エンジニア読者が抱える仕事やキャリアのお悩みに、注目企業のCTOやさまざまな領域の第一線で活躍する技術者が回答します
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プロジェクトを成功させるため、マネジャーが担う仕事の一つがメンバーマネジメントだ。メンバーがモチベーション高く働けるようにと、試行錯誤しているマネジャーも多いのでは?

今回はメンバーのモチベーションの低さに悩むマネジャーからの相談に、戸倉彩さんとCake.jpの新多真琴(あらたま)さん、そしてばんくしさんが回答していく。

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【MC】
M3, inc. VPoE
河合俊典(ばんくし)さん(@vaaaaanquish

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【Speaker】
日本アイ・ビー・エム株式会社 カスタマーサクセス部長
戸倉 彩さん(@ayatokura

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【Speaker】
Cake.jp CTO
新多真琴(あらたま)さん(@ar_tama

【今回の相談】

現在マネジャーポジションに就いていますが、メンバーが新しい仕事に対して消極的で悩んでいます。エンジニアとしての経験値を上げるためにいろいろな経験を積んでほしいと思っているのですが、どうすればモチベーションを上げてもらえるでしょうか?

相手のモチベーションのトリガーを探り、メンバーに合ったサポートを

河合:前回は「新しい仕事に挑戦すべきか」というメンバー視点の相談でしたが、対照的ですね。

あらたま:この相談、お二方とも「分かる~!」って感じですか?

河合:あるあるな気がしますね。

戸倉:私も相談者さんの気持ちはよく分かります。マネジャーはメンバーの成長を後押しする存在だと思うのですが、全員が足並みを揃えて「やりたい!」となるわけではないですよね。

河合:あらたまさんは、モチベーションが低いメンバーがいたらどう思いますか?

あらたま:前提として、自分にとって快適なエリア、つまりコンフォートゾーンを抜けることって怖いですよね。私はその力学がバグっているので「なんで挑戦しないの?」と思ってしまうこともあるんですけど(笑)

ただ、メンバーが何を理由に消極的になっているのかによってアプローチの仕方が変わると思います。

例えば、過去にチャレンジしたことでその時の上司に「なんでこんなことをしたんだ」と怒られた経験があるのかもしれない。もしくは、「今これができているんだからそれで良くない?」と仕事の幅を広げていくことに興味を持っていないのかも。今やっている業務でいっぱいいっぱいで「もっと頑張れよ」と言われても無理なのかもしれませんね。

そこを丁寧に解きほぐして、その人に合った踏み出し方を一緒に探せたらいいのかなと思います。

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河合:新しいことに挑戦する時、内発的な動機がかなり大事ですよね。

そして、外発的な動機についてももちろん大事。例えばメンバーが「新しいことにチャレンジしてもあまり評価してもらえない」と思っていたり、マネジャーがモチベーションが上がらない伝え方をしていたり。

ただ、モチベーションを上げるのって難しいんですよね。モチベーションってふとしたことから生まれてくるものだし、人によって多様ですから。

ちなみに私は「Twitterを見て面白そうだから」というような理由で何でもやります。人それぞれトリガーみたいなものがありますよね。

あらたま:そのトリガーをメンバーと一緒に知りにいくのも大事ですよね。

河合:「若手全員こうだ」と思い込まずに、モチベーションの源泉は個人個人にあると理解することが大切だと思います。

お二方の場合、どういうところでモチベーションが上がりますか?

戸倉:私は「燃えるポイントがあるか」でモチベーションが変わってきますね。

河合:「面白そうだから挑戦したい」と燃えることもあれば、劣等感から生まれることも、「ここに熱が集まっているから」という外的要因があることも考えられそうですね。

戸倉:私の燃えポイントの原点になっているのは「このままじゃやばい」という危機感なんです。IT業界に長くいるからこそ、新しいことをやっていかないと技術の方がどんどん進化していってしまう。また、「いろいろなものを取り入れながら前進していく『理想の自分』に逆行したくない」という危機感もありますね。

あと私は自分が大好きなので、「新しい自分に出会える」というのもポイントなんです。新しい挑戦が上手くいけばやりがいを感じますし、もし上手くいかなくても「頑張ってる私、すごいじゃん」って思える。ずっと同じ仕事をしていたらそういう感情と向き合うことも無いですから。

エンジニア人生は長いので、変化を楽しむことを若いエンジニアさんたちに伝えることが大事だと思います。

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戸倉:マネジャーさんの経験でも良いから新しいことにチャレンジすることの面白さや「これをやったらどうなるのか」という話をしてみるのも良いし、新しい仕事に積極的な人とそうじゃ無い人を集めて会話をしてもらうのも良いかもしれない。工夫できることはいろいろありそうです。

河合:たしかに、会話の中で「あ、これ燃えるな」と自分のトリガーが見つかったりしますよね。あらたまさんのトリガーは何ですか?

あらたま:個人的なトリガーとしては「わくわくするか」ですね。

せっかく組織という形で人が集まっているので「1+1=2」の世界観ってもったいない。なのでメンバーには「1+1を10とか100にするために、こんなことをやってもらうとあなたが見る景色もこう素敵なものになるし、私もこういうところに行けてすごくハッピー」というコミュニケーションの取り方をするようにしています。

先ほど戸倉さんが「危機感」って仰っていましたが、私も危機感や怒りがガソリンになることがあります。「この人がこんなところで埋もれて良いはずがない」「私たちのチームだったらもっと遠くまで行けるはず」とか。

そこを解消するために、たくさんインプットして、一番レバレッジが効くポイントを探して、テコを入れて、それでも動かなかったらそこから学びを得て、じゃあ次……というのを繰り返している感じがします。

河合:トリガーにはプラスな感情もあるし、マイナスな感情もありますよね。

私の場合は「共感」をすごく大事にしています。VPoEという立場としては、採用やマネジメントの場面で「多くの人の多様性を排除せずにみんなでわいわいできるか」という部分になるべく力を注いでいますね。

私たち3人のトリガーを見てもニュアンスが違う部分があるので、きっとこの相談者さんのメンバーたちもそれぞれ微妙に違うんだろうなと感じました。

あらたま:ただ、メンバーの方がここまで言語化できるかという問題もありますよね。「うまく言葉にできないけどなんとなくヤダ」という場合もあるじゃないですか。だからその気持ちを言葉という形ですくいあげるために、誰かのサポートも必要だと思います。

河合:だからこそ1on1があるんだなとマネジャーになってから思いますね。

なので、マネジャーの生きる道としては、それぞれのメンバーのトリガーを見つけていく必要がありそうです。

次回はエンジニア採用に悩むEMの方からのお悩みに回答していきます。お楽しみに!

文/赤池沙希

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