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大前提は「いい人」であること!? ZOZOテクロノジーズVPoEが明かした「今、一緒に働きたい」エンジニアの条件

働き方

    Tech企業のエンジニア採用においては、“技術力の高さ”が重要視されるものだと多くの人は考えるのではないだろうか。しかし、『ZOZOTOWN』の技術領域を支える株式会社ZOZOテクノロジーズでは、「マインド重視」の採用に力を入れているという。以前同社では、博士・研究員、エンジニア、デザイナー、アナリストの4職種で、最高年収1億円の「天才募集」を行っていたことでも知られる。

    優秀なエンジニア獲得のために数々の施策を実施してきたZOZOテクノロジーズだが、同社の採用は共通して「いい人であること」が大前提だという。その意図とは?

    2018年10月27日(土)に行われた『@typeエンジニア転職フェア』のセミナーに登壇した同社執行役員の今村雅幸さんに、話を聞いた。

    株式会社ZOZOテクノロジーズ 執行役員 VPoE 今村雅幸さん

    ZOZOテクノロジーズ
    執行役員 VPoE 今村雅幸さん

    株式会社ヤフーにエンジニアとして新卒入社後、『Yahoo! FASHION』や『X BRAND』などの新規サービス開発やレコメンデーションの特許などを取得。2009年に独立し取締役CTOとしてVASILYを創業。17年にVASILYを現・株式会社ZOZO(旧・スタートトゥデイ)へ売却後、現・株式会社ZOZOテクノロジーズ(旧・スタートトゥデイテクノロジーズ)発足と同時に同社執行役員に就任

    70億人のファッションの問題をビックデータ×AIで解決する

    「70億人のファッションを技術の力で変えていく」を、事業理念に掲げているZOZOテクノロジーズ。全世界で、一人一人にフィットする服を供給するべく、新しい技術の導入を進める。その中で最も注力しているのが、ビックデータとAIの活用だという。

    「当社には、ファッション通販サイト『ZOZOTOWN』やファッションコーディネートアプリ『WEAR』で集めた、商品データやユーザーの購買履歴、採寸用ボディースーツ『ZOZOSUIT』で取得する、世界中の人々の体型データが存在します。これらは、GoogleやFacebookでさえ持っていない、唯一無二のビッグデータです」(今村さん)

    個人の体型や好み、購買履歴などのデータをAIで解析し、服の「買い方」「選び方」「作り方」に革命を起こしたいという。

    「ユーザーの購買履歴や体型データを機械が学習することによって、一人一人に合ったサイズや好みを分析します。その分析結果をもとに、個人に合った洋服のデザインや服の型紙(パターン)も自動生成することが可能になる。将来的にはAIを使ったパーソナライズの精度を上げていくことで、『ZOZOTOWN』はより使いやすく、便利になっていくと思います」(今村さん)

    エンジニアの成長に欠かせないのは、“アップデートマインド”

    株式会社ZOZOテクノロジーズ 執行役員 VPoE 今村雅幸さん

    企業が新しい技術領域を開拓していこうとするとき、そこで必要とされるのは高いスキルを持ったエンジニアの存在だろう。しかし、今村さんは「決して技術力だけを重要視しているわけではない」と採用時の条件を明かす。

    ZOZOテクノロジーズには志の高いエンジニアが大勢いますが、僕らは今『技術力に長けた人』だけを採用したいとは思っていません。実際、一番重視するのは『いい人』かどうかというところなんです」(今村さん)

    いい人を集め、育てる。Tech企業の採用で重視されるポイントが「いい人」というのは、意外かもしれない。だが、それには確固たる理由があると今村さんは続ける。

    「当社のエンジニアリング組織には、『競争』ではなく『協調』を重んじるカルチャーがあります。多様な人材を集めて1つのサービスを作っていく上では、仲間のアイデアを実現させるために協力し、お互いの価値観を認め、支え合う精神を持っているエンジニアこそが大事なんです」(今村さん)

    そのカルチャーを象徴しているのが、株式会社ZOZO代表取締役社長・前澤友作さんが2018年10月19日に“突然”ツイートした「ZOZOTech質問会」だと今村さんは振り返る。

    同社では、前澤さんのツイートをきっかけに、エンジニア採用に関するQ&A対応をTwitter上で行った。

    「『ZOZOTech質問会 』は、前澤がTwitter上でいきなり始めたものなので、私達も驚きました(笑)。でも、前澤の行動以上に驚いたのが、当社の社員がQ&Aに自主的に対応していたことだったんです」(今村さん)

    前澤さんのツイートには1日で大量 の質問が寄せられたという。これらの質問に、経営陣だけで回答するのは到底不可能なことだったが、誰に言われるわけでもなく、同社の社員が自ら回答を寄せていったそうだ。

    「普通はQ&A対応なんて面倒だし、やらないと思うんです。でも、ZOZOテクノロジーズのエンジニアは、率先してそういうことまでやってしまう。結局、いい人たちなんです(笑)。それが強いチームづくりには欠かせないし、当社の強みになっています」(今村さん)

    また同社では、マネジメントにおいても“いい人”を育てることを意識しているという。

    「ZOZOでは、『HRTの法則』に基づき、HRT『謙虚(Humility)・尊敬(Respect)・信頼(Trust)』の価値観を大切にしています。人との繋がりや信頼関係を大事にすること、それがZOZOマインドであり、プロジェクトを成功に導く要となるわけです」(今村さん)

    加えて今村さんが採用で重視するのは、今後、飛躍的に成長してくれるエンジニアかどうかという点だ。では、その可能性をどのように見極めているのか。

    「世界を変えるような技術を生み出すエンジニアには、ある共通する“マインド”があるんです。それは、手癖で仕事をしない人。経験のある技術で解決できたらラッキーだと思わない人です。自分が今すでに持っている知識だけで仕事をこなせれば、時間もかからないし、確かに楽だと思います。でも、技術や自分のスキルは、アップデートし続けることが何より大事。今持っている技術では解決できないような課題が出てきたときに、嫌がらず、むしろワクワクできる人は、絶対に成長すると思いますね」(今村さん)

    技術革新が目覚ましい現代だからこそ、エンジニアには学び続ける姿勢が問われる。それを嫌々やるのか、楽しみながらやるのかで、その後の成長に圧倒的な差が出ると今村さんは考えている。

    株式会社ZOZOテクノロジーズ 執行役員 VPoE 今村雅幸さん

    「これからZOZOが本格的に世界へ乗り出していくためには、エンジニアの数がまだまだ足りません。ファッション革命という未知の領域に挑みたい人、ZOZOマインドに賛同してくれる人、一人でも多くのエンジニアにお会いしたいですね」(今村さん)

    技術にはトレンドがあるからこそ、今どんなに高いスキルを持っていても、そこで止まってしまえば後退していくだけだ。この先もエンジニアとして長く活躍し、成長していきたいと願うのであれば、自分の知識やスキルをアップデートし続けていくことを忘れてはならない。そして、“いい人”であれ。それが、自分自身の市場価値を高めることにつながっていく。

    >>ZOZOテクロノジーズの採用情報はこちら

    取材・文/君和田 郁弥(編集部)

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