Techトレンド Vol.856

大規模な広告展開なしでDL数4300万突破!スマホゲーム『にゃんこ大戦争』がリリースから6年でファンを急拡大できたワケ

スマホゲーム市場は、人気アプリが常に入れ替わる競争の激しい世界だ。一度大ヒットを飛ばしたゲームであってもユーザーにすぐ飽きられてしまい、あっという間に『App Store』や『Google Play』のランキングから姿を消すケースも少なくない。

そんな中、2012年のリリースから6年連続でユーザー数を伸ばし続けているのが、『にゃんこ大戦争』だ。全世界での累計DL数は4,300万以上(2019年4月現在)にのぼり、熱狂的なファンも多い。テレビCMなど目立った広告も見掛けないこのゲームは、なぜ激戦が続くスマホゲーム市場でファンを増やし続けることができているのだろうか。

ポノス株式会社で、『にゃんこ大戦争』の開発を担当するエンジニアの増田功祐さんに話を聞いた。

ポノス株式会社
増田功祐さん
専門学校でプログラミング技術を学び、2012年、新卒でポノス株式会社に入社。複数のアプリ開発に携わり、14年より、『にゃんこ大戦争』(公式Twitter)開発チームに参画。英語版の開発に携わった後、現在は『にゃんこ大戦争』のエンジニアとして活躍中

「隣の席の人を笑わせたい」
デザイナーの遊び心がヒットコンテンツを生むきっかけに

スマホ向けタワーディフェンスゲームの草分け的存在とも言える『にゃんこ大戦争』。ユーザーはキモかわいいにゃんこ軍団を育成しながら、全国征服を進めていくことになる。

キモかわにゃんこが大群を率いて日本を侵略するタワーディフェンスゲーム

そもそも、この『にゃんこ大戦争』の誕生のきっかけは、ポノスで働くデザイナーのちょっとした遊び心だった。

「当社のデザイナーの一人が、隣の席に座っているデザイナーを笑わせたくて、毎日ゆるいイラストを描いては見せていたそうなんです。その中で、グラフィッカーが一番笑ってくれたのが、『にゃんこ大戦争』に登場するキモかわいい猫のキャラクター。『このビジュアルにゲーム性を持たせれば、きっとユーザーに愛されるキャラクターになるはず』と、すぐにプロジェクトがスタートしました」

狙いは的中。2012年の日本版リリース以降、韓国版、US版、台湾版のリリースも続き、世界中でじわじわとファン層が広がっていった。日本国内ではグッズ販売や、少年誌での漫画連載なども好調で、キャラクターそのものの人気ぶりも伺われる。

「僕らはこれまで大きなプロモーションには頼らず、クチコミを大事にしてサービスを育ててきました。リリース当初は、国内外のアプリレビューサイトを調べ上げ、メールを送るというプロモーションを地道に行っていたことも。その結果、攻略方法を話し合うサイトができたり、自然とユーザー同士の交流が生まれたりして、サービスが成長していったように思います」

シンプルで分かりやすいUI/UXを極限まで突き詰める

しかし、キャラクターの魅力だけが『にゃんこ大戦争』の強みではない。増田さんは、開発チームが「UI/UXのシンプルさを極限まで突き詰めていることも、このゲームが長く愛されている理由なのではないか」と話す。

「誰でも簡単に使えることや、 直感的でストレスのないUI/UXを作ることは開発上特に重要視しているところです。例えば、『にゃんこ大戦争』の画面には、ステータス表示がありません。それは、にゃんこのビジュアルを十分に楽しんでもらえるよう、UI/UXをシンプルにしているから。開発終盤まではステータス表示を出そうと思っていたのですが、『シンプルで分かりやすい』を極めるためにはステータス表示がない方がいいのではないかという意見が社内で出て、急遽削除することにしたんです。結果的に、これがスマホゲーム未経験の層にもウケて、『気軽に遊べる』などの良い反響をいただくことができました」

シンプルで分かりやすいUI/UXを突き詰めるためには、CS(カスタマーサービス)との連携も欠かせないと増田さんは続ける。

「僕らが考える『シンプルで分かりやすい』という感覚と、ユーザーさんの感覚がズレていないかを定期的に確認できるようにするために、CSとエンジニアが頻繁にコミュニケーションを取るようにしています」

コミュニケーションの方法は、チャットでの気軽な会話から、対面での打ち合わせまでさまざま。エンジニアとCSでの会議は隔週ペースで開催されているという。ユーザーの声をエンジニアがキャッチアップし、スピーディーに開発に生かせる体制があるのは、『にゃんこ大戦争』の大きな強みだと言えるだろう。

「ユーザーさんからポジティブな反応を頂けたときは、とても嬉しいですね。『これからも期待にしっかり応え続けていきたい』と身の引き締まる思いです。『シンプルで分かりやすい』という開発の軸はぶらさずに、この先10年、20年とユーザーさんに楽しみを提供できるサービスへと『にゃんこ大戦争』を育てていきたいと思います」

取材・文/上野 真理子 撮影/君和田 郁弥(編集部)

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