Techトレンド Vol.917

【2019年最新データ】中国モバイル決済市場状況

中国新4大発明の1つと呼ばれるモバイル決済は中国人の生活に浸透し、公共交通機関やデリバリーサービス、コンビニなどあらゆるシーンに登場するようになった。アリペイを利用したネットショッピングやWeChat Payを利用した飲食店での会計などは日常となり、特に都市部では現金が希少な存在になりつつある。

そんな中、中国のリサーチ会社iiMedia Researchは先日、2019年Q1までの中国モバイル決済市場の最新分析データを発表。今回はこのデータから特に注目すべき部分をピックアップし、日本語でチェックできるようまとめた。

世界経済大国のモバイル決済利用状況

2017年世界5カ国の消費総額に占めるモバイル決済の割合(左から順に:中国、イギリス、ドイツ、アメリカ、日本)
2017年世界5カ国の消費総額に占めるモバイル決済の割合(左から順に:中国、イギリス、ドイツ、アメリカ、日本)

中国では消費全体の65%をモバイル決済による消費が占めており、圧倒的な数字で世界首位に立っている。イギリス(23%)、ドイツ(20%)、アメリカ(20%)は中国に続く規模のモバイル決済市場を保有しているが、日本は僅か3%とモバイル決済の普及は比較的遅れている。

中国の圧倒的なモバイル決済の普及率については、当局による支援政策や各プラットフォームに対するセキュリティー対策の監督強化などの政治的要素や、モバイルインターネットの普及とそれによるキャッシュレス社会への抵抗感の薄さなどの社会的背景が、その成長を支えている。

中国モバイル決済取引規模とユーザー規模

直近5年間の中国モバイル決済取引規模(2014年~2019年Q1)
直近5年間の中国モバイル決済取引規模(2014年~2019年Q1)

中国モバイル決済の取引規模は年々成長し続けている。2018年の年間取引規模は277.4兆元(約4383.5兆円)と2017年より136.7%増加し、さらに2019年はQ1の時点ですでに83.9兆元(約1325.8兆円)に達している。アリペイやWeChat Payなどの各モバイル決算サービスの使用シーン拡大に伴い、取引回数および全体の取引規模は急速に成長している。

2016年〜2020年の中国モバイル決済ユーザー規模と成長予想
2016年〜2020年の中国モバイル決済ユーザー規模と成長予想

2018年の中国モバイル決済ユーザーは6.59億人で、2019年には7億人を突破すると予想されている。アリペイなど代表的プラットフォームの更なるサービス強化によるユーザー増加が期待されるだけでなく、将来的には国有の支払い機関も決済事業へ注力し、より多くの国民をカバーするようになるのではとiiMedia Researchは分析する。

アリババ陣営VSテンセント陣営

アリババ系とテンセント系に分けて見るモバイル決済サービスの市場シェア
アリババ系とテンセント系に分けて見るモバイル決済サービスの市場シェア

2019年Q1のモバイル決済市場においてはアリババとテンセントが全体の93.2%を占める。アリババ系決済ツールのアリペイは48.3%のシェアを持ち、テンセント系のWeChat PayとQQ銭包を合わせた44.9%のシェアより少し優位に立っている。

オンラインとオフラインのモバイル決済利用状況
オンラインとオフラインのモバイル決済利用状況

ネットユーザー調査によると、オンライン(ネットショッピングなど)ではアリペイを使用したいという割合が全体の60.8%を占める。一方、オフライン(飲食店内や駅構内など現場での支払い)では、65.6% のユーザーがWeChat Payを使用する意向を示した。大手ECサイト・タオバオを持つアリババ系のアリペイがオンラインを得意のフィールドとし、国民的SNSアプリ・WeChat内に設計されたWeChat Payが日常生活と密接な関係を保ち、食事や交通など幅広い日常シーンでの利用が多いのは自然な結果だろう。

また、少額の消費ではWeChat Payを利用する場合が多く、アリペイは比較的大きな金額を扱う際に用いられる傾向にある。さらに、一般には1・2線都市(中心地)ではアリペイが人気で、3・4線都市(地方)ではWeChat Payのほうが人気があるとの調査結果も出ている。

モバイル決済は高い利便性を持つと同時に、セキュリティ面の問題も大きい。先日、中国・重慶市のスーパーでは実際に事件が起きた。レジに並んでいた顧客が支払いの準備をしようとスマホの支払い画面(QRコード)を表示したところ、犯人に後ろから決済QRコードをスキャンされ、お金を盗まれたという。このようなトラブルは金銭の盗難に限らず、個人情報が盗まれる可能性なども考えられ、今後はモバイル決済におけるさらに安全な決算環境構築の需要が高まっていく。

※こちらの記事は、『チャイトピ!』コンテンツから一部抜粋して転載をしております。
>>元記事はこちら

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