エンジニア転職における技術面接とは? 種類や対策、ポイントを解説!
エンジニアの選考において、一般的な採用面接の他、多くの企業が実施している「技術面接」。転職を検討されている方は、技術面接の対策はできているでしょうか?
技術面接では、その名の通り技術的な質問や試験が行われます。面接当日に焦らず実力を発揮するには、事前に入念な準備をしておくことが重要です。
今回はエンジニア転職での技術面接の種類や対策、注意すべきポイントなどについて解説します。技術面接には具体的にどのような種類があるのか、面接官は何を知りたがっているのかをきちんと把握して、転職成功のための参考にしてください。
技術面接とは?
ITエンジニアの選考における技術面接とは、応募者の技術レベルを確認するための面接を指します。技術的な内容の質問をされたり、プログラミングなどの課題を出されたりするケースが一般的です。しかし企業によって技術面接の形式や内容は異なり、明確な定義は存在しないので注意しましょう。
一般的な採用面接と違い、技術面接は現場担当者が面接官となることが多いです。エンジニアとしてどのような経験があるのか、どのようなスキルや考え方を持っているかなど、技術的に踏み込んだ面接が行われます。
技術面接を行う理由
エンジニアの採用では、応募者の経験やスキルが最も重視されることが大半です。特に中途採用者に対しては即戦力となることを求めるため、企業が必要とするスキルを持っているかを確認しなければなりません。
しかし履歴書や職務経歴書、一般的な面接だけでは応募者のスキルを正確に測ることは困難です。そこでエンジニア採用の場合、多くの企業で技術面接が実施されます。技術面接により応募者のスキルを把握し、自社との相性を確認したうえで入社後に活躍できるかを詳細にイメージするためです。
企業によってニーズはさまざまですが、どの企業も自社に合ったスキルを持つ人材を採用したいと考えています。自分自身のスキルを伝える場である技術面接の対策はきちんとしておきましょう。
技術面接の種類
技術面接に決まった形式はなく、企業によってさまざまな形式で行われます。ここでは、よく行われる技術面接の種類について紹介します。
課題を解く形式
出題された課題を解く実践形式の試験です。設計や開発技術などの知識を問われたり、テーマが与えられて実際にコーディングを行ったりします。出題形式もさまざまですが、以下が一般的です。
・ペーパーテスト形式
・Webテスト形式
・ホワイトボードなどにコードを書く形式
ただ課題を解くだけでなく、回答に至るまでの考え方やアルゴリズムの説明を求められることもあります。細かいコードの正誤よりも、プログラミングをするときの考え方やコードの書き方などが重視される傾向にあることを覚えておきましょう。
インフラエンジニアの場合はプログラミングではなく、インフラ設計や構築、サービスに関する知識を問われることが多いでしょう。特定のシチュエーション下でのインシデントへの対応方法などを問われることもあります。
質問に回答する形式
面接官からの技術的な質問に回答する形式です。先述の課題の回答から質問される場合もあります。経験やスキル、成功経験、失敗経験、実務における考え方など、さまざまな角度から質問されます。以下は、質問パターンの一例です。
・最近携わったプロジェクトにおいて、苦労したこと・成功させるために貢献したことを教えてください
・今まで経験した技術的トラブルの内容と、その時にどのような対応をしたか教えてください
・〇〇のような状況で障害が発生したとします。どのように調査を進めて対処しますか?
・アジャイルソフトウエア開発についての説明と、あなたの考えを教えてください
・弊社のサービスについて改善すべきと思う点を教えてください
これらのような質問には、明確な答えがないことも。自分の経験や知識をもとに、冷静に考えを整理して回答しましょう。普段の業務ではどうしているか、自分だったらどのように考えて対処するか、自分の言葉で論理立てて説明することが重要です。
技術面接ではどこを見られている?
企業は技術面接において、応募者のどのような部分をチェックしているのでしょうか? 採用後に自社で活躍できる人材かどうか判断するために、主に以下のようなポイントを重視していることが想定されます。
スキルレベル
エンジニアとしてどのようなスキルを持っているのか、自社の求めるスキルに合う人材であるかは最も重視されるポイントの一つです。
具体的には、使用できるプログラミング言語やフレームワーク、ツール、アルゴリズムの理解などがチェックされます。ただし、高いスキルを持っていれば良いのかというとそうではありません。
その企業で現在使用されている技術とマッチするかどうかというポイントが大切です。可能であれば面接前に応募企業の開発環境について調べておくと良いでしょう。
過去の実績・ポートフォリオ
技術面接では、過去に開発したサービスや携わったプロジェクトについて問われる他、成果物をまとめたポートフォリオの提出を求められることも多いです。
企業は過去の実績を確認することで、応募者のスキルだけでなく強みや経験のあるポジション、業務に対する考え方を理解したいと考えています。募集ポジションとのミスマッチを減らせるほか、即戦力となる人物がどうかを判断する材料として役立つからです。そのため、過去の実績や経験を分かりやすく伝えることは重要です。
自社とのマッチ度
企業は採用した人になるべく長く働いてほしいと考えています。そのため社風や事業内容はもちろん、自社の開発チームにマッチする人であるかどうかを重視します。具体的には以下のようなポイントを見られることが多いです。
・現在のメンバーとの志向性のマッチ度(技術志向が強い、ビジネス志向が強いなど)
・アサインできるタスク、ポジションがあるか
・技術に対する考え(応募者のやりたいことと企業が求めることがマッチしているか)
企業によっては、エンジニアとしての具体的なキャリアプランを質問されることも。入社後のミスマッチは応募者にとってもマイナスなので、自分の考えや将来のビジョンを整理しておきましょう。
課題解決力
技術面接で応募者に課題を課すことにより、課題解決力を備えているかをチェックしています。ここで言う課題解決力とは、正しい解決方法を知っているかというよりも、課題を解決するためにどのようにアプローチするか、どのような考え方を持って業務に取り組んでいるかというポイントの方が重要です。
技術だけでなく、自発的に仕事に取り組む姿勢を持っているか、咄嗟の思考力や判断力などもチェックされています。そのため、たとえ出題された課題で明確な答えが導き出せない場合でも、自分の持つ知識やロジックをもとにあきらめずにアプローチする姿勢が大切です。
トラブルシューティングスキル
エンジニアの業務においてトラブルシューティングスキルは欠かせません。トラブルが起きたときにも冷静かつ臨機応変に対応できる人材が求められます。障害発生時の切り分けやデバッグの方法、復旧方法などについて質問されることもあるので、準備しておきましょう。
また実際のトラブル対応経験があれば、どのように復旧したのか、どのようなことを学んだのかなど具体的に説明できると説得力を持たせられます。
論理的思考力
物事を筋道立てて考える論理的思考力はエンジニアにとって重要です。企業は課題に対する応募者の回答を通して、論理的に考えてアプローチしているかをチェックしています。
たとえば未知のトラブルが発生した場合にも、論理的に考えれば解決に導ける可能性が高まります。幅広い分野に対応できるという柔軟性のアピールにもつながるでしょう。
技術面接の対策
技術面接は事前に対策をしておくことが重要です。では、具体的にどのような対策が有効なのでしょうか? 先に紹介した技術面接で見られるポイントを意識しながら、ぜひ以下の3つの対策に取り組んでみてください。
キャリア・スキルの棚卸しをする
まずは自分自身のキャリアとスキルの棚卸しを行いましょう。今まで経験した業務や成果物、参画したプロジェクトなどをなるべく具体的に書き出して整理するのがおすすめです。
自然と自分の強みや転職後の業務に生かせる点が見えてきて、軸を持って面接に臨めるでしょう。多くの技術面接で質問される成功経験や失敗経験、それによって学んだことなどのエピソードも思い返して整理しておくことで、当日も落ち着いて説明できます。
プログラミング問題を解く
課題への対策として、プログラミングの問題を解いてみて問題の形式に慣れておくこともおすすめです。
転職サイトやプログラミング学習サイトなどで、スキルチェックのためのプログラミング問題が公開されていることがあります。定番のアルゴリズムや開発の基礎知識などを改めて復習しておくことも効果的です。
自己分析を行う
改めて日常の業務を見直し、自分のできることとできないこと、これから身に付けていきたいことなどを明確化しておきましょう。
さらにエンジニアとしての考え方やポリシーを整理しておくことも大切です。日頃エンジニアとして働くうえで大切にしていることは何か、今後はどのような方向性を目指していきたいかといった自己分析をしておくことで、面接の場でも自信を持って相手に伝えることができます。
失敗しない技術面接のポイント
対策を十分に行っていても、面接の場では緊張してなかなか実力を発揮しにくいですよね。技術面接の一番の目的は、自分のスキルやエンジニアとしての考え方を面接官に正しく伝えることです。技術面接で失敗しないためには、以下のポイントに注意してみてください。
論理的に分かりやすく伝える
誰にでも分かりやすく、論理的に説明できているかという点を意識しましょう。具体的な数字やエピソードを用いて話すと、話を聞く相手もイメージしやすくなります。チームで作業をすることの多いエンジニアにとって、正確な情報共有ができるコミュニケーションスキルは重要です。
また、定型文ではなく自分の言葉で伝えることができれば、親しみやすさを感じてもらえたり、人間性に興味を持ってもらえたりするでしょう。
不明点は確認する
もし質問をされたときに分からない点がある場合、面接官に確認することは問題ありません。曖昧な理解のまま回答してしまうよりも、正直にどの部分が分からないのか説明し、追加で欲しい情報などがあれば質問しましょう。実務においても未知のトラブルや進め方が分からない作業に遭遇することはあります。
ただ「分かりません」と回答するだけでなく、どの部分が分からないのか説明し、解決のために情報を収集しようとする姿勢を示すことが大切です。
逆質問を用意しておく
技術面接は応募者側からも自分とマッチした企業であるか見極める場でもあります。ここだけは企業に確認しておきたい、という点は事前に考えて準備しておきましょう。
逆質問の時間は面接の終盤に取られることが多いので、面接を進める中で企業の技術への考え方や方向性など、疑問に思う点があれば積極的に質問してください。
また、入社への熱意を伝えられる場でもあります。一般的な面接と違い技術面接は現場担当者が面接官であることが多いため、応募企業の開発環境やチーム体制などについての具体的な質問をするのもおすすめです。新たな技術習得への意欲など前向きな姿勢をアピールできると、今後一緒に働いてみたいというポジティブな印象を持ってもらいやすいでしょう。
転職を成功させるために技術面接の準備をしよう
技術面接は企業が応募者のスキルを正確に把握し、自社とマッチしているかを確認する重要な機会です。自分自身のスキルやエンジニアとしての業務への取り組み方、考え方を正確に伝える必要があります。
技術面接を成功させるには、今回紹介したような事前の準備が大切です。スキルの棚卸しや自己分析、課題対策などをきちんと行うことで自信を持って面接に臨めるでしょう。企業とのミスマッチをなくし転職を成功させるために、技術面接のポイントを押さえて対策に取り組んでみてください。
文/江副杏菜
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