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Uターン転職、フルリモート、年収アップ…理想のキャリアを「選べる側のエンジニア」になるために重要なこと【連載:転職&キャリア相談室】

転職

~サカモト@エンジニアキャリア論が回答~

エンジニアのための「転職&キャリア」相談室

有名テック企業への転職、年収アップ、理想のキャリアを築くための方法は? エンジニアのための無料キャリア相談で人気の「サカモト@エンジニアキャリア論」さんが、エンジニアから実際に寄せられた相談内容をもとに、転職成功の秘訣や年収・キャリアアップに役立つ情報を紹介していきます!

こんにちは、サカモトです。

とある外資系企業でソフトウエアエンジニアとして働く傍ら、Twitternoteなどで、テック企業の面接情報、面接で聞かれる技術質問の解説、さまざまなエンジニアのキャリアストーリーなどを中心に情報発信活動しています。

連載第三回目となる今回の記事では、未経験からプログラミングスクールに通ってSESエンジニアとして就職したけれど、「5年後には地方に帰って働きたい」というエンジニアの方から寄せられた相談内容をピックアップします。

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サカモト@エンジニアキャリア論さん(@sakamoto_582

外資テック企業で働くソフトウエアエンジニア。エンジニアがテック企業トップに行くためのキャリア論をTwitterなどで発信中

<今回の相談>
「5年後に地元にUターンしたいけど、働き方はどうすればいい?」

以下のDMが、Cさんから送られてきました。

Cさん

5年後を目処に地元に帰りたいと考えています。

ただ、ざっと転職サイトなどで調べたところ、自分の地元にはWebアプリケーション開発ができる企業がありません。

そのため、Uターンした後にどう働いていくべきか迷っています。

Cさんは現在、Webアプリケーションエンジニアとして都内のSES企業で働いており、現年収は350万円程度、将来は年収800万円以上を目指したいと思っているそうです。

相談内容について詳しく話を聞いてみると、CさんはUターン後の働き方として、下記の4パターンを検討しているとのことでした。

【1】Webアプリケーション開発ができる(東京など都会に拠点を置く)企業に就職してフルリモートで働く

【2】フリーランスになって、(東京など都会に拠点を置く)企業からWebアプリケーション開発関連の仕事を請け負う

【3】地元のIT企業に就職し、Webアプリケーション開発は諦めてシステム開発などその他の仕事をする

【4】フリーランスになって、システム開発やWeb制作などIT関連の仕事を地元企業から請け負う

上記の選択肢を見て、皆さんはどう思いますか?

サカモトからは、Cさんに【1】か【2】を優先すべきなのではないかというアドバイスをさせていただきました。

というのも、例外はありますが、地方企業の場合はどうしても東京など都会に拠点を置く企業よりも平均年収は下がりがち。

Cさんの場合、将来「年収800万円以上」稼ぎたいという目標が明確だったので、それをかなえようと思うと、給与ベースの高い都会の企業で働くか、それらの企業から業務委託として仕事を請け負う方が現実的だと思いました。

フルリモートができる会社というと、ヤフーPayPayメルカリなどの企業が一例として挙げられます。

また、ソフトウエアエンジニアの給与情報を検索できる『OpenSalary』によると、ヤフーの年収中央値は647万円、PayPayは年収中央値950万円、メルカリに関しては年収中央値が1092万円にもなります(2023年6月8日時点)。

このような企業に就職するだけで目標の年収に到達できる可能性は大いにありますし、大手企業に限らずとも、コロナ禍以降はエンジニアがフルリモートで働ける会社はスタートアップ、ベンチャーなどで増えていますから、理想の働き方・年収を両方かなえる選択肢も多いと言えるでしょう。

サカモト@エンジニアキャリア論

また、フリーランスにおいても条件は同じです。やはり、都会に拠点を構えている企業のほうが案件あたりの単価が高く設定されていることが多く、地方のIT企業から仕事を請け負う場合と比較して、高年収を目指すことができます。

そして、CさんにはWebアプリケーション開発がしたいという希望もありますから、なるべく多くの希望がかなう選択肢を選んだ方が、納得感を持てると思いました。

ただ、出社回帰の傾向も……

では、先程挙げたような年収ベースが高いフルリモートができる会社に就職すれば、安心なのでしょうか。答えはそんなに単純なものではありません。

皆さんもニュース等で目にしているかもしれませんが、コロナ禍で一度はフルリモート制度を取り入れたけれど、最近では「出社回帰」に向かう企業も増えています

例えば、マネーフォワードでは原則週1出社となっていますし(2023年3月時点)、リモートワークと出社を組み合わせたハイブリットワークの導入に乗り出す企業が目立ちます。

つまり、どんな企業であっても未来永劫フルリモートで働ける保証はないのです。

今はフルリモート勤務を許可している会社でも、経営方針が変われば「出社してください」と言われてしまう可能性は十分あるので、そのリスクは理解しておくべきでしょう。

また、今の時代に限った話ではありませんが、会社の業績が悪化すれば、働き方の変更どころか、会社にいられなくなってしまうことも十分ありえます。

何か変化が起きたときに、「どこで働くか」「どうやって働くか」いつでも選べる側のエンジニアになるために、日頃から備えておきたいものです。

自分のキャリアを「選べる側」のエンジニアになろう

サカモト@エンジニアキャリア論

では、どうすれば「選べる側」のエンジニアになれるのか。

もちろん、テクニカルなスキルをしっかり持っていることは大事なのですが、今回クックパッドのレイオフが発表されて痛感したのは、エンジニアカルチャーで有名な企業で働いていた経験が、企業からスカウトをもらったり転職したりする上ではかなり有利に働くということです。

この件に関しては、Twitterでも「会社から退職勧奨を受けた」というエンジニアのツイートを数多く見かけました。

そのツイートに対して、さまざまな企業の経営者や人事・採用担当者たちが「会ってお話しませんか?」と反応していました(クックパッドで働いていたという情報くらいしかないにもかかわらず)。

それくらい、過去にどういう組織で働いていたのかという条件は、無視できないものなのだと思います。

クックパッドはRuby界隈では日本で最も有名な会社と言ってもよいでしょう。このような会社にいれば、優秀なエンジニアたちと一緒に働いてきたことは容易に想像できますから、それによって転職者にとっては一つのブランディングになるわけです。

実際にその人自身が優秀なエンジニアかどうかは面接を経て一緒に働いてみないと判断できませんが……まずは「目に留まる」ことができ、「優秀かもしれない」という期待をかけてもらえる。雇われるスタート地点に立ちやすくなることは確かです。

これはいわゆる「錯覚資産」と呼ばれるもの。

企業ブランディングを使うことに抵抗感があるエンジニアの方もいるかもしれませんが、キャリアにおいては非常に大事なので意識してみましょう。

サカモト@エンジニアキャリア論

将来、理想の仕事・働き方をかなえて「選べる側」になりたいなら……自分の技術力向上も狙える有名企業で一時的にでも働けると、転職時のアドバンテージになるはずです。

もちろん、そういう会社に入るためには努力が必要ですから、ひとまず面接を受けてみて、自分の今の力量と求められるスキルにどれくらいの差があるのかを知るようにして、足りない部分を今の会社の実務で実績を出しながら埋めていきましょう。

Cさんの話に戻ると、現在はSESで働いているということですが、5年後地元に戻る前に、「あの会社で働いていたんだね!」と言われるような有名企業で働く経験を増やしていけるとより豊富な選択肢を持てるようになると思います。

近い将来面接でアピールできるようなエンジニアリングネタ、開発ネタを増やすことを意識しながら働くと、現在の職場でも主体的に経験・実績を増やしていけるのではないでしょうか。

仮に、今の職場がレガシーな開発環境なら、少しでもモダンな環境にするために「自分で何ができるか」考えて、実行に移してみるのも一つの手。

課題を発見し、どういうふうに考えて改善して、どういう結果につなげたのか……そういう話が面接でできると評価されやすくなります。

会社から「やってください」と言われるのを待つのではなく、自分が「やるべきだ」と思えることに取り組み始めると、仕事に対するモチベーションもきっと上がるはず。

自分の意志で「これがやりたい」とアピールしてみましょう。やりたいことをやりながら、エンジニアとしての成長も得られるはずです。

最後に、『エンジニアtype』読者の皆さんからも相談があれば、ぜひサカモトのTwitterまでDMください。模擬面接を通して率直なフィードバックも可能です!

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