エンジニアtypeが運営する音声コンテンツ『聴くエンジニアtype』の内容を書き起こし! エンジニア読者が抱える仕事やキャリアのお悩みに、注目企業のCTOやさまざまな領域の第一線で活躍する技術者が回答します
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ナメられないエンジニアになるにはどうしたら? 澤 円・池澤あやか・小城 久美子・増井 雄一郎・ばんくしが質問や悩みに回答!【聞くエンジニアtype Vol.34】
スキルがものを言うエンジニアの世界。スキルの磨き方や、先輩エンジニアとの付き合い方に悩む場面もあるだろう。
今回は、聴くエンジニアtype初の公開収録のレポート最終回。MCのばんくしさんをはじめ、澤 円さん、池澤あやかさん、小城 久美子さん、増井 雄一郎さんが、会場の参加者から集まった質問に回答した。
※『聴くエンジニアtype』公開収録は、2023年6月に実施されたテックカンファレンス『ENGINEERキャリアデザインウィーク2023(ECDW2023)』の最終日に実施されました
エムスリー株式会社 VPoE
河合俊典(ばんくし)さん(@vaaaaanquish)
Sansan株式会社、Yahoo! JAPAN、エムスリー株式会社の機械学習エンジニア、チームリーダーの経験を経てCADDiにジョイン。AI LabにてTech Leadとしてチーム立ち上げ、マネジメント、MLOpsやチームの環境整備、プロダクト開発を行う。2023年5月よりエムスリー株式会社3代目VPoEに就任。業務の傍ら、趣味開発チームBolder’sの企画、運営、開発者としての参加や、XGBoostやLightGBMなど機械学習関連OSSのRust wrapperメンテナ等の活動を行っている
株式会社圓窓 代表取締役
澤 円さん(@madoka510)
立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、日本マイクロソフトに転職、2020年8月に退職し、現在に至る。プレゼンテーションに関する講演多数。武蔵野大学専任教員。数多くのベンチャー企業の顧問を務める。 著書:『外資系エリートのシンプルな伝え方』(中経出版)/『伝説マネジャーの 世界No.1プレゼン術』(ダイヤモンド社)/『未来を創るプレゼン 最高の「表現力」と「伝え方」』(プレジデント社)/『「疑う」から始める。これからの時代を生き抜く思考・行動の源泉』(アスコム社)/『「やめる」という選択』(日経BP社) Voicyチャンネル:澤円の深夜の福音ラジオ オンラインサロン:自分コンテンツ化 プロジェクトルーム
タレント・ソフトウェアエンジニア
池澤あやかさん(@ikeay)
1991年7月28日 大分県に生まれ、東京都で育つ。慶應義塾大学SFC環境情報学部卒業。 2006年、第6回東宝シンデレラで審査員特別賞を受賞し、芸能活動を開始。現在は、情報番組やバラエティ番組への出演やさまざまなメディア媒体への寄稿を行うほか、IT企業に勤め、ソフトウェアエンジニアとしてアプリケーションの開発に携わっている。 著書に『小学生から楽しむ Rubyプログラミング』(日経BP社)、『アイデアを実現させる最高のツール プログラミングをはじめよう』(大和書房)がある
プロダクトマネジメントコーチ 「プロダクト筋トレ」主催者
小城 久美子さん(@ozyozyo)
ソフトウエアエンジニア出身のプロダクトマネジャー。ミクシィ、LINEでソフトウエアエンジニア、スクラムマスターとして従事したのち、『LINE CLOVA』や『LUUP』などにプロダクトマネージャーとして携わる。そこでの学びを生かし、Tably社にてプロダクトマネジメント研修の講師、登壇などを実施。書籍『プロダクトマネジメントのすべて』(翔泳社)共著者
Product Founder & Engineer
増井 雄一郎さん(@masuidrive)
「風呂グラマー」の相性で呼ばれ、『トレタ』や『ミイル』をはじめとしたB2C、B2Bプロダクトの開発、業界著名人へのインタビューや年30回を超える講演、オープンソースへの関わりなど、外部へ向けた発信を積極的に行なっている。「ムダに動いて、面白い事を見つけて、自分で手を動かして、咀嚼して、他人を巻き込んで、新しい物を楽しんでつくる」を信条に日夜模索中。 日米で計4回の起業をした後、2018年10月に独立し'Product Founder'として広くプロダクトの開発に関わる。 19年7月より株式会社Bloom&Co.に所属。現在は、CTOを務める
みなさんの修行中の話を聞かせて!
ばんくし:会場にお越しの方からの質問です。「皆さんの修業期間の話が聞きたいです」ということですが、池澤さんは修行期間にどんな修行をしましたか?
池澤:HTMLやCSSを使ったWebサイト作りは高校の時からやっていたのですが、本格的にプログラミングを始めたのは大学に入ってからなんです。当時は本当に何も分からなかったので、ひとまず指針が欲しくて講座を受けることから始めました。
なかでもRuby合宿に参加したことは大きな意味がありましたね。コミュニティーの中に入ることで、他の人がどういう勉強をしているのかを知ることができたし、おすすめの本について教えてくれる人もいた。そこからどんどん知識が広がっていった感覚があります。Ruby界隈の人は優しい人が多い印象ですね。
増井:Rubyは初心者向けに公開されているドキュメントも多いですしね。
池澤:全部日本語で公開されているから、分かりやすいんですよ。
ばんくし:増井さんの修業期間はどんな感じですか?
増井:僕の修業期間は、まだインターネットがなかったんですよ。周りにもプログラムを書ける人はいなくて、最初に就職したのも会計事務所でITに関係ない職場だったので、一人でコツコツ勉強していました。
その後iOSが出たのと同じ時期にアメリカに行って、英語もiOSのことも分からない中で現地のコミュニティーに参加して学んでいったという感じです。
僕の場合は自分の足でその分野に詳しい人に会いに行って、そこから何かを得ることが多いですね。
ばんくし:なるほど。小城さんはいつが一番修行していたと感じますか?
小城:新卒の頃ですね。その修行期間中は、上司でもない人を勝手に自分のメンターに見立てて、めちゃくちゃ甘えまくっていました。今でも脳内にその方がいて、「こういう時、あの人ならなんて言うかな」と考えることもあります。
ばんくし:コミュニティーなり、師匠なり、みなさん「育ての親」がいるんですね。
池澤:人とつながっていないと途中で挫折しちゃうんですよね。
ばんくし:分かる気がします。
増井:師匠は一人である必要はなくて、ケースやフェーズに応じて探すといいと思います。
ばんくし:続いて会場の方から「今も修行中ですか?」との質問がきていますね。私自身はまだまだ修行段階だと感じてます。「修行」と言える年齢じゃないかもしれないですが……。
澤:僕は今54歳ですけど、修行を続けていますよ。年齢なんてただの数字なのに、日本は年齢ごとに階層を分けすぎな気がしますよね。
増井:澤さんは、去年より今年の方が能力が伸びていると思いますか? それともピークは過ぎたと感じますか?
澤:ちょっとずるい答えかもしれないですけど、僕は能力を一種目で考えていないんですよ。
増井:身長を伸ばすのをやめて体重を増やす、みたいな感じですね。
澤:そうそう、腹回りは細くするけど、腕は鍛えて太くするみたいなね。なんとなくテーマを決めて、その部分を重点的に修行する。それによって劣ってきた部分があれば後からまた手をつければいい。
もし年齢が気になるんだったら、今の体力や置かれている環境を観察して、最適なペースで修行すればいいんです。
若くても年を取っていても大切なのは「他人と比較しないこと」。その人にはその人のペースがあって、人と比較する必要は一切ないんです。
ナメられないエンジニアになるためにはどうしたらいい?
ばんくし:次の質問です。「周囲からナメられないエンジニアになるためにどんなことをしたらいいですか」とのことですが、小城さんいかがでしょう?
小城:私はいろんな方にメンターになって欲しいので、ナメられるのもそれはそれで良い側面があると思うんですよね。下から出ていろいろ教えてもらえた方がお得なので。
ただ、ナメられた結果あれもこれも押しつけられるのは違うので「ここまではやるけど、ここからは一緒にやりましょう」とか「ここからはあなたがやってくださいね」と言うのは大事。先回りしてやってしまうと「やってくれる人」というレッテルを貼られてしまうことがあるので、まず「私はどういう風に振る舞えばいいですか?」と聞くようにしています。
ばんくし:素直さが大切ですね。
澤:ナメてくる人って、自分の方が上だと思いたいんだろうね。それに対してこちらがネガティブな感情を持ったら相手と同じ土俵に立ってしまうので、別の銀河系の生き物くらいに思っているのがメンタル的に健全な気がします。
次回の放送からは番組内容をリニューアル!お楽しみに!
文/赤池沙希
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