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「自分の個性が分からない」エンジニアに捧ぐ、たった一つの個性発見法【オープンロジCTO・尾藤正人/聴くエンジニアtype Vol.61】

働き方

エンジニアtypeが運営する音声コンテンツ『聴くエンジニアtype』の内容を書き起こし! さまざまな領域で活躍するエンジニアやCTO、テクノロジーに関わる人々へのインタビューを通じて、エンジニアとして成長していくための秘訣を探っていきます。
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メディアに登場するスゴ腕エンジニアと比較して「自分には個性がない」と悩むエンジニアは少なくないはず。

自分の強みを知り、弱みをコントロールするにはどのようにすればいいのだろうか。

これまで4社でCTOを務め、多くのエンジニアと接してきた尾藤正人さんにそのコツを聞いてみた。

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株式会社オープンロジ
執行役員CTO
尾藤正人さん(@bto

大学在学中にVine Linux SPARC版を開発。卒業後IPA未踏ユースソフトウェアに採択。 ウノウ(Zynga Japan)CTOを勤めた後、UUUMにジョインしCTOとしてIPOを牽引。Reproの執行役員CTOを経て、オープンロジ執行役員CTOに就任

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【MC】
エムスリー株式会社 VPoE
河合俊典(ばんくし)さん(@vaaaaanquish

Sansan株式会社、Yahoo! JAPAN、エムスリー株式会社の機械学習エンジニア、チームリーダーの経験を経てCADDiにジョイン。AI LabにてTech Leadとしてチーム立ち上げ、マネジメント、MLOpsやチームの環境整備、プロダクト開発を行う。2023年5月よりエムスリー株式会社3代目VPoEに就任。業務の傍ら、趣味開発チームBolder’sの企画、運営、開発者としての参加や、XGBoostやLightGBMなど機械学習関連OSSのRust wrapperメンテナ等の活動を行っている

自分の個性は変えられなくても、行動は変えられる

ばんくし:前回の対談で「エンジニアの仕事は趣味の延長に近く、辛いと感じたことはなかった」と話していましたよね。現在勤めているオープンロジは「物流テック」というこれまで触れたことが無い領域であることに加えて、マネジメントも要求されるポジションです。新しい領域への挑戦にはしんどさがつきものだと思いますが、どのように乗り越えているのですか?

尾藤:僕、実はすごく楽観的な性格なんです。ものごとを心配するとか、うまくいかなくて悩むということがあんまりないんですよね……。

もともと楽観的な性格だから、行き当たりばったりで物事を進めちゃうこともあります。自分が今ストレッチゾーンにいるのかコンフォートゾーンにいるのかということを意識したことはあまりないですね。だからこそやれてるみたいなところもあると思います。

リスナーの方には1ミリも参考にならない回答になっちゃいますけど……。

ばんくし:いやいや、楽観性を高めることの大切さという部分ではすごく参考になります。楽観的がゆえに失敗することもあるんですか?

尾藤:それはそうです。何もかもうまくいくスーパーマンなんて、世の中にいないです。

ばんくし:失敗したとしても、くよくよせずに楽観的に捉えられるというのが尾藤さんの強みなんですね。

尾藤:エジソンの有名な言葉で「失敗ではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」というものがありますが、まさにそんな感じです。

これは僕のパーソナリティーだから昔から変わらないです。CTOという役職に就くからには、自分がどういうパーソナリティーかを理解することはすごく大事だと思っています。

例えば僕は楽観的だから、何も工夫をせずに進めたら失敗する確率が高いことを自分で理解しています。だからこそ、必要な場面では計画を立てる。そうすると、他の人から見たときに10点満点中4点くらいのものが出せる。それをチームのメンバーといろいろ調整しながらさらに良い物にしていく……そんな感覚で仕事に取り組んでいます。

ばんくし:尾藤さんがCTOとして各社で上手くやっている理由がよく分かる発言です。自分を知ってコントロールすることが大切なのですね。

尾藤:自分を理解するのって難しいとは思うんですけど、自分を知らないとコントロールもできないじゃないですか。人間ってどうしても「自分の考えが正しい」という思考になりがちなので、それを制御して第三者的に考えるのが大切なのだと思います。

考える人

ばんくし:「自分の個性とは?」と悩んでいる人は多いと思います。どのように見つけていくのが良いと思いますか?

尾藤他者との比較しかないと思いますよ。自分のパーソナリティーは自分のものさしだけでは絶対に分からないので。

例えば同じ仕事をしているメンバーと比較して、他の人ができていて自分はできていないことや、逆に自分はできているところはどんな点か、その差分は何だろうというのを考えるんです。

ばんくし:他者と比較するなかで、自分の得意・不得意や立ち位置を見つけていくということですね。

尾藤:周りを観察していると、世の中の平均みたいなものが見えてくる。それに対して自分がどのへんにいるのかを確認するプロセスを日々やっていくしかないと思います。特徴の無い人なんて絶対にいないので。

ばんくし:なるほど。尾藤さんは個性を活かすのが本当に上手だと感心します。

尾藤変えられないものは絶対に変えられないですからね。例えば、ばんくしさんは食べ物の好き嫌いはありますか?

ばんくし:お寿司が好きです。嫌いなものは基本無いんですけど、明日に響くような辛いものは好んで食べることはないですね。

尾藤:じゃあ「お寿司を嫌いになってください」と言われたら嫌いになれますか?

ばんくし:それは難しいですね……。

尾藤:それと同じように、自分の個性って変えられないんです。僕が楽観的なのも、計画性が弱いのも変えられない。でもそれは悪いことではなくて、その人が持っている個性をどうやってプラスに働かせるかということが大事だと思うんです。もしマイナスに働いてしまうなら、修正する方法を考えることも大切です。

ただ、自分の個性がプラスに働くのかマイナスに働くのかを客観的に理解していないと、修正することも難しいじゃないですか。

ばんくし:なるほど、少し分かってきた気がします。本質を変えるのではなく、捉え方を変えていくということですね。

尾藤:そうそう。本質は変えられなくても行動は変えられるから。

ばんくし行動を変えるために、他者との比較で自分の立ち位置を知る必要があるというのはかなり納得感があります。

尾藤:自分のものさしだけで見ていると自分の感覚の範囲内でしか行動できないですからね。他者との比較というのは非常に大事だと思います。

次回も尾藤さんのゲスト回をお届けします。お楽しみに!

文/赤池沙希

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