エンジニアtypeが運営する音声コンテンツ『聴くエンジニアtype』の内容を書き起こし! さまざまな領域で活躍するエンジニアやCTO、テクノロジーに関わる人々へのインタビューを通じて、エンジニアとして成長していくための秘訣を探っていきます。
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「複雑怪奇で面白い」好奇心の塊・尾藤正人が魅了されているものとは【聴くエンジニアtype Vol.63】
常に「好奇心」が成長のタネとなり、エンジニアやCTOとしてのキャリアを歩んできたという尾藤正人さん。
そんな尾藤さんが今一番好奇心をくすぐられるものとは?
全4回に及ぶ対談の集大成となる回となった。
株式会社オープンロジ
執行役員CTO
尾藤正人さん(@bto)
大学在学中にVine Linux SPARC版を開発。卒業後IPA未踏ユースソフトウェアに採択。 ウノウ(Zynga Japan)CTOを勤めた後、UUUMにジョインしCTOとしてIPOを牽引。Reproの執行役員CTOを経て、オープンロジ執行役員CTOに就任
【MC】
エムスリー株式会社 VPoE
河合俊典(ばんくし)さん(@vaaaaanquish)
Sansan株式会社、Yahoo! JAPAN、エムスリー株式会社の機械学習エンジニア、チームリーダーの経験を経てCADDiにジョイン。AI LabにてTech Leadとしてチーム立ち上げ、マネジメント、MLOpsやチームの環境整備、プロダクト開発を行う。2023年5月よりエムスリー株式会社3代目VPoEに就任。業務の傍ら、趣味開発チームBolder’sの企画、運営、開発者としての参加や、XGBoostやLightGBMなど機械学習関連OSSのRust wrapperメンテナ等の活動を行っている
「アナログ×テック」はカオスな世界。だから探求心が湧いてくる
ばんくし:対談も今回でラストです。最後に、好奇心旺盛な尾藤さんが今一番好奇心をくすぐられていることを教えてください。
尾藤:ポジショントークみたいになってしまいますが、物流テックは本当に面白いですよ。
物流の世界って、複雑性が高く難しいんです。例えば今はSOP(Standard Operating Procedures:スタンダードオペレーションプロシージャ―)と呼ばれる、倉庫内での作業標準化に取り組んでいるのですが、「左手で商品を持つ」「右手でバーコードリーダーを読み込む」「スキャンしたものを右側に置く」というレベルまで細かく規定するんです。
僕、正直そこまでの発想はなかったんですよね。だから「すげえな」と思って。このSOPは最近オープンロジに執行役員として入社した方が進めてくれているのですが、彼は長年物流に深く従事されていて、倉庫での作業を熟知しているんです。その結果、品質をあげつつ、効率的にオペレーションを行うためには仕組み化が必要不可欠だと言っていて。
そういう世界って、僕らエンジニアには想像できないし、知ることができない情報じゃないですか。
物流テックに限らずアナログな業界に対するテックサービスっていろいろありますけど、やっぱり実際に中に入ってみて初めて分かることや見えてくるものがあるのがすごく面白いです。
ばんくし:確かに、もし私が今物流のオペレーションを設計することになっても、そんなに細かくは考えないと思います。
尾藤:僕も全然思いつかないです。そこまでやるのか、と感激しました。
ばんくし:尾藤さんの声のトーンからも、楽しさを感じていることがひしひしと伝わってきます。「新しいことを知る」という行為は、尾藤さんの成長のためのエンジンなんでしょうね。
尾藤:そうそう。物流の世界はよく知らないからこそ、複雑怪奇で面白いです。
編集部:対談の中で「自分の個性を理解して活かすことが成長につながる」という話が出ましたが、その考えは尾藤さん自身の実体験からきているのですか? 例えば、「知的好奇心に従ってうまくいった」と実感したことがあったとか。
尾藤:正直、そういう感覚になったことはあまりないんですよね。というか、好奇心がない自分と好奇心がある自分を比較することはできないじゃないですか。だから正直、これが本当に正しいのかは分からなくて。自分が面白いと感じることを追求したら結果的に今に至った、という感じです。
ばんくし:感情的なタイプである一方、「自分はこういう性格だ」と言語化もできている。このニつを備えあわせているのが尾藤さんの強みなんだろうなと感じます。
尾藤:一応理系ですから。
ばんくし:いやいや、理系だからって誰でも言語化が得意なわけではないですよ。素晴らしいことです。
最後に、オープンロジのCTOとして何か伝えたいことはありますか?
尾藤:3月の頭にプレスリリースも出したのですが、オープンロジは37.5億円の資金調達を実施しました。
ばんくし:37.5億円! すごいな……。
尾藤:今世の中のスタートアップのバリュエーションって非常に下がっているんです。SaaSバブルと呼ばれていた2年前ほどはスタートアップが資金調達しやすい時代だったのですが、SaaSバブルがはじけて、一気に投資家のバジェットが上場企業に移ってしまって。
今の市況では、大型の資金調達ができるのは現在進行形で伸びている会社か、将来的に確実に伸びる見込みがある会社しかないんです。そんな状況において、オープンロジが37.5億円調達できたというのは大きな意味があると感じています。
IT企業が資金を投資をする時は「人材」に充てるのがセオリーなのですが、僕たちもご多聞にもれず、調達した資金を活用して積極的に人材を採用しようと考えています。エンジニアをどんどん採用して組織を大きくしていく予定です。今オープンロジに来ていただけたら、急成長する開発組織の中でキャリアアップするという経験を積めると思うので、興味がある方はぜひ応募していただけると嬉しいなと思います。
ばんくし:その荒波の中で尾藤さんと一緒に働けるのは、人生においてかけがえのない時間になりそうですね。
文/赤池沙希
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