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「納期プレッシャー」克服するには? メルカリ名村・SmartHR芹澤・スマニューたいろーが助言

働き方

今回お悩みを寄せてくれたのは、23歳のアプリケーションエンジニア。納期のプレッシャーに弱く、上司から「なるべく早く」と言われると、仕事のパフォーマンスが落ちてしまうそうです。

そこで今回は、メルカリCTO名村さん、SmartHR CTOの芹澤さん、スマートニュースのたいろーさんに「納期プレッシャー、どう乗り越えればいい?」と相談してみました。

株式会社メルカリ 執行役員CTO 名村卓さん 株式会社SmartHR 取締役・CTO 芹澤雅人さん スマートニュース株式会社 Technical Product Manager 森山大朗さん

今回のお悩み:納期プレッシャー、どう乗り越えればいい?

23歳/アプリケーションエンジニア

上司から「なるべく早く納品して」と言われると、パフォーマンスが落ちてしまいます。プレッシャーに弱く、なるべく納期に余裕がほしいのですが、まだ2年目の新人なのであまり生意気なことは言いたくなくって……。どうすれば「納期プレッシャー」を克服できると思いますか?

名村さんの回答

名村さん

納期プレッシャーを「エンジニアとしての成長要素」として捉えてみては?

納期プレッシャーはよくある話ですよね。エンジニアをやっていると納期のプレッシャーがないことなんてありません。エンジニアの仕事をしている以上は一生付き合っていくものだと思っています。

実際のところ、納期に余裕がほしいと簡単に言えるような仕事環境は稀だと思います。まずはエンジニアとしてどうすれば求められるスピードが出るのか、工夫できる部分はないのかを考えてみるのはどうでしょう。

納期というものは、往々にしてエンジニアの都合を考えずに決まっているものですし、ほとんどのケースで非合理的です。エンジニアとして、こういった不可能な課題や問題に対してどうアプローチできるかを考える能力は重要だと思います。

もし新人としてまだ大きな責任を負う時期でないのであれば、「納期に間に合わせる工夫」というエンジニアリングを楽しんでみてはどうでしょう。

こうしたプレッシャーに強くなることはエンジニアとしては重要ですし、実際どこまでが本当に無理で、どこまでは工夫で何とかなるのかを知ることも今後のエンジニア人生において重要な経験となっていきます。

体調を崩してまで無理をして、とは言いませんが、納期プレッシャーに対する自分のパフォーマンスを理解しておくという目的で、納期プレッシャーを成長の要素として捉えてみてはいかがでしょう。

芹澤さんの回答

芹澤さん

「チームとしては最善が尽くせている」と根拠を持って言える状態は、然るべき人にQCDバランスの調整をお願いする際の大きな手助けになります

いわゆるQCD(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期)とそのバランスには、常に悩まされますね。特に、手を動かしてものを作る立場としては、納期と品質に対するプレッシャーはずっと付きまとうと思います。

それを軽減する材料として「計測と合意」を挙げさせていただきます。例えば、チームの開発スピードが何かしらの方法で計測されていて、それが関係者内で「問題のない速度である」という合意が取れていれば、自分たちはやれるだけのことはやっているとして、ある程度プレッシャーから開放されるのではないでしょうか。

しかし、この開発スピードというのは非常に厄介で、速い遅いという言葉が使われる一方で、絶対的な基準はなく、定量的に速い遅いを判断することが難しい概念なのです。これを計測するための手法がいろいろと考案されてはいるのですが、気を付けないといけないのは、いずれの手法でも相対的にしか計測できないということです。そのため、計測された数値単体で判断するのではなく、チーム内でそれが良い状態なのかどうかを話し合い、合意形成をするまでをセットでやりましょう。

もちろん、開発速度に関して計測と合意をすることと、納期に間に合うかどうかは別問題です。ただ、「チームとしては最善が尽くせている」と根拠を持って言える状態は、然るべき人にQCDバランスの調整をお願いする際の大きな手助けになるのではないでしょうか。

たいろーさんの回答

たいろーさん

「なるべく早く」などの解像度を上げて、その仕事が「いつまでに何をすべきものなのか」を見える化してみよう

エンジニアだけでなく、仕事であれば「納期」は付きものであり、納期のない仕事はありません。とりわけプレッシャーに強い人や弱い人がいるわけではないと思います。仮に「納期のプレッシャー」の正体が「納期までに作業を終えられるか分らかないことによる心理的不安」だと定義すると、二つの不安が混在しているので、分解してみましょう。

一つ目は「作業工数が正確に見積もれない不安」なので、必要な作業と必要時間の見積もり能力や経験不足が原因です。これは、先輩や上司に手伝ってもらいましょう。

二つ目は「納期自体がハッキリしないために抱く不安」です。「なるべく早く」とはいつまでなのか? いつまでに完成すれば十分で、いつを踏み越えると致命的なのか。最優先であれば他の仕事は延期しても良いのか?など、仕事を請ける時点で、そこを明確にしましょう。納期と作業工数が明確になれば、不安は消えるはずです。

お化けと一緒で、人間は常に「見えないもの」が不安なので、とにかく解像度を上げて、その仕事が「いつまでに何をすべきものなのか」を見える化してみてはいかがでしょうか。

メンターズプロフィール

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株式会社メルカリ 執行役員CTO
名村卓さん

1980年生まれ。小学生の頃からプログラミングを始め、大学はコンピュータ・サイエンスを専門とする会津大学へ進学。コンピュータ理工学部へ進み、在学中からSIerでシステム開発を行う。2004年、大学を中退した後はSIerに就職、その後サイバーエージェントに入社。リードエンジニアとして『アメーバピグ』『AbemaTV』など主要サービスの開発に携わる。16年メルカリに入社。US版メルカリの開発などを担当。17年4月に執行役員CTOに就任

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株式会社 SmartHR 取締役・CTO
芹澤雅人さん(@masato_serizawa

2011年よりナビゲーションサービスを運営する会社にて、経路探索や交通費精算、動態管理といったサービスを支える大規模なWebAPIの設計と開発に従事。16年2月にSmartHR入社、開発業務のほか VPoE としてエンジニアチームのビルディングとマネジメントを行う。20年11月現職に就任し、現在はプロダクト開発・運用に関わるチーム全体の最適化やビジネスサイドとの要望調整を担う

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スマートニュース株式会社 Technical Product Manager
森山大朗さん(@tairo

早稲田大学卒業後、リクルートで人事・営業などを経験した後、エンジニアに転身。新サービスの立ち上げやビズリーチでの求人検索エンジン開発などを経てメルカリに参画。Head of Data/AI/Searchとしてメルカリの検索アルゴリズム改善やAIを活用した新機能の開発、Machine Lerning Engineer組織を統括した。2020年より現職。AIを活用したダイナミック広告のプロダクトオーナーとして開発のマネジメントを担っている。■ブログ:ユニコーン転職日記、■voicy:ユニコーン転職ラジオ、■note:たいろーのnote

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