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エンジニアが今から学ぶ言語はPython一択!?特徴や勉強法などもあわせて解説

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世界最大のIT企業・Googleが「三大プログラミング言語」に認定したPython。MicrosoftやFacebookなどの大企業も続々とPythonを導入し、近年人気を集めています。その人気の高さから「Pythonを学んでみたいけど、何ができるんだろう」と考えている人は多いかもしれませんね。

そこで今回はPythonの歴史や特徴、勉強法などを一挙公開! 「難易度が低い言語から勉強を始めたい」「学習コストをかけたくない」という人は必見です。

Pythonとは?

Pythonはオープンソースのプログラミング言語の一つです。「読みやすい」「分かりやすい」「習得しやすい」上に実用性も高く、特に最近はAI開発やビッグデータ解析の分野で注目を集めています。

プログラミング言語の人気度を調査するTIOBE indexによると、Pythonの順位は2018年以降右肩上がりで上昇しており、2021年6月版のランキングではC言語に次いで2位を獲得。PythonはまもなくC言語を抜いて首位になることも予測されています。

今もっとも注目されているといっても過言ではないPython。そんなPythonがどのように生まれ、どのように今の地位を確立していったのかを紐解いていきましょう。

Pythonってどうやって生まれたの?名前の理由は?

Pythonが誕生したのは1990年(リリースは1991年)。Googleでも勤務経験のあるオランダ出身のプログラマー、グイド・ヴァンロッサム氏によって開発されました。新しい言語と思われがちなPythonですが、実は誕生から30年以上も経っている言語なのです。

今や他言語をしのぐ程の人気言語となったPython。しかしPythonはオフィシャルな開発プロジェクトによって開発されたのではなく、グイド・ヴァンロッサム氏の趣味によって開発された言語です。当時グイド・ヴァンロッサム氏が担当していたプロジェクトが既存の言語では思うように開発が進まず、「もっと使いやすい言語があれば」と考えたことからPythonの開発が始動。Pythonの開発が1989年の12月にスタートしたことから、このプロジェクトは「クリスマスの暇つぶし」と呼ばれています。

Pythonの名前の由来は当時BBCで放送されていたコメディー番組『空飛ぶモンティ・パイソン』から取ったとか。そのため、Pythonという名前に深い意味はありません。

Python人気の変遷って?

Pythonが生まれた1990年代前半は、世界各国でIT技術が目まぐるしく発展し、IT革命の礎が築かれた時代。この時代には、Python以外にもRubyやPHPなどの軽量なプログラミング言語が多く生まれました。

今や幅広い分野で活用が進むPythonですが、実はPython人気が爆発的に広がったきっかけは、2000年10月にリリースされたバージョン2によるものでした。さらに2005年にはPythonの代表的なフレームワーク『Django(ジャンゴ)』が誕生。2009年には『Bottle』、2010年には『Flask』など続々とフレームワークが追加され、Pythonを使った開発効率が飛躍的に上昇したことからPythonの普及がさらに進みました。

2020年に発表されたPYPLのデータによると、Pythonの検索割合は2005年時点では6位ですが、2020年には1位に順位を上げています。

Pythonの将来性は?

結論からいうと、Pythonの将来性はとても高いです。その理由は、Pythonが機械学習やディープラーニングなどの「AI」や「ビッグデータ」など、将来性が高い分野の開発を得意としているから。特にAI領域の市場規模は前年度比約50%の成長率で拡大しており、多様な企業がAI分野への参入を始めています。

また世界的に見ても、Pythonは「プログラミング言語人気ランキング」や「もっとも検索されているプログラミング言語ランキング」など、あらゆるランキングで常に上位にランクインしており、今後も順位を上げていくことが予想されています。

Pythonのメリット・デメリット

さまざまなランキングにより、Pythonの人気が今や飛ぶ鳥を落とす勢いで高まっていることはお分かりいただけたと思います。では、Pythonはなぜここまで人気なのでしょうか? Pythonのメリット・デメリットを紐解きながら、Pythonの魅力を探っていきましょう。

Pythonのメリット1.コードがシンプル

Pythonの最大のメリットはコードがシンプルなことです。Pythonには、読みやすさや書きやすさを重視したルールが多く設定されています。例えば、if文やforループなどの処理をすると強制的に字下げされる「オフサイドルール」もその一つです。誰が書いても分かりやすいコードになりやすく、IT初心者であってもコードの解読がしやすいという特徴があります。

下記は同じ「7+3」の計算式をJavaとPythonで表したものです。これを見るだけでも、Pythonのコードがシンプルだということが分かりますね。

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コードがシンプルということは、ミスやエラーが発生しづらいというメリットもあります。

Pythonのメリット2.開発環境を準備しやすい

PythonはWindows、Mac、Linuxなど、メジャーなOSであれば動かすことができます。OSによってはPythonが標準インストールされていることもあります。開発環境を準備しやすいため、初心者もコストをかけることなくPythonに触れることが可能です。

Pythonのメリット3.実用的なライブラリ・フレームワークが豊富

システム開発を行なう時に、汎用的に使うプログラムをまとめたものを「ライブラリ」、既に一連の処理が実装されており、その一部を自分で実装ながら使うものを「フレームワーク」といいます。Pythonは画像処理やWeb開発、統計処理などさまざまな分野で活用できるライブラリやフレームワークが充実しており、開発効率の向上やコードのシンプル化に役立っています。以下はPythonの代表的なライブラリ、フレームワークです。

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Pythonのメリット4.ミス・エラーを発見しやすい

プログラミング言語は、プログラミングした文字列をコンピューターが理解できるオブジェクトコードに変換する方法に応じて「インタプリタ言語」と「コンパイラ言語」の二つに分けられます。Pythonはインタプリタ言語です。
コンパイラ言語はコードを一括してオブジェクトオードに変換するのに対し、インタプリタ言語はコードを1行ずつオブジェクトコードに変換していき、エラーが発生するとプログラムがストップする仕組みです。そのため、インタプリタ言語はエラーの箇所が特定しやすく、エラーの解読に時間が掛かりにくいという特徴があります。

Pythonのメリット5.初心者が習得しやすい

PythonはIT初心者であっても直感的に理解しやすい構造になっているため、初心者が最初に学ぶ言語としてもおすすめ。海外では、教育用言語としてPythonが取り入れられることも多くあるようです。また、Pythonは誰が書いても似たコードになりやすいため、IT初心者がベテランエンジニアの書いたコードを見ながら勉強することができるのもメリットの一つです。

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Pythonのデメリット1.処理の速度が遅い

Pythonを含むインタプリタ言語は、コードを1行ずつオブジェクトコードに変換するため、処理の速度が遅いのがデメリットとして挙げられます。特にPythonは、インタプリタ言語の中でも特に実行速度が遅いといわれています。そのため、Pythonは速度が求められるゲーム開発や大規模なシステムにはあまり向きません。

Pythonのデメリット2.インシデントが必要

先ほども説明した通り、Pythonはコードのまとまりを字下げ(インシデント)してグループ化する必要があります。インシデントによってコードが見やすくなる一方で、他の言語では必要がない作業が発生することや、インシデントの位置を間違えるとエラーが発生してしまうことから、人によっては面倒だと感じる人もいるようです。

Pythonのデメリット3.日本語の情報が少ない?

世界中で人気があるPythonですが、実は日本でPythonが注目されるようになったのは最近です。そのため「Javaなどに比べるとPythonに関する日本語の情報が少ない」という声も。一方で、日本でもPythonの導入例は増えており、書籍やWebサイトの情報量は日々増加。Pythonの情報量は、近いうちに他の言語と遜色なくなることが予想されます。

Pythonでできること

Pythonは「コードがシンプルで初心者が習得しやすい」「開発効率が高い」「ミス・エラーを発見しやすい」などのメリットがある一方で、実行速度が遅いといったデメリットがあることをお分かりいただけたと思います。それらのPythonの特徴から具体的にどのようなシーンで利用されるのか、活用例と共に見ていきましょう。

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AI(人工知能)の開発

Pythonが注目を集めるきっかけになったのがAIの開発です。AIの中でも、特に機械学習の分野で広く活用が進んでいます。その理由はPythonが統計や計算などのデータ処理が得意で、機械学習に関するライブラリが豊富にあるから。

この特性を活かして、PythonはUberの自動車配車サービスや産業用ロボット、SiriやAlexaの音声認識サービスなどでも活用されています。「AIといえばPython」というイメージが確立されているため、世界中のエンジニアがPythonを使ってAIの開発を進め、それによりさらに学習や研究が進む……という良いサイクルもできあがっています。

Webアプリケーション・サービスの開発

Webアプリケーション・サービスに求められるのは開発速度です。Pythonは実行速度は遅いものの、Web系のフレームワークが充実しており、開発効率が抜群に高いのが特徴です。つまり、ユーザーが欲しいサービスをいち早く提供できるという特徴があるのです。

このような特徴から、世界最大の動画配信サービスのYouTube、写真・動画共有SNSのInstagram、オンラインストレージのDropboxなど、さまざまなWebアプリ・サービスで活用されています。

データ分析・解析

Pythonはデータ分析に必要な「クローリング」「スクレイピング」「データ前処理」の工程で利用できるライブラリが充実しており、大量のデータを処理する能力が高い言語の一つです。

そのため、Pythonはビッグデータの分析・解析にも役立てられ、データサイエンティストにとっても必要不可欠な言語となりつつあります。このような特徴から、Pythonは楽天の物流戦略やグルメ情報サイトのぐるなびなどでも活用されています。

ブロックチェーン開発

ブロックチェーン技術とは、高い耐改ざん性や透明性を備えたデータを記録できる技術のことで、仮想通貨を筆頭に医療や物流などの分野でも導入されています。Pythonはこのブロックチェーン技術に必要なライブラリ「hashlib」や数値計算のライブラリが豊富にあるため、ブロックチェーン開発で広く利用されています。LINEの仮想通貨「LINE BITMAX」なども活用例の一つです。

Pythonの学習方法

これまで何度も「PythonはIT初心者であっても理解しやすいプログラミング言語」と説明してきました。でもいざ勉強するとなると、「何から手を付けていいか分からない…」と感じてしまう人も多いのではないでしょうか?

そこで、初心者が効率よく勉強するためのコツをまとめてみました。新しいプログラム言語を習得したいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。

Pythonは初心者でも学習しやすいって本当?

結論から言うと、Pythonは初心者にこそ学習してほしい言語です。なぜならPythonはWindowsやMac、LinuxなどメジャーなOSであれば特別なコストを掛けることなく触れられるからです。

さらに、シンプルなコード構造のPythonは直感的に理解しやすく、初心者がつまずきづらい点も特徴です。実際にプログラミング教育の現場などで初心者向けのプログラミング言語としてPythonが使われることも多くありますよ。

国内のPython導入事例や書籍、Web上の情報量も日々増加しており、初心者が学ぶには申し分ない環境です。

Python初心者におすすめの勉強法って?

初めてプログラミング言語の勉強をする場合は、公式サイトや書籍の情報だけを頼りに独学で進めるのはおすすめしません。Pythonは初心者にも理解しやすい構造ではあるものの、プログラミングの基礎を分かっていない状態では、ミスの解読に無駄に時間を費やしてしまうことも。できればプログラミング経験者に質問ができる環境で勉強を進めるのが理想的です。

「できるだけお金をかけずに学びたい」という人は、YouTubeなどで配信されている初心者向けの動画もおすすめ。またProgateドットインストールPyQAidemyなどのオンライン学習サイトでも無料で学べるコンテンツが豊富にありますよ。

ある程度Pythonの基本を理解できたら、「AI」「Webサービス」など分野を絞って勉強してみましょう。それぞれの分野に特化したライブラリやフレームワークを実際に使ってアプリを開発してみるのもいいですね。

Pythonエンジニアってどんな仕事?

近年では日本でも需要が増えつつあるPythonエンジニア。PythonはAIからWebサービス、ブロックチェーン開発などさまざまな分野で活用されており、「Pythonエンジニア」といってもさまざまな職種に分けられます。それでは、Pythonエンジニアの需要がどれくらいあるのか、将来性や年収などについても深堀りしていきましょう。

Pythonエンジニアの需要って?将来性は?

2019年6月に発表された「プログラミング言語別新規案件昨対比」によると、Pythonの求人割合は過去最大に増加しており、Javaについで2位。特にAI分野での需要が増えており、Webアプリケーションのサーバーサイド開発での活用も進んでいます。

さらに2020年には、情報処理推進機構(IPA)が運営する国家試験「基本情報技術者試験」の出題内容が見直され、COBOLの代わりにPythonが追加されました。さまざまな企業やサービスで既にPythonの導入が進んでいることからも、Pythonの将来性が抜群に高いことが分かりますね。

Pythonを使う仕事ってどんなものがあるの?

先ほども述べた通り、一口に「Pythonエンジニア」といっても、職種によって仕事内容は大きく異なります。一般的に、Pythonを使う仕事は以下の四つです。

●人工知能(AI)エンジニア
AIや機械学習、ディープラーニング技術を使ったサービスの提案・開発など

●Webアプリケーションエンジニア
Webアプリケーション・サービスの開発など

●データサイエンティスト
ビッグデータの分析や施策立案、提案など

●マーケティング
タスクの自動化、画像・データの解析・分析など

Pythonエンジニアの給料はどれくらい?

2018年にビズリーチが発表したデータによると、Pythonエンジニアの年収中央値は575万円、最大1499万円となっており、他言語と比較した最大年収ランキングではGo言語に次いで2位となっています。日本の平均年収463万円と比較しても、Pythonエンジニアのほうが高いことが分かりますね。

また先ほども述べたように「Pythonエンジニア」と一言でいっても、どの職種につくかによって年収は大きく異なります。先ほど挙げた四つの職種の平均年収は以下の通りです。

●人工知能(AI)エンジニア:約599万円
●Webアプリケーションエンジニア:約598万円
●データサイエンティスト:約697万円
●マーケティング:508万円
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未経験でもPythonエンジニアになれる?

結論からいうと、PHPやRubyなどのバックエンド言語を使った開発経験がある人であれば、Pythonエンジニアとして転職することは充分可能です。また大量のデータを扱ったことがある人であれば、さらに大きなアピールポイントとなるでしょう。

逆に、エンジニア未経験の人がPythonエンジニアとして採用されることはほとんどありません。その理由は、Pythonエンジニアの業務内容は幅広いため、Pythonの知識だけでなく周辺知識が必要となるから。まずはエンジニアとしての経験を積み、業界知識を身に付けるところから始めましょう。

Pythonで多領域で活躍できるエンジニアを目指そう

「実行速度が遅い」というデメリットはあるものの、それを上回るメリットにより、「優秀なプログラミング言語」として世界中で愛されているPython。AIやビッグデータ領域などで活用が進み、将来性抜群なPythonは、エンジニアであれば習得しておきたい言語の1つなのではないでしょうか? Pythonは学習難易度も低いので、「エンジニアとしてのキャリアを高めたい」「新しい言語を学びたい」と考えている人はぜひ習得を目指してみてください!

文/赤池沙希

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